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「#ゆるラクゴ」のつくりかたについて

どうも、ゆるラクゴプロデューサーのイエモトです。
昨日から実家(北海道帯広市)に帰省しているのですが、いきなり依田勉三の怨念みたいな氷点下を見せつけられ、絶対に布団から出ない決意を固くさせられるのでした。

というわけで実家のオフトンからお送りしておりますが、今日はせっかくなので私が配信しているPodcast【「#ゆるラクゴ」のつくりかた】について概要をここに記しておこうと思います。

番組の冒頭で、毎回私が下記のような説明をしています。

この番組は、日々のモヤモヤやイマジネーションを誰もが気軽に簡単にゆるーくラクゴのフォーマットを借りて表現できる世界を創りたい!そんな想いを胸に、我々と今お聴きの貴方と一緒に、毎週1作、ゆるいラクゴすなわち「ゆるラクゴ」をつくって遊ぶPodcast番組です。

「#ゆるラクゴ」のつくりかた

基本、私イエモトと劇団員のミノケンという二人でテーマを持ち寄り、それに沿って一人語りのショートストーリー(ゆるラクゴ)を作るという内容です。

パートは、

①テーマ発表
②創作会議
③ゆるラクゴ本編
④感想戦

の4パートに分かれていますが、メインは②創作会議パートになります。

元々は毎週創作落語を配信する内容にしようと思っていたのですが、たぶんそれだけだと「よく知らんやつのよく分からん創作落語?」となり、これじゃあ誰も聴かないだろうと考え直し、その創作落語が出来る過程を垂れ流すことで、どんな人が作り、どんな流れでその内容になったのか?が分かるようにしました。
生産者さんの顔がパッケージされてるほうれん草みたいな感じで、その方が創作落語自体の付加価値も上がるんじゃなかろうかと思ったのです。

また、「創作落語」じゃなくて「ゆるラクゴ」と表記しているのは、縛りとハードルを極限まで無くしたいと思ったからです。
落語のイメージは様々ですが、一般的には「伝統芸能」「難しそう」「笑点」などのイメージが大半でしょう。
かく云う私も大学で落語研究会に入るまでは、落語なんてまともに真正面から接したことはありませんでした。
とにかく古臭くてとっつきにくくてダサいイメージ。どちらかと言うと、漫才とかコントとかの方に興味がありました。
ただ、実際にちゃんも接してみると、なんて素晴らしいフォーマットなんだ!と感心したのでした。
「落語が好き」と一口に言っても、好きなポイントがそれぞれ異なることが多々あります。
例えば、「古典落語のストーリーが好き」とか、「噺家が好き」とか、「寄席が好き」とか、「伝統が好き」とか。
私は、「表現手法としてのフォーマットが好き」になりました。

フォーマットとはどういうことか。
まず、究極に始めるのが楽なことです。
必要なものは、正直身ひとつあれば良い。
着物とか扇子とか手拭いなんかもあれば良いですが、それすら最悪無くても良い。
なんなら、Podcast上なら音声のみなので寝てても出来る。
一人で勝手にやれるなら人的リソースも皆無。
しかも、古典落語という最高の教材がゴマンと転がっている。
それでいて「落語」って言えばある程度聴いてもらえる土壌まで揃っている。
あらゆる趣味の中でもこんなに初期投資がいらないものはほぼ無いでしょう。
ヒト・モノ・カネがマジでいらないのです。

そして、落語自体の表現手法としての優秀さは本当に素晴らしいと思っています。
先ほどの始めやすさにも繋がりますが、基本的に舞台上に身ひとつしかありません。
無駄を一切省いているのです。
それは、聞き手に想像をしてもらうためです。
想像の邪魔になるものは排除しているのです。
私はこれをよく「なんにもないのになんでもある」と表現します。
なんにもない「から」とも言えるかもしれませんが、私はそれが落語の真骨頂、魅力のひとつであると考えます。落語の世界は自由です。

「こ、こんちは!」
「なんだ誰かと思ったら八っつぁんか、どうした?そんな白鳥の湖みたいな格好して」

これだけで、八五郎がご隠居の家に白鳥の湖みたいな格好で来た情景が浮かびます。
白鳥の湖だから、あのドリフみたいなの着て来ちゃったのかな?何があったんだろう?てか、焦ってるっぽかったから走って来たのかな?走ったら股間の鳥が、、、
みたいな想像が、聞き手の中で勝手に増幅していく感覚があります。
その想像も、聞き手によってディテールが全く異なります。
つまり、その物語はパーソナライズされ、メタバースのように無数の広がりをみせるのです!
この後、八五郎が泥棒を追いかけていることにしても良いし、バレエの稽古をしていることにしても良いし、宇宙に打ち上げられても良いわけで、それがセリフを言ってしまえばそうなるんですから、語り手としては魔術師になったかのような気分です。
まさに自由!

しかし残念なことに、今の落語を取り巻く環境は、「伝統」が強すぎて、そのフォーマットを活かしきれていないという実情があります。
こんなに自由で始めるハードルが低いのに、始めるどころか、接することすら遠のいてしまう。
これはもったいない!ということで、ひとまず「ゆるラクゴ」と表記してみました。
ラクゴをカタカナにしたのは「伝統」に縛られたり構えすぎない意味と、ガチ落語フリークの人に怒られたときの備えです。
「僕らのは落語じゃなくてラクゴなので、別物です!」って言うためです。

そういえば、番組を始めるときにアンケートをしたのでした。
「ゆるラクゴをやってみたい?つくってみたい?聴くだけでいい?とりあえずゲストで出たい?」みたいな内容だったと記憶しています。
その結果、「やってみたい」がトップでした。
だったらみんなやればいいじゃん!こんなにハードル低いんだよ!こんな感じでつくってやってるよ!てかこんなんでいいんだよ!というデモンストレーションを我々が毎週行なっているとも言えます。
その方向性で変わらず突き進んでおり、昨年12月には落語をやったこともなかったポッドキャスター仲間のまいこうさんに、創作落語を実演してもらうこともできました。
これがまた出来が良かったもんだから、この方向性は間違いないのだと私としての自信にも繋がりました。
今年はさらにいろいろな方に「ゆるラクゴ」を楽しんでもらいつつ、参加していただく機会を設けたいなぁと企んでいます。

何か表現したいことがあるんだけど、アタシって、音楽や絵やダンスもできないし、どうしたらいいの!?というそこの貴方!
貴方のために「ゆるラクゴ」がありますよ!
ぜひ一度、番組のゲストとしてお話しを聞かせていただけませんか?
そしてもしよければ、「ゆるラクゴ」をやってみませんか?

一緒に新しい文化を!ムーブメントを!つくっていきましょう!

番組詳細はこちらをご覧ください!

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