相続とは...?ハンコです!
こんにちは😃
蒼井です^ ^
さて、仕事でたずさわっている相続について書いて行こうと決めたわけですが、まず相続とは何か?
その本質は?
私なりに一言で言うとズバリ!ハンコです。
もう少し言うとハンコとは、実印(と印鑑証明書のセット)です。
言い換えれば同意です。
誰の?
相続人全員です。
相続人全員のハンコ(同意)、又はそれに代わるものがなければ絶対的に解決しない(手続きできない)のが相続なんです。
つまり人間関係なんですね。
思えばいつの世も1番頭を悩ますのは人間関係です。
相手がモノであれば...相続で言うと例えば知識とか、書類が多い、ややこしい、意味がわからないとかですね。
そう言ったことは各専門家にお金を払って任せればほとんどは解決できますが、人間関係は難しい。
まぁ、そのために弁護士さんがいるわけですが、弁護士さんだけは、モノはもちろんのこと人も相手にできるわけです。
だから弁護士さんって凄いと思います。
私は仮に弁護士資格を持っていたとしてもあんな仕事はやりたくないw
ようするにあまり人間関係の良くない中に入っていくわけですから。
さて、話が少しそれましたが相続手続きをして、相続は終わったというためには、原則、相続人全員のハンコ(同意)が必要です。
ハンコ(同意)が得られなければそれに代わるものが必要です。
家庭裁判所の調停調書や審判書ですね。
ハンコ(同意)は絶対的で省略することはできません。
どうしてもムリなら、調停や審判で家庭裁判所にお世話になるんです。
(例外として、遺言書がありますが。
また、後で書きます。)
ハンコ(同意)が揃わない場合として、皆さんはどういう状況を想像するでしょうか?
多分、真っ先に思うのが遺産争い(揉める)ではないでしょうか?
"争続"なんて言ったりもしますが。
もちろんそれもあります。
しかし、ハンコ(同意)が揃わないパターンとしてはむしろ少ない方かと思います。
それよりも多いのが
1.
相続人の1人が認知症などで判断能力がなく同意できない。
つまり、ハンコが押せないパターン。
ハンコにはもちろん同意がないと意味がありません。
物理的に紙にハンコだけ押してあっても理解して同意していない場合、法律上は無効です。
2.
少し似た事例として、相続人が未成年の場合は?
でも、未成年がハンコって?
そうか!親権者が代わりに押せばいいのか!
でも親権者も相続人の場合は、ともすると親権者が子どもよりも自分を優先させて決めちゃうこともできてしまいますけどね。
それでもいいのか?
もちろんダメですね。
3.
会ったこともない相続人がいて、話しができないパターン(前妻との間の子など)。
4.
昔から仲が悪くてとても話せたもんじゃないパターン。
5.
居所が分からなくて連絡できないパターン。
遺産の分け前で争うより、むしろこういったこと↑の方が全然多いです。
1の例で、相続人の1人である母は認知症で父が亡くなったこともわかっていない。
母は子どもである私達が何不自由のないように面倒を見てる。
だから、母の同意は私達(子ども)で何とかできるでしょ?
できません。
別途母に成年後見人をつけて、成年後見人が本人の権利をきちんと確保できていると判断すればハンコを押す形になります。
ここではあまり書きませんが、この成年後見人を付けるというところが本当にややこしいです。
2のパターンでは、例えば夫が42歳の若さで病気で亡くなってしまった。
相続人は妻の私と、私と夫との間の子ども2人だ。
子どもはまだ10歳と13歳の未成年だ。
子どもらは母親の私が親権者としてこれからも何不自由なく育てていく。
幸い夫の残した預貯金や保険金もあるし、私も仕事を持っている。
住宅ローンはローンの保険で支払われたので、家もローンなしで残った。
そもそもあの子達の面倒を見るのは今となっては母親の私しかいない。
だから子どもらのハンコ(同意)も私の方で何とかなるでしょ?
ならないですね。
別途、特別代理人と言って、相続人以外で未成年者の利益を考えてハンコを押してくれる人を立てる必要があります。
だいたい親戚の人がなりますね。
これも家庭裁判所に申し立てますが、これはそんなにややこしくないです。
一つだけちょっとややこしいのが、未成年自身が自己の権利分は遺産を取得するような相続じゃないと家庭裁判所がオッケーしてくれないことですね。
どういうことかと言うと、未成年者の特別代理人がハンコを押す予定の遺産分割協議書(案)を家庭裁判所が見るんですね。
そこで未成年がある程度、財産を取得することになってなければ家庭裁判所から、特別代理人の許可が降りないんですね。
しかし、10歳、13歳の子ども達が、お小遣い以外で自分で大きなお金を使うことができるのでしょうか?
普通はできないですよね。
そんな時は結局母親が判断して許可しないとムリですよね。
まぁ、建前でも一応未成年者も財産を相続する形にしとけと。
そうじゃないと家裁として許可はできないと。
多分そういうことじゃないかと思います。
実際子どもらの口座に相続でお金が入ったかどうか?なんて見ないですしね。家裁は。
でも口は出すという。
そういうことです。
3のパターンもちょくちょくありますね。
父が亡くなって、母(父の後妻)がいるが再婚だと。
私は後妻との間の子どもだが、父には前妻との間にも子どもがいることは知っている。
だが会ったことも話したこともないし、どこにいるのかも知らない。
そもそも亡父が離婚した際に、前妻に付いて行った子だし、葬式にはもちろん来てないし、父と別れてから30年間父とは一切付き合いもない。
父の亡くなる前の数ヶ月間、病気で大変な時に支えたのは母(後妻)と私だ。
それを今更出てきて、遺産の権利を主張するなんて。
そんなこと、常識的、道義的に考えてもおかしいでしょ?
だから子どもとはいえ、この人(前妻との間の子)のハンコ(同意)なんてなくても手続きできるでしょ!?
できないなんてそんな不合理なことあるわけない!
はい、絶対できません。
その人のハンコ(同意)も必ず必要です。
確かに普段から一緒にいて、最後を看取った家族ならそのように思っても当然かもしれません。
前妻との間の子は、血は繋がっているとはいえほとんど他人同然なのですから。
しかし、もしかしたら向こう(前妻の子)にしたらこう思っているかもしれません。
父と母が30年前に離婚して、私は母に付いて行くことになったけど、そのおかげで若い頃は精神的にも経済的にもいろいろ苦労した。
母も1人で私を頑張って育ててくれたおかげで、今は結婚して家族もできて何とか一人前の人生を送れている。
だけど私には父の記憶はほとんどないし、父親らしいことは何一つしてもらっていない。
だからせめて、自分の相続分くらいはきちっと貰いたい。
うーん、なるほど...
というわけで?やはりこの人(前妻との間の子)の了解も必要です。
4のもとから仲の良くない者同士が相続人の場合、財産が1000万円だろうが100円だろうが、とにかく協力したくない!顔も見たくない、話したくない、どうなろうが知ったこっちゃない!って感じでハンコが貰えないんです。
例えば親と同居の長男が、亡親から自宅を相続したいけど、仲の超悪い弟からハンコ(同意)を貰えるかと言うと、貰えないですよね。
狭い、ボロボロの家だったとしても。
そう、財産の多い少ないは実はあまり関係ないんですよね。
よくお客さんと話しているとこういうセリフを聞きます。
「うちは揉めるほど財産はないよ」
言い換えれば、「揉めるのは財産が多い家だ」
ということですよね。
全然そんなことはありません。
実際、家庭裁判所の遺産分割調停の遺産額を見ると、確か3000万円以内が大半だったかな?
そういう統計も出ています。
そう、人間関係なんです。
5の居場所が掴めなくて、ハンコを貰うにも話すらできない。
相続人であれば他の相続人の住所が載っている戸籍の附票というものを取れるようになります。
それで住民票上の住所は判明しますので、そこに行くなり手紙を送るなりして連絡がつけば、話しができるようになります。
問題は住民票上の住所にいない場合で、親戚とか近所の人に聞いてもみんな知らないような場合ですね。
10年前から行方不明で、当時警察に捜索願いも出したけど見つからなかったとか。
そういう本格的に行方不明の場合でもやはりその人のハンコ(同意)は省略できません。
このようにどうしたって行方がわからないばあには、主に2通りの方法があります。
一つは家庭裁判所に申し立てて、不在者財産管理人を選任してもらって(主に弁護士がなります)、その人が行方不明の本人の利益を考慮してハンコを押します。
これもさっきの成年後見人と一緒でなかなか大変です。
管理人になる人も、もちろんタダで仕事をしてくれるわけではありません。
管理人としてやっていくためには経費や報酬も必要です。
かと言って国がお金を出してくれるわけでもありません。
予納金というのですが、場合によっては100万円くらいかかる場合もあるそうな。
予納金が必要かどうか?必要な場合はいくらくらい必要なのかは、案件ごとにピンキリかと思います。
いずれにしろ予納金は財産管理人の選任を申し立てる人が負担しなければなりません。
もう一つは家庭裁判所に失踪宣告を申し立てることです。
これが認められれば、法律上は死亡したことになり戸籍にも載ります。
ただその人に相続人がいた場合は、結局その相続人全員のハンコ(同意)が必要となってくるので、もらうハンコ(同意)の数が増えることもあるでしょうね。
まぁ、行方不明の人のせいで、相続がいつまで経っても進まないよりかはマシかもしれませんね。
他にも多分いろんなパターンがあると思います。
あなたやあなたの身近な人が亡くなってしまった場合、その相続は大丈夫そうでしょうか?
一度、自分の身に置き換えて考えてみられることをオススメします。
最後まで読んで頂きありがとうございました😊
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