アラフォー上海留学日記【49日目】

4/15 月

胃腸の調子が悪い。とくに暴飲暴食もしていないのに、気持ちが悪いし下している。40歳を過ぎると体調のいい日のほうが少ないとよく聞くが、あれはほんとうだったのか。今後の人生はこういう日々の連続なのかと思うと、どうやって不調と付き合っていくかをちゃんと考えなくてはいけないな。ああ中年。

授業で张老师が、みんな週末は楽しく過ごせたことでしょう、先生は残業してみんなの回答をひとつひとつ修正してたいへんだったよ~ひとりの回答に40分かかることもあったんだから!と言っていて、よもや私の回答じゃないだろうなとギクリとする。もしそうだったら、先生の貴重な週末をつぶしてしまって申し訳なさすぎる。

テスト明けの今日は、授業のテーマが中国の食べものということもあり、みんなリラックスして盛り上がっていた。あれ食べたことある、これ知ってるなど、わいわいグループワークが盛り上がるが、私だけ食べものの写真を見るだけでげんなりな状態。
お昼は、いちばん油を使っていないと思われる山东煎饼に卵と生野菜を入れたものをちまちま食べて、なんとか栄養をとった。今日は栄養チャージドリンクを買いに行こう。ユンケルとかウィダーインゼリーみたいなやつ。

昨日物干し場に干しておいた洗濯物がカラカラに乾いていて、少しテンションが上がる。今度はここでシーツも干そう。なにせ、約50日間一回も洗ってないのだ。まったくもっておそろしいことである。

宿舎を出ると、クラスメイトの韓国人の普惠が欧米系のボーイフレンドと手をつないで歩いているところを見かけた。留学生どうしの異国の恋、いいね。ラブホとかないけど、秘密の逢瀬はどうしているんだろう。下世話ながら、ちょっと気になってしまった。

仕事のメールを返したのち、栄養チャージドリンクを買いに古北のカルフールへ向かう。17時をすぎたあたりだったため、いつもは空いてるトラムがぎゅうぎゅうだ。トラムから眺める街並みにも、帰宅ラッシュの人々があふれている。月曜日、みなさんおつかれさまでした、と心のなかでつぶやく。

カルフールが入っているビルはくすんでボロボロ、薄い自動ドアがギ、ギ、ギ、と震えながら開き、ビルの中は廃墟のよう。動いていないカート用のエスカレーターを登りカルフールについたら、申し訳程度に品物が並んでいる空虚な空間が広がっていた。数年前にカルフールは上海から撤退したと聞いていたものの、地図上ではこの古北店は営業していたため、ここだけ生き残ったかと思っていたが、こんなに無残な状況だとは思いもしなかった。栄養ドリンクなど売っているはずもない。

しかたがないので古北を散歩。東のほうしか行ったことがなかったので、西のほうを探索する。途中で日本人駐在員をちらほら見かけた。古北には日本人以外に韓国人も多く住んでいるが、髪型とスーツのチョイスで日本人駐在員かどうかは一発で判別できる。
駐在員とKTV小姐の店外デートを見てみたいと思いつつなかなか遭遇できなかったが、ここに来たらよかったんだ。小姐連れのサラリーマンが、チョコプラの長田知ってる?と小姐に言いながらタクシーに乗って去っていった。どこ行くんだろう。Gさんが、威宁路のイタリアンSOLAREは駐在員と小姐だらけですよと言っていたが、そっち方面だろうか。

ここらへんのマンションの1階にある店も完全に日本の雰囲気で、小料理屋のカウンターで女性がひとりで飲んでいてうらやましく思った。近くにスーパーがあったので、日系かしらと寄ってみたところ、完全に韓国系。オキアミの塩辛とかキムチとか、生ものも売っている。冷麺をみつけ、今日食べたいのはこれだ!とよろこびいさんだ。すっぱい麺なら食欲がなくても食べられる。栄養ドリンクの写真をとって、韓国語を勉強している友人におすすめを聞くと、左のやつは二日酔いに聞くドリンクだと教えてくれた。

古北の散歩を続ける。ここらへんは古めのマンションが乱立しているので、団地が好きな人にはたまらない光景。へんなマンションがたくさんあってめちゃくちゃ楽しい。個人的な見どころは穴あきマンション。そこ開けるんだ、という意外性にワクワクする。そびえたつマンション群のなかに、廃品回収の自転車があるのも趣がある。いいね、古北。住んでみたかった。

帰りのバスは安顺路で下車。この路好きなんだ。宿舎で冷麺を食べる予定だったが、すっぱい麺(凉皮)を見かけたので衝動買い。さらに酸っぱくしたいので酸菜笋尖のやつを選んだ。ところが、これがけっこう辛い。辛さにひいひい言いながら、水をタンブラーで2回汲みに行きつつ2/3食べたところでギブアップ。

辛いのだけはどうしても慣れない。ほんとうは四川や湖南の料理も食べてみたいんだけど、ぜったいに食べられないのがわかっているので手を出せない。中国の八大料理のうち2つを食べられないなんて悲しいが、そのぶん臭豆腐やドクダミは難なく食べられる。ちゃんとできることとできないことのバランスがとれているのだと思うしかない。



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