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ボカロPじっくり解説 稲葉曇

かなり前の記事でやるみたいなこと言って他のに全然始めなくてすまんかった

みなさんこんにちは、すあまです。
今回は新企画として、ボカロPを解説していきたいと思います!

記念すべき初回は、僕の一番好きなPである稲葉曇氏です!!
YouTubeでの総再生数は1億回を超え、海外でも人気を誇る稲葉曇氏の歴史や曲を紹介していきたいと思います!

稲葉曇の歴史

1 稲葉曇名義以前での活動

実は稲葉曇氏は稲葉曇という名義で活動を始める前に別名義で活動していました。

ただ、以前の活動については本人はあまり触れていない様子なのでここでは名前を出すのは伏せておきます。

以前の活動では鏡音リンを多く使っており、今の稲葉曇のスタイルとはだいぶ異なる楽曲が聴けます。

また、日向電工氏やMARETU氏などの影響を受けていることもわかります。
気になった方は探してみてください。

2 活動開始 しりとり期

稲葉曇氏は2016年2月、処女作の「秘密音楽」を投稿します。
ちなみに2016年2月はAlice in 冷凍庫やチュルリラなどかなり激戦月だったりする。

3月には「クーラーガール」、5月には「ループスピナ」「ナミダ電波」を投稿し、徐々に界隈民から注目を集めるようになります。

特にぼからん民からの人気は高く、稲葉ァ!という愛称で親しまれていました。

そして8月、しりとり期最大のヒットとなる「パスカルピーツ」を投稿します。

稲葉曇氏初の殿堂入りも本作です。
本作から稲葉曇氏の人気はさらに高まり、2016年デビューのルーキーの中ではトップクラスの注目を受けることとなります。
(実際YouTubeの総再生数は2016年デビューのPで一番なのでこの時のぼからん民の読みは正しい)

この後に「ツクリカケノ心象」、「うつしあそび」を投稿し、その後しばらく活動は途絶えます。

勘の良い方は気づいたかもしれませんが、今紹介した7曲は曲名がしりとりになっているんです!
だからしりとり期というわけなんです。

ただのお遊びというわけではなく、しりとりにしているのには稲葉曇氏のルーツが隠されています。

初投稿から7作目までしりとりにしていたボカロPといえば、「ワールズエンド・ダンスホール」などで知られるwowaka氏です。
稲葉曇氏は、作風や曲調など多くの点でwowaka氏の影響を受けています。

灰色のサムネで統一しているというのもwowaka氏へのリスペクトを感じるところです。
曲調で言ってもwowaka氏が確立したボカロックの系譜を継いでおり、さらに歌愛ユキを使うことで稲葉氏ならではの個性も出していてただのリスペクトでは終わっていないというのが魅力です。

こちらのインタビューでは影響を受けた曲として真っ先にwowaka氏の曲を挙げていることからも、その愛の深さがわかるでしょう。

3 作風の確立 ぬくにぎ期

「うつしあそび」を投稿後、稲葉氏は10ヶ月投稿を空けます。
そして満を辞して投稿されたのが、後に大ヒットすることとなる「ロストアンブレラ」です。

この楽曲からしりとりではなくなり、動画のイラストを「ぬくぬくにぎりめし」という絵師が描くようになります。
本作から現在まで稲葉曇氏関連のグッズやMVはほとんどぬくぬくにぎりめし氏が描いており、稲葉氏といえばぬくぬくにぎりめし氏の絵という印象がある人も多いでしょう。

しりとり期でもすでに作風にブレはなかったものの、本作で稲葉氏の作風は確立したと僕は感じています。

題名からもわかるとおり、アンブレラ=傘をテーマにしていたり、歌詞に雨という気候に関係するワードがあったりと、稲葉氏が多くテーマにしているものが本作には盛り込まれています。

そして、先ほど紹介したぬくぬくにぎりめし氏のイラストが歌愛ユキの幼い、しかしどこか大人びているような声とマッチしていたことも大きいと思います。

ロストアンブレラは久々の投稿だったこともあり注目を集め、稲葉氏2作目の殿堂入りを果たします。

この時期の稲葉氏の楽曲で特に重要だと僕が思うのは、
2019年5月投稿の「ノンユース」です。

初めて歌愛ユキ以外のボーカロイドを使った楽曲であり、同年4月に亡くなったwowaka氏へのリスペクトが特に色濃く出ています。

しかし、wowaka氏の単なる模倣でなく自分の音楽へと昇華させており、wowaka氏への愛と最大の敬意が感じられる素晴らしい一作です。

また、これまでの楽曲と書き下ろし曲を収録した自身初のアルバム
「アンチサイクロン」を発売します。

ちなみにこれはアルバムに関する激エモエピソードです。

4 ついにヒット 世間から見つかる期

ここまで界隈のマニアからは注目を受けていたものの、爆発的なヒット曲は生み出せずにいました。

2016年にデビューしたPの中でもキノシタやEveはヒット曲を多く生み出しており、遅れをとっていました。
しかし、ついに稲葉氏からヒット曲が生まれます。

それがあの名曲「ラグトレイン」です!

この曲で稲葉氏は自身初の週刊ボーカロイドランキング第1位を獲得。
殿堂入りも自身最速の2週間程度で達成し、この時点で2020年ではかなりのヒット曲となりました。

中毒性の高い曲調もあり、デイリー再生も1000前後で安定するなど非常に安定した推移をしていきます。

また、2021年5月には弦巻マキのデモ曲である「ハルノ寂寞」を投稿。
前作にヒットしていたこともあり稲葉氏の楽曲では現在三番目の再生数を誇ります。

ヒットを出したこと、楽曲の統一性が高いこともあり過去曲も再注目されるようになります。

ラグトレイン以降快進撃が続きますが、稲葉氏の真のヒットは実はまだだったんです。

5  「ラグ」での大ヒット 挑戦期

すでにかなりのヒットをしていたラグトレインですが.2021年7月、ちょうど1周年になるあたりで”ある動画”によって再び話題となります。

そのある動画がこちらです。

なんと、ラグトレインを使った音MADがニコニコ動画で大流行します。

これによりラグトレインの伸びは投稿時の比にならないほどに増加します。

7月13日には自身初のデイリー再生12000を記録し、その後も新曲以上の伸びをします。

ぼからん#729、#730では神っぽいなという化け物クラスのヒット曲を抑え何故か2連覇を果たします。

現在は多少その勢いは衰えたもののすでにトリプルミリオンを突破、2020年投稿曲では2位の再生数を誇っています。
また、いいね数ランキングでは堂々の一位となっており、MAD効果を強く実感します。

さらに、少し前からですがロストアンブレラがTikTokで流行し、YouTubeで大ヒットします

4000万再生を超え、現在YouTubeの再生数で歴代25位となっています。
現在も非常に高い人気を誇っておりまだまだ上に登ってくることが予想されます!

ラグトレインも3000万再生を超え、稲葉氏は現在数名しかいない
「3000万再生以上複数所持P」という記録を達成しています。

稲葉氏の伸びがここまで強い理由、それは圧倒的な海外人気にあります。
海外ユーザーが多く使うspotifyで、ロストアンブレラはなんとボカロ全体で3位となる7000万再生を記録しています。

(参考 KING、グッバイ宣言などの人気曲でも3000万再生程度)

この海外人気こそが稲葉氏の伸びが強すぎる理由なのです。

2021年11月、ノンユース以来の初音ミク使用楽曲「ハローマリーナ」を投稿します。

本作から稲葉氏は色々なボーカロイドを使用しており、曲調もこれまでとは違い落ち着いたペースのものも多くなっています。

ヒットを経験し、新たな挑戦を始めた稲葉氏。
どの作品も非常に高クオリティなものとなっているので今後の作品にも期待しましょう。

おすすめの曲

ループスピナ

しりとり期の作品です。
タイトルの通りくるくる回る歌詞とくるくる回るMVの少女がクセになりおすすめです!

浮遊月光街

ぬくにぎ氏のイラストの良さもさることながら、話の要素も感じられる曲調が非常に良いです!
僕の稲葉曇一選曲です。

アンチサイクロン

過去曲にちなんだフレーズが歌詞に入っている要素は、wowaka氏の「アンハッピーリフレイン」を思い出させるように感じます。
稲葉氏のアンチサイクロンまでの曲の総まとめのような曲です。

きみに回帰線


今年投稿の比較的新しい曲ですが、新しい試みを多くする中で昔の曲を思い出させるような曲調で”稲葉曇”を感じられます。

歌詞の”今日はずるやすみをしよう 進む教科書皆勤仕様”など非常に秀逸な言葉選びも魅力です。

稲葉氏は曲調の統一感があることもあり全曲周回をするのにとてもおすすめのPです。

一曲でも聴いていいと思った方は全曲聴いてみるのもありかもしれません!


今回は、稲葉曇氏について紹介してきましたがいかがでしたか?

多分自己最高の文字数だと思います…
愛を全力で出したつもりです!

それでは次回会いましょう!サラダバー!

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