アラフォー上海留学日記【70日目】

5/6 月

久しぶりの授業を楽しみにしている自分がいる。旅行もいいけど、授業もけっこう好きなんだ。

オンラインで中国の大学の留学生向け授業を何期か受けたことがあるけど(HSKの奨学金制度を使った一期4か月のカリキュラム。たしか、かかったのは申込費約3万円のみ。上海の复旦大学、青島大学、蘭州大学の計3期を受講した)、オンラインだとどうしても双方向にならず、しかも日本人向けのクラスだったためにみんな控えめで、私ばかり発言してでしゃばりおばさんみたいになっていたのが気まずかったことを思い出す。カメラをオフにしている人とかもいたし、授業というより講義みたいな雰囲気だった。
やっぱり教室で顔を合わせながら、多国籍なクラスメイトといっしょに勉強するというのが新鮮でいい。オンライン授業は中国語で授業を受ける練習になったので、やって損はないとは思うが。安いし。

黎明に绿皮车30時間乗ってきたよ~という話をしている最中で、トルコ人おじさんが黎明の二の腕の後ろに入れているタトゥーの文字はなんて書いてあるんだと割り込んできた。お父さんがスペイン語で我爱你と書いてくれた、そのレタリングを入れているんだそうな。父の字を体に彫る、か。さすがに自分の目から見えるところには入れていなかったことに、ですよね、と思った。
仙一にも砂漠の動画を見せ、おじさんから解放された黎明もいっしょに、カシュガルは異国だったよという話をする。上海の外灘もすごい人出だったんだよ、私は行きたくなかったんだけどスペインから友達が来てたからさ~と黎明が見せてくれた外灘の写真はまさに人山人海。3人で、連休の中国はどこに行っても景色を見るより人を見ることになるね、と苦笑いした。

授業で小玩意儿(小さなおもちゃ)という単語が出てきた際、先生が、いま中国の小さな女の子が夢中になっている「泡泡玛特」って知ってる?と、三等身フィギュアを紹介してくれた。いろんな種類があって、買い集めている大人も多く、価格が高騰しているものもあるそうだ。今度ショッピングモールに行ったら見てみよう。

後半の授業は低血糖により途中離脱。エネルギーバーを胃に入れておいたけど、コーヒーがだめだったか。40代の体調の変化にまだまだ対応しきれておらず、なにがダメでなにがよいのか試行錯誤の連続だ。パッと解決する方法などたぶんないので、根気強く付き合っていくしかない。部屋に戻って少し休み、パックごはんと味噌汁を胃に入れて昼寝をした。

洗濯ものを取り込んだのち、校外の集荷所にて、昨日取りに行けなかった荷物をピックアップ。駅前の道、何度も何度も通っているはずなのに、こんなところに集荷所があるなんて気づかなかった。飽きたと思っていた道にも、まだまだ知らないことがたくさんある。見えてないものがたくさんある。

帰り道、路上でウエディングフォトかなにかを撮っているカップルがいた。なぜここで? 大学で出会ったのかしら。この道はいつも2人で歩いていた思い出の道とか。やっぱり、飽きたと思っていた道にもドラマがある。

食堂で早めの夕飯を食べて、次の課の予習。窓を開けてタバコを吸うたびに蚊が入ってくるので、買っておいた蚊よけを設置した。端午の節句は人間に悪さをする虫たちを払うためのもの、と昨日書いたが、まさに端午の節句を期に、悪さをする虫が跳梁跋扈しはじめたのでおどろいた。昔の人の知恵、偉大。

そういえば、旅行から帰ってきてから、語学力が上がらないことへの焦りは消えてしまった。新疆ウイグルなどを旅行するために中国語を始めたので、なんだ、できたじゃん、と気が抜けてしまったのだと思う。もちろん、できたと言っても立っているのは最低ラインだ。現状ではトラブルには対応できないだろうし、まだまだ努力しなくてはいけない。
でも、なんか肩の力が抜けたのはたしか。これが吉と出るか、凶と出るか。留学期間は残り約半分、折り返し地点の現在地はこんな感じ。

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