見出し画像

マジック背景世界の未来、予想と妄想

※中国公式による情報流出がありましたが、本記事はその内容に触れません。12/21時点で正式公開されている情報にのみ基づいて記します。

『ファイレクシア:完全なる統一』で、5人の既存プレインズウォーカーがファイレクシアの手によって「完成化」させられる――

新セットのお披露目とともに、そんな発表が為されたことは、みなさんご存知の通りだ。

本記事では、完成化しちゃってその後どうすんだろう……?というお話を、無責任に予想&妄想していきたい。

まず、あり得る選択肢は以下の3つだ。

  1. 完成化から元に戻ることなく(あるいは死の直前にだけ元に戻り)死亡

  2. 完成化から元に戻ることなく生存

  3. 完成化から元に戻り生存

各選択肢について、もう少し掘り下げてみよう。

1.完成化から元に戻ることなく死亡

まぁ、一番ありそうなラインだ。ヴィランになるんだからそりゃそう。

特に、カード化回数が多い(≒デザイン空間が残ってない)上に、土地使いとしてはレンと/エルフとしてはタイヴァーとかぶっているニッサあたりは退場してもおかしくない。

現時点でマジックのキャラクターは増えすぎており、このあたりで”人員整理”が起こる可能性は多々あるだろう。

退場したキャラも過去編でカード化できると『兄弟戦争』や特殊セットが証明しているのも、死亡退場説を後押しする。

ただ、この死亡退場説には2つの疑問が残る。

一つは、キャラクターを"処分"してしまうデメリット

たとえばジェイスはヴリン関連の掘り下げを残しているし、先述のニッサにしたって、今後相性の良い物語や次元が登場する可能性は大いにある。

キャラクターを死亡退場させず、『引き出しの中に入れておく』方が、今後のセットに幅が生まれるだろう。

もう一つは、退場のドラマとしてはあまりに希薄なこと。

複数人が次々に改造され、悪者になって死ぬ。

仮にも主役級だったキャラクターたちの最期を描くにしてはあまりにも雑ではないだろうか。ヒーローの闇堕ちというおいしい題材を改造・洗脳という形で調理するのは、ドラマ性に欠ける。(まだ盛り上がる可能性もあるって?でも5人+アジャニ&タミヨウ、全員を掘り下げる尺は無いんじゃないかな……)

キャラクターの最期と言えば、灯争大戦におけるギデオンが挙げられるだろう。彼の死は非常に丁寧に扱われた。ダクは、うん……

ギデオンの死に対する、非常に丁寧な追悼。
これを踏まえると、(ヤヤ含め)今回PW達が雑とも言える扱いを受けているのは「この先の救い」を見越しているからでは?と考えられるのだ。

2.完成化から元に戻ることなく生存

『機械兵団の進軍』以降も完成化PW達は生存するという推測。

おそらくはファイレクシア陣営の新たな脅威として各次元を飛び回ることになるのだろう――が、この可能性は薄いかなあと考えている。

というのも、そもそもVSファイレクシア編が長いのだ。

ヴォリンクレックスの再登場に驚かされた『カルドハイム』発売は2021年2月。
ストリクスヘイヴンやイニストラードには姿を見せなかったとはいえ、かれこれ丸2年以上、ファイレクシアの脅威が描かれ続けたことになる。

ゲートウォッチ編やVSボーラス編でも、「似たようなキャラクターが似たような脅威と戦う展開は飽きる」という声が届いていた旨は、マローが述べていた。
これ以上、VSファイレクシアを描き続けるとは考えにくい。(「どこの次元に行ってもファイレクシアがいる」展開は、「ゲートウォッチ疲れ」と同じ感想を招くだろう)

また、完成化PWが外見の魅力に乏しい点も引っかかる。
彼らは程度の差はあれ「歪んだ人型」であり、イニストラードの怪物やエムラクール化したモブと似たようなビジュアルに落ち着いている。

外見で言えば、従来のファイレクシアンの方が独自のクールな魅力を持っているのではないだろうか。

彼ら彼女らを差し置いて、完成化PWをメインヴィランにするのは、いささか地味に思えてしまう。

3.完成化から元に戻り生存

キャラクターのファンとしては救われるが、ややご都合主義が過ぎ、物語としては今一つといえるパターンだ。

また、完成化が元に戻せたとしても、アジャニに殺害されたヤヤは帰ってこない

ここからアジャニの贖罪の物語を始めるのもなぁ、という感じであり、おそらくこの「元に戻る」展開が一番望み薄だろう。

時間改変という説を除けば。

『機械兵団の進軍』キービジュアルを飾るテフェリー、そして「多元宇宙に永遠の変化が訪れる」という売り文句――

これ、テフェリーが命懸けで時間を巻き戻す展開ではないだろうか?

この展開であれば、アジャニによるヤヤ殺害も帳消しにできる。

フォロワー様からご指摘いただいて気付いたが、時間改変ネタは運命再編で達成している
またテフェリーが時間の魔術に秀でていることは周知の事実だし、世界の構造そのものを書き換える話も大修復で経験済みだ。
これらの点を踏まえると、時間改変という一見すると突拍子もない展開であっても、「いきなり出てきたご都合主義」という印象は薄いだろう。

さらに、時間改変を行うことで、ニコル・ボーラスをはじめとする過去の人気キャラクターを再登場させる機会にも恵まれる。
邪悪で強大なドラゴンという設定のボーラスはヴィランとして魅力的であり、瞑想領土でボケ老人のような余生を過ごさせておくのは勿体ない。

(これは個々の嗜好の問題だが、ボーラスのような分かりやすい悪役の方が個人的には好みである。また悪者してほしい)

なお、この時間改変説を筆者のマジック仲間である女子高生プレイヤー・”ニッサの女”ことN氏に伝えてみたところ
それ、リリーの苦悩に対するアンサーにもなってるじゃん!
という鋭い指摘があったことも付記しておこう。

自らのせいでギデオンを死なせ、彼を救うことを望んでいるリリアナ。
しかし、彼女の屍術ではギデオンを蘇らせることはできず、またギデオンもゾンビとなることは望まないだろう。

――そんなリリアナの望みを叶える術として、時間改変は完璧だ。
元より、今のリリアナはギデオンのためなら手段を厭わない。
テフェリーに力を貸し、時間改変魔法を成功に導くのではないだろうか。

……というのが、N氏からいただいた見解。こいつもオタクだな……

あと「ニッサとジェイヴラが元に戻れないならマジック辞める」って言ってた。まぁ、小学生の時からの相棒だもんねニッサ……

結論

というわけで、筆者としてはキャラクターの有効活用という観点から「時間改変で(テフェリー以外)元に戻る」という説を推しておく。

ただ、ウィザーズがキャラクターを本当に大切にするかは全く分からない

鳴り物入りで主人公となったゲートウォッチは空中分解するし、イクサランでドラマを生み出したジェイスとヴラスカのその後はカードに描かれることはなかった。

ドビンに至っては、灯争大戦を生き延びたにもかかわらず、小説でひっそりと死んだ。

同様に、ヤヤや完成化PW達も、何の救いもなくさっくり死ぬのかもしれない。

そうならないでほしいな~と願いつつ、期待を裏切られる予感もしつつ、まずは『機械兵団の進軍』を待ちたいところだ。


お読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは動物の世話及び保護の為に役立てさせていただきます。