好きということ


私は今の彼に出会うまで、

本当に誰かを好きだと思ったことがなかった。

家族のことは大好きだけれど、

どこかで自分は愛されていないし、

愛されるわけがないと思って生きていた。

なんでだろうね。

それはそれで置いといて、

勝手に淋しい人生を生きてきた私だけれど、

去年の秋ごろ、久しぶりに彼氏ができた。

彼はとにかく思ったことを言う。

好きだの可愛いだのうまいだの幸せだの。

沢山たくさん満たしてくれた。

最初は疑っていた。

思ってなくても言えるよねって。

だってそれが嘘だって分かったとき、

傷つくのが怖かったから。

愛されていないって思っていた方が楽。

そんな私に訳もなく、

愛を降らし続けてくれた彼。

信じてみてもいいのかなって、

思えるようになった。

だんだん心を開いていって、

少しずつ自分も返したいと思うようになった。

素直に言えなかった気持ちも、

蓋をしていて気づけなかった気持ちも、

言えるようになった。

今じゃ発情期のねこのよう。

満たされて、溢れると、流れ出す。

私も満たされる側じゃなくて、

与えられる人になりたい。

好きって、愛おしいって、素敵な感情だから。

好きが偏ってしまったら、

一方的なものだったら、

悲しい気持ちになるかもしれない。

でもその尊い気持ちは、きらきらしていて、

自分のこころも満たすのかな。

好きということ。

それは温かくて、まるでお風呂のように

こころと身体がじんわりとして

やさしい気持ちになること。

私は今日も世界中のみんなが、

好きのお風呂に浸かってたらいいなって

思うんだ。


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