アラフォー上海留学日記【55日目】

4/21 日

今日はシンさんと中山公园の龙之梦にあるくら寿司で、びっくらポンをやる約束をしている。そのあと藤を見に行く予定。
日本にいるときにくら寿司に行ったことがないので、どういう違いがあるのかはよくわからないが、いわゆるファミリー向けの回転寿司屋として違和感のないつくりだった。あがりのノズルもちゃんとある。ガリも無料で注文できたので頼んでみたが、シンさんは、ちょっと食べられない…と吐き出していた。ごめん。

白身魚が食べたかったが、こちらではあまり人気がないようで用意されていなかった。甘えびの軍艦巻きにマヨネーズがのっていたり、サーモンはマリネふうになっていたり、お肉の寿司があったりと、メニューについてはかなり現地ナイズされている。
使用済みの皿で抽選をし、当たればガチャガチャができる「びっくらポン」をやってみた。3回やって1回当たり。LINEのキャラクターとコラボしたキーホルダーが出てきた。えびを背負っている羊、かわいい。

シンさんから、これ役に立つから、と辞書をプレゼントしてもらい感動。わざわざ買ってきてくれたんだそうだ。今月頭に仙台に羽生結弦のアイスショーを見に仙台旅行をしてきた話などを聞きながら、寿司をたらふく食べた。お会計のときに、大众点评のクーポンを使おうとしたら、抖音にあるクーポンのほうがお得だと店員さんに言われ、あわてて抖音をインストールした。ひとり113元。クーポンのおかげもあり、思ったより安い。

龙之梦にはポケモンセンターがあるということで、ちょっと寄ってみる。中国ではコダックが人気で、ケンタッキーとコダックがコラボした際には、商品が一瞬で売り切れたという。ポケモンセンターでは毎年年末にカードバトル?を開催しており、その年のマスター(チャンピオン)を決めるそう。初心者にカードバトルを教えるブースもあった。

瑞幸咖啡で珈琲を買おうとすると、シンさんにサイトに表示されたクーポンを使いなよ、と勧められた。使って注文してみたら、なんと3元。安すぎる。毎日違うクーポンが表示されるので使ったほうがいいよ、とのこと。飲食店に入ったらまず大众点评かお店のサイトでクーポンがないかチェックせよ、とのレクチャーを受けた。

龙之梦の前にあるでかいポケモンボールのオブジェの前で2人で写真を撮り、タクシーで嘉定紫藤园に向かう。嘉定は車で1時間くらいの郊外で、公共交通機関で行くと何度も乗り換えが必要なため、タクシー移動。昼間っからタクシー移動だなんてお金持ちになったきぶん。2人で割ると700円くらいなんだけど。

嘉定の街はいかにも郊外という雰囲気で、小さな川や自然が多く、一戸建ても目立つ。最近はここに一軒家を買って、中心部に出勤している人も増えたそうだ。でも高いよ、とシンさん。相場は4億円。
嘉定紫藤园の藤棚は、1996年に大阪府八尾市和气町の藤本道生さんが寄贈したもの。藤本さんが藤を寄贈とはこれいかに。それに加えてアメリカ種、中国種なども追加され、現在の姿にいたったという。たくさんの人が、思い思いの写真を撮っている。ライブ配信をしている人もたくさんいて、歌ったり踊ったり、混雑も気にせずやりたいほうだいだ。あんたの配信誰が見るの?っていうおじさんも、楽しそうに配信中。
途中、自撮り棒で写真を撮ってと阿姨たちに頼まれた。シャッターを切っているうちに、だんだんポーズがノリノリになってきてかわいい。

近くに紫云廊という藤棚があるそうなので、川沿いに移動。このエリア、円形に川が整備されていて、地図上で見るとお濠のよう。真ん中にお城でもあったのかとシンさんに聞いたが、わからないという。橋の高さギリギリのポンポン船が幾度も通り、独特な景観。

紫云廊に向かう途中、シンさんが上海を離れる予定だという話を聞く。半年前に香港の労働ビザを申請して、今はビザが下りるのを待っている最中なんだそうだ。上海は人口2500万人、香港は700万人、競争率が全然違う。上海の生活は疲れる。香港の大学院に行っていたこともあり、香港にはいい思い出しかない。いま申請している労働ビザの期限は3年なので、その期限内に仕事を見つけるつもり。とりあえず早くビザを出してほしい、ビザがないと面接もしてもらえない、とぼやいていた。
ご両親は反対しないの?と聞くと、絶対反対するとのこと。大学院に進学するときも大反対で、でもお兄さんが賛成してくれたから親も折れたんだそう。今回もお兄さんに味方になってもらう予定、と茶目っ気たっぷりに笑った。

こちらの藤棚は人も少なく、藤の回廊が川沿いに延々と続くのんびりした場所だった。途中でシンさんが、これなつかしい~とポン菓子を買ったら、おじいがスーパーの袋いっぱいに入れてくれて笑った。半分あげる、ともらったが、半分でもすさまじい量。

帰りのタクシーを待っているとき、シンさんが、これ珍しい! 初めて見た!と避難所の案内板の写真を撮っていた。えっ避難所ないの? 台風とか災害のときどうするの?と聞くと、家で待機するとの答え。上海は地震がないから、自宅がなくなることは想定されていないんだそうだ。火事が起きた場合の訓練は1年に一度やるけど、と避難所は知らないなあと言っていた。

タクシーで龙之梦に戻る。シンさんが高速道路から見えたマンションを指さし、あれ私の家です、と教えてくれた。ご両親と一緒に住んでいるんだそう。高速道路をはさんではす向かいにあるマンションにはお兄さん一家が住んでいるとか。お兄さんの話になると笑顔がこぼれる。仲のいいきょうだいなんだろうな。

龙之梦の地下街で莉莲蛋挞 LILIAN BAKERYのエッグタルトを買い食い。上海でエッグタルトを食べるならこの店なんだそう。1つ7元、安い。そしてうまい。これはかなりあり。

盒马というスーパーを案内してもらい、このスーパーのアプリを使うといろいろ届けてくれて便利だよ、と教えてもらう。別にこのアプリを使わなくても、饿了么という外卖アプリで買い物代行を頼めば、〇〇に行って××買ってきてという依頼を指ひとつでできるという。行列に変わりに並んでおいて、なんていう使い方もできるそうだ。

盒马、めちゃくちゃいいスーパーだった。おそうざい大充実。その場で調理してもらって食べられるスペースもあり、ザリガニをむさぼり食うカップルがいた。半身のチキンを買ったため、ひとつ7.9元のカキはあきらめたが、今度ぜったい買いに来よう。海産物売り場では、すっぽんが生きたままケースに入れられていてかわいそうだった。上海で昔から人気があるというミルクバーは、シンプルなデザインがいい感じ。

地下の飲食店街をシンさんの解説つきで流し、このエリアのあまりの使いやすさに、なんで今まで知らなかったんだと歯噛みする。学校の隣駅なのに。灯台下暗しすぎる。慣れた慣れたと思っていても、私から見えている世界はまだ皮を一枚めくったくらいの深度で、二枚、三枚とめくっていかないと見えてこないものがたくさんあるんだろう。
最後に、駄菓子コーナーを案内してもらい、経験もしていないのになつかしいような気持ちになった。また遊ぼうねとお別れし、帰舎。

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