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文春落語・柳家喬太郎×瀧川鯉八レポ

どうも、ゆるラクゴプロデューサーのイエモトです。
毎週、落研出身の二人がゆるいラクゴみたいなショートストーリーを作るPodcast番組を配信しています。

最新話、まだの方はぜひ聴いて下さい!

2月17日(土)、楽しみにしていた「文春落語・柳家喬太郎×瀧川鯉八」を観に行ってきました。

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会場は紀尾井町にある文藝春秋のホールということで、何か変な意味での緊張感がありつつ現地へ。途中、松ちゃんいるかな?とか頭に浮かびましたが、よくよく考えてみたらいる要素が一切無いですね。逆に一番いないというか。いや、これがたけしならいるのか?でもあれは愛人のためであって今回のケースとはまた違う、、

そんなことはどうでもよいのですが、方向音痴につき、シンプルに行けば3分のところを警備員さんの助けを借りながら15分ほどかけて到着。落語会の詳細か何かに「席自由」と記載があったと記憶していたので、早く着いた方が良い席に座れるだろうと多少余裕を持って行動していたはずなのに、開場時間とっくに過ぎての到着でした。無念と思いつつ、誘導係の方に促されるままにホール内を進むと、どうやらチケット記載の整理番号順の入場で、入場後は席自由ということのようでした。尚、私が着いたとほぼ同時に私の整理番号が呼ばれたので、全く待ち時間無く入場することができました。こういうときって逆にラッキーな気持ちになりますよね。

席は約150席くらいが満席。
「文春落語」は、喬太郎さんがゲストを呼ぶ形式で定期的に開催されており、お客さんは喬太郎さんのファンの方が多いとは思いますが、今回のゲストの鯉八さんのファンの方も一定数いた印象です。お二人とも比較的分かりやすい落語をやられる方々なので、もう少し若年層も来ているのかなと思っていましたが、どうやら私が超若手くらいの年齢層だったかなと思います。

柳家喬太郎「どじょう買い」

喬太郎さんの古典落語からスタート。ん?たぶん古典落語だよね?あんまり調べても出てこなかったのでちと不安になりました。ご自身でもおっしゃっていましたが、「文春落語」で毎回違うネタをやろうと決めているが会自体が長く続くにつれてどんどんネタが無くなっていくと。それだけマイナーな落語ということですね。

噺自体は至ってシンプルでしたが、やはりすごいなぁと思うのは、ネタに入る前の第一声。ボソッと一言言っただけなのにワッと笑いが来る感じ。ゼロ秒でツカミが完了する感じ。プロだなぁと痺れました。私もいつか第一声でツカミたいものです。憧れ。

瀧川鯉八「おはぎちゃん」

鯉八さんの落語を生で拝見するのは初めてでしたが、衝撃的でした。ぜんぜん発想が分からない。でも面白い。意味は分からないけど絵が見えてくる。ほえーとなりました。そして、マクラで嘆いていた「高齢者ばかりの客層だと僕の落語では太刀打ちできない」ということについて、「そりゃそうだよな」と納得せざるを得ない落語を見せつけられたようでした。

噺の根底には「同調圧力」的なテーマはあるように思うのですが、なんかそこら辺を考えるのも野暮というか、バカバカしくなる感じが素晴らしいです。癖になる。

柳家喬太郎「極道のつる」

休憩を挟んで、喬太郎さんの2席目。
内容はタイトルの通り。極道の兄貴がバカの舎弟に落語の「つる」の如く、つるの名前の由来を教えます。それを舎弟が外で誰かに教えようとするが?という落語の「つる」の超改作でした。
これはたぶん、セリフ起こししたらそんなに面白くないのかもしれないですし、発想としても至ってシンプルなのですが、喬太郎さんの演技力と声量により圧倒的な面白い新作落語に仕上がっておりました。個人的には極道の兄貴の渡部篤郎みが好きです。

「鯉八さんの新作落語に対抗できるネタはこれくらいしかなかった」と話されていましたが、発想とかシュールで勝負して来ている後輩に対し、このような超剛腕で跳ね返す喬太郎さんの静かなるギラギラ感も感じられ、これはこれで痺れる展開で素晴らしかったです。

まとめ

ちゃんとした落語会の落語を生で観るということ自体、もうどれくらいぶり?という感じでしたが、やはり落語は生で観るのが良いなぁと思いました。

また、改めて落語とは台本が出来て完成ではなく、どんどん変化していくものなのだろうなぁと。もしかしたら完成なんか無いのかもしれません。台本にしてみて、読み物としてよく出来たと思っても、声に出してみるとしっくりこない箇所がいくつも出てきたりします。そこを直してお客さんの前でやると、さらに変えたくなる箇所が増えます。シャワーを浴びたりしていると「あそここういうセリフまわしに変えたら面白いかも!」と急にアイデアが降ってくることもあったり。とにかく日々変化していくのが落語だよなぁと思います。

最後のトーク内でも、「新作落語を作っても3分の1くらい残せたらめちゃくちゃ打率高い」「持ちネタでも急にしっくり来なくなって捨てたネタがある」というようなお話しをされていましたが、まさにそういうことなんだろうなぁと。落語は生き物ってやつですかね。

我々のPodcastでは、ネタをとりあえず作るところまでをやっています。実際にお客さんの前でやるためには、そこから繰り返し繰り返し練習し、どんどん変化させていく作業が必要になりますが、どんなに頑張ってもプロの落語家さんには、総合的な技量では足元にも及ばないことは明白です。とはいえ、「自分で作った新作落語だけは誰よりも面白くできる」という状態には持っていくことができると思っています。だからこそPodcastをやっていますが、そこまで極めるに至る過程がまだまだ整備できていないことを再認識しています。そこを含めて「誰もが気軽に簡単に」表現できる世界をつくれればなぁと目論んでおりますので、今後そこらへんも何か考えて発信していくつもりです。

というわけで、今後の自分の活動にもつながる非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。

これを機に、どんどん落語会に出向きたいと思います!

では、また。

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