アラフォー上海留学日記【24日目】

3/21 木

そういえば、中国でドライヤーを買おうと思ってたのに、気づけばないままで過ごしている。AUXの高速吹风机の評判がいいからこれを買ってもいいんだけど、半乾きで寝てもとくに問題なさそうだし、このままいってみるか。

听说课で、彼はまるで◯◯のように一気にごはんを食べた、という文章をつくる課題があった。先生が、何日も食事を食べていなかったかのように、と例を出すと、くだんの迷惑おじさんが、アフリカの飢えた子供のように?と質問した。あちゃーと思ったその瞬間、南ア出身の布希が、あなた今なんて言った!?と即座に抗議。おじさんが、いや昔の話で…と弁明するが、布希は許さない。こういう目に何度もあってきたのだろう。一瞬で反応して抗議できる布希はかっこよかった。私も自分や誰かがこういうことを言われたときに、即抗議できるようにならなければ。結局おじさんがごめんね、と謝って場は収まった。

おにぎりで簡単に昼ごはんを済ませ、語学学習アプリで約束をしたJINさんに会いに行く。途中、電車でおばあさんに席を譲り、徳を積んだ。上海体育馆站から徒歩20分のはずが、道を間違えて約束時間ギリギリに到着。ぶらぶらするために電車やバスに乗るのには慣れたが、時間通りに問題なく目的地に到着するには、まだまだ経験が必要だ。
待ち合わせ場所の永新坊がある天钥桥路は、小さめの飲食店が並ぶ、なかなか便利そうなエリア。競歩のようなスピードで歩いていたため写真も撮ってないし、よくよく見渡す余裕がなかったのが悔やまれる。また今度行ってみるか。

JINさんは同年代くらいの男性で、イベント関連の会社に勤めているが、最近は仕事が忙しくないので中抜けしてきたんだそうな。上海は不景気です、と嘆いていた。中日交流会のときも利用したカフェチェーンの蓝蛙に入店。メニューにアルコールがある。ちょっと飲みたかったが、珈琲でがまんだ。
日曜に会ったシンさんと同じくN1合格を目指しているというJINさん、やはり日本語がめちゃくちゃうまい。ベランダとラベンダーとベテラン、広報と候補と歩行、こういうのがなかなか覚えられないという。あと、生かされている、みたいに助動詞が重なるフレーズがなかなか口から出ない、とか。私とレベルが違いすぎる。

いわく、コロナ禍でまったく外出できず、うつになりそうなときに日本語の勉強をリスタートして、一気に語彙を増やしたとか。コロナ禍は人権がなかった、ウイグルのデモがきっかけで都市部でも学生たちによる白紙をかかげるデモが広がり、ようやく過剰な行動制限が終わったとしみじみ振り返っていた。あのときに食らった上海人の傷はとても深いように見える。

彼、けっこう政権へ物申すタイプで、胡錦涛のときはまだよかった、「和谐」をかかげて外交も比較的うまくいっていた。いまは私たちは台湾への観光ビザがとれないし、台湾の人も本土には来ない。習近平の独裁にはみんなウンザリしてる。こういうことをズバズバ言う。
2013年の尖閣諸島問題があったでしょう、あと去年の処理水問題、と話し始めたので少しギクリとしたが、単に、あのとき日本行きの航空券が安くなってラッキーでした!という話だった。なんというか、これがリアルな上海人の政治との距離感なのかな、と思った。

昨日調べた奇祭一覧を見せると、ひとつも知らないという。情報を得られず残念。ひとり飲みできる店やエリアについても尋ねたが、古北の居酒屋くらいしか思い当たらない、カウンター席があるバーもグループで飲むのが一般的だとの答え。飲み屋情報、ぜんぜん集まらないな。困った。

繁体字を書けると知的に見えるからおすすめだとか、ドキュメント72時間とかウチついてっていいですか?等日本のドキュメンタリー番組おもしろいよね、とか、上海の芸能人はどこに住んでるのかとか(新天地の近くに比較的多いそう)、例のごとく北京と上海の文化や言語の違いとか(私が我“得”◯◯と話していたら、その言い方はすごく北の方の人っぽいと言われた)、なんだかんだで3時間くらいおしゃべりし、疲れて突然中国語がわからなくなったのにはびっくりした。脳のキャパ超えたな。最終的にはほぼ日本語で、路上で摩托车が非常危险で…とかルー大柴の中国語版みたいな言葉をしゃべっていた。

珈琲代をおごってもらったうえに、車できているというので、ご厚意に甘えて学校の校門まで送ってもらう。ありがたい。上海で自家用車に乗るのははじめて。しかも、かなりいい車だった。バスより低い視点から見る夕方の上海は新鮮で、そういやタクシーに乗ってないなと気づいた。まだまだ未経験のことだらけだ。

宿題を少しやって、食堂で駆け込み夕食。昨日もそうだったが、食べている途中で容赦なく電気が消されていくの、いつ見ても笑う。学生側も負けておらず、スマホのライトを灯して語らうカップルがいたり、真っ暗ななかで頑なに食べ続ける子がいたりで、私もかくありたいと切に思う。圧力に負けない姿勢、めちゃくちゃだいじ。

暗い中で急いで夕食を食べ切り、宿舎に戻り宿題の残りをやるが、まったく進まない。たぶん、私のなかで1日に中国語に対して使えるエネルギーの絶対量があり、今日はもうそれが切れてしまったのだろう。今日できることは、明日のためにまたエネルギーをチャージすることのみ。アラフォーだもの、CPUはシングルコアだし、バッテリーのもちもだいぶ悪くなっていてあたりまえ。交換できないのだから、ケアして大切に使い続けるしかないのだ。

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