2015年5月19日

【火曜日と女子大生】

連休が明けてから、火曜の出校は隔週になった。午前は私、午後はK先生という時間割りでつづいてきた実習だったけど、今年だけ、午前と午後をぶっ通しで、週ごとに代り番こで、となった。受講生が2名しかいないから、と専任先生が配慮してくれたのだけど、意味は、よくわからない。

受講生のS恵とY衣は、実家暮らしで、二人とも、通学に2時間ばかり要するらしい。帰宅にも同じだけの時間がかかる、と想像するだけでげっそりしてしまう。二人の、朝の表情がいつも辛いので、顔を見る機会が少なくなったのは、悪くないのかもしれない。

私の今日は休日。二人は今日も、気を失いかけた体を、教室のPCにもたれさせているのだろうか。Y衣は先週、午後の実習をサボった。午前中をS恵の撮影に費やしたから、午後はY衣のと決め、昼休み前に段取りも話したはずだった。3限の始業チャイムが鳴ってもあらわれないY衣を不穏に感じ、S恵にたずねると、S恵は何も知らなかった。

午後のが始まる20分前、私が教室に戻ったその時、S恵はすでに着席し、マウスをカチカチさせていた。「お昼食べた?」と聞くと、「あ、はぁ、、」と曖昧な返事をした。

女子大の昼休みの食堂は見事で、5〜6人のグループが、ちょうど1席ずつ間を取り、この空間のすべてを均質に満たしている。私は食堂を抜けて喫煙所に向かい、1〜2本吸って、そのままここでパンを食らい、コーヒーを飲み、メールを見ながらストレッチもどきに足をぶらつかせて、早めに戻ることを習慣とした。

S恵は昼食を取らなかったのかもしれない。Y衣が居ないから、午後の作業が進められない。S恵と、午前中に撮った素材をチェックし、編集について話して、この日は3限までにした。

早めに切り上げたせいで、S菜(昨年の受講生)と帰りが一緒になった。彼女はこれから面接だと言う。最寄りの駅まで話しながら行き、リクルートスーツに身を包んだS菜に、ホームから手を振って別れた。

K先生がぶっ通している今日を、私は先週の出来事をつづりながら過ごした。S恵とY衣にとって、乗り切るだけの火曜日は、ただ毎週やって来るのだが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?