デジタル化社会に向けて、アナログ好きな私が考えること
2020年3月、新型肺炎ウィルスが流行しはじめ、4月には拡大予防のために人の動きがとまった。飲食店はこれまでの店舗経営だけではどこも立ち行かなくなり、テイクアウトを始めたり、自粛休業に入っている。
テイクアウトだって、どれだけの在庫を持ってやるのか、販売単価いくらでできるのか、本当に用意した分が買ってもらえるのか。これまでの店内誘致ビジネスとは違い、現状の社会状況を鑑みると、利益を出すまでには至っていないだろう。客単価1万円を超える店だって、千円強の弁当を売っている。
そして、まだまだ、ウィルスの状況は予断を許さない。この2か月、先日まで大丈夫ではないか?と考えられていたことが、いやだめかもしれない、となり、刻一刻社会情勢も変わり続けている。楽観的に落ち着いて経済V字回復という説もあるけど、このウィルスが落ち着くことはなく、共存の世界でどう生きていくかを考えるほうが現実的という考えを私は指示したい。
だれも予測ができない、未曽有の世界に突入し、じゃぁこれから商売はどうなっていくのか。これまでの店内誘致ビジネスを強行しては、もう継続的には成り立っていけないだろう。
デジタル化社会に向けて
コロナによって人の外出行動は制限されたけど、その影響でオンラインでの活動はより活発になった。これからは、現場主義であってもアナログ大好き人間であっても、デジタル上で活動することが必須となる。というか、もうなっている。
デジタル上で活動(オンライン化・デジタル化)することは、機械的に活動することとは違う。アナログなやり方、考えを捨てることでもない。
ここでいうアナログとは、人の温かみや、人とのかかわり合い方、情熱、感情といった、0か1かで測れないものを指しているが、むしろアナログ的な(愛情深い、想いが強い)人間こそ、デジタル化した社会にも強いと私は考えている。
というか、デジタル化の波に自分を乗せていくには、精神力(マインド)というアナログさがきっと誰でも必要になる。
想いはアナログ、アナログは個性、発揮する場所はデジタル
アナログは個性だと思っている。情熱や感情はそれぞれだから。個体差という表現でもいい。
デジタル化した社会では、すべてが可視化される。つながっている人間関係も、どこで何を話したかも、どこに行ったかも、何を食べたかも、何を買ったかも、何を考え、どんな目標に向かっているかも、何が好きなのかも、すべてが表面化してくる。
一つ一つは細々とした情報でも、デジタル上に残されていき(意図的に残していき)、紐づけされて、可視化される。点の情報は線になり面になるから、あなたがどんな人か、信用できるかどうかにつながっていく。それはつまり、人間社会のアナログ(心理)を生む。好きなものはまた使い(好きな人とは再度会い)、それがデジタルデータに残っていき、可視化される。以下ループ。これがデジタル化した社会(DX:デジタルトランスフォーメーション)の一部分と理解している。
これから、ツールは基本的にすべてデジタルになるから、ツールに合わせて適宜、適切な変化(早めの柔軟な対応)は必要になるけれど、その人自身の個性や強みを変えろと言っているのではないから、どうか安心してほしい。あなたは、あなたの想いをそのまま持っていていい。いえ、持っていてください。
これからは、個でつながっていく
デジタル化という切り口で、私たちが今すぐできることがある。
インターネットの話になるが、これまでは、企業の看板は信頼の証で、消費者は、企業が伝える商品コンセプトや広告記事など、企業側でコントロールされた一方的な情報を受けるだけだった。
だけど、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、note。楽しくにぎやかに使っているこれらのソーシャルネットワークサービスというWEBサービスは、「誰でも」「無料で」利用でき、「いつでも」「自由に発信」することができる。
自分も発信できる側になったなら、誰かの手によってコントロールされた情報に魅力は感じない。相対的に個の力が強くなり、情報をコントロールしようとする企業・事業アカウントの発信影響力は弱くなった。だから、これからは個の時代と言われている。
ソーシャルネットワークは双方の自由なコミュニケーションによりつながることが本質なので、これまでのような企業的スタンスで一方的な情報配信だけに使っていると、ネット上では周りから人がいなくなっていく。誰だって、一方的に話しまくる人の話をずっと聞きていたくはない。つながりを感じない。お互いに聞き、お互いに話し、相互理解を深め、好きな人と好きな雰囲気を共有して心地よくいたい。つながってるって感じるから。
だから、あなたが、ブランドスタンダード(ルール)が厳しく決められた世界的なブランド会社に勤めている人間でない限り、企業アカウントでやれと会社に指示された運用であっても、「自分」や「人の温度」というものをどんどん出していった方がいい。それがつながりをもたらすから。
小規模事業者なら、ブランドは自分というところも多いから、どんどん自分の熱量・個性というアナログをデジタルに載せていこう。
必要なことは「やってみる」こと
あなたの想いや、個性、強みを、どのようにデジタルを通したコミュニケーションで発揮していくのか、伝えていくのか、そういう思考や行動(=結果としてのスキル)が今、求められている。
インターネットで個の力が強まり、情報の流れ・潮目が変わったとしても、情報に受け手側と発信側がいることは同じだ。どちらも大切な役割ではあるが、自分のスキルによって誰かを幸せにしたい、喜ばせたいという想いを持つ事業者なら、発信者になろう。
一発逆転やラッキーパンチ存在せず、やってみること。ただ地道にやり続けることが大切だということは、多くの人が知っている通り。それはデジタルがメインの世界になっても同じで、変化の中では正解や傾向さえつかめないことも多い。行動と検証が大事と私も考えている。
インターネットは仮想世界(バーチャル)ではなく、現実世界の関係性をつなぐものとしてその価値を変えた。適応あるのみ。
あなたの覚悟を、デジタルの世界でも知りたい人はたくさんいる
誰もが、自分の覚悟で生きている。店を再開するも、ここで辞めるも、自分の生き方、その延長に働き方(仕事)がある。
私は、この激動の時代に自分のサービス(技術)で人々の笑顔を増やしたいと考える人を応援したい。
アナログに強い人は、この社会に元気を与えたり、笑顔を与えたり、やさしさを共有できたり、盛り上げられる人だと思う。
私は、アナログを持つ人間が好きだ。その人ならではの魅力があるから。だからこそ、価値ある人がどうやってデジタル化の波に乗っていくか、考え、最初の一歩を一緒に行動していきたい。それが今は事業支援につながると考えている。
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