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頭痛診療と鍼灸をつなぐ架け橋プロジェクト


大変、お久しぶりです。
鍼灸師の石山すみれです。

今日は、現在進行しているプロジェクトについて書かせていただきます。


「頭が痛い」
この症状でこんなにも悩んでいる・生活に支障をきたしている方がいることに臨床に出て本当に驚きました。

また女性に多い疾患ということで、同世代の方・同性ならではのお悩みに少しでも寄り添うことができれば、と思い、頭痛を対象に研究を続けてきました。

研究・臨床に出ると、頭痛にはある程度鍼灸が有効であることは肌感覚としても、実際の結果としても、先行研究で見ても明らかでした。
そうした結果の積み重ねによって、現在発行されている頭痛の診療ガイドライン2021には、鍼灸の項目が多数掲載されております。

しかし、実際に「頭が痛い」から鍼灸治療に行くでしょうか。
かかりつけの頭痛専門医が「鍼灸治療」をおすすめするでしょうか。

もちろん、どちらもゼロではありません。
しかし浸透していないのも事実かと思います。


そこで現在私は、
片頭痛診療と鍼灸をつなぐプラットフォームの作成(Migraine Treatment and Acupuncture Unity: MTA Unity)
を目指して、いくつかの研究をスタートさせております。


鍼灸師を対象とした頭痛診療に対する標準的知識に関する調査


鍼灸師になるための学校で、頭痛のことを詳しく習うか?と言えば、その答えはNOであると思います。

しかし、この数年で片頭痛診療は目まぐるしく変わっており、新薬もたくさん出ております。何十年前の知識では、機序から違うかもしれません。

頭痛専門医と連携をとるには、片頭痛の標準的治療に対して無知ではいけないと考えております。
しかし現段階で、鍼灸師にどれほどの知識があるのか?という点について調査はされておりません。

また医師を対象とした頭痛のセミナーなどは多く開催されているものの、私たち鍼灸師がそれらセミナーや情報にアクセスできる機会が多いか、と言われるとそれもまたNOであると思います。


そこで今回、2024年1月~2025年12月までに頭痛専門医に鍼灸師に向けたご講演をしていただき、鍼灸師の頭痛診療に対する標準的知識の底上げを行います。

講演は無料で行いますが、前後にアンケートに答えていただき、その中で現時点での知識レベルを調査します。

今回、講師を務めていただく先生方には
「今後鍼灸師と連携をとる上で、ここまでは知っていてほしいレベルの内容を入れて欲しい」とお願いしてあります。

この活動を機に、地域での連携が少しでも進むようなお手伝いがしたい!

また講演の後半には、鍼灸師の実技セミナーも予定しております。
前半の講演部分はオンサイト・オンライン、実技パートはオンサイトのみです。


予定はこちら
第1回:2024年4月20日 (土)名古屋
 終了しました
第2回:2024年8月4日 (日)仙台
第3回:2024年11月17日(日)福岡 ※日時変更の可能性あり
第4~6回につきましては、2025年に大阪や東京で開催を予定しております。

第2回へのお申し込みは、こちらから

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc--Y-QCfafSs8IgThk-ANlXZ1lTAaG9iqq5a8h4ZDMnkCSiw/viewform



頭痛専門医を対象とした鍼灸治療に対する障壁とイメージ調査


私たち鍼灸師がいくら知識を底上げしても、頭痛専門医が持っている鍼灸治療へのイメージや紹介しづらい事柄が「知識」以外の部分だった場合、やはり連携は進みません。

頭痛専門医は鍼灸治療に対して、どんなイメージを持っているのか?
鍼灸師なら知りたくないですか?

国内の頭痛専門医約1,000名を対象に郵送調査を実施しました。
(書類印刷・封入作業で手がカサカサに…笑)

この結果については、関連学会雑誌に投稿し受理され、現在印刷待ちです。
正式にPublishされましたら、またご報告させていただきます。

安全性やイメージについて、鍼灸師として考えさせられる結果でした。
ご協力いただいた先生方、本当にありがとうございました。


おそらく2025年3月に頭痛診療に携わる医師を対象に
鍼灸実技セミナーを行います(日程の変更はあるかもしれませんが、東京開催です)

アンケートなどはご記入いただきますが、無料で行います。
どんな内容なら有意義なものになるか、考えていきたいと思います!

現在考えていること
・複数の鍼灸師による手技の違いを見ていただく
・刺鍼
・パイオネックスを使ったセルフケアの紹介
・連携希望の有無、研究推進について(もしよろしければ、私が相談・お手伝いできることがあれば伺います!)



プラットフォームの作成


上記の二つを合わせて、よりうまく連携が取れるためのプラットフォームを作っていく予定です。

鍼灸師は開業権があることから、適切な頭痛診療につながっていない患者を見る可能性のある職種です。

頭痛専門医に紹介したいけど、紹介状ってどうやって書く…?

例えば、フォーマットがあれば、紹介しやすいですよね。
また頭痛専門医側から見たら、紹介状にどんな項目が書いてあればbetterなのか、そうした情報も上記プロジェクトの中で集めて、良いものを作っていきたいと思います。


大きな未来になりますが、プラットフォームでできた連携で
日本国内において他施設共同の臨床研究を推進すること
頭痛診療×鍼灸における私の一つのゴールです。


今はほとんど一人でやっている活動で、
準備・当日ともに本当にバタバタですが、、、
暖かく応援していただけると幸いです。

もちろんより良いものにするために、ポジティブ・ネガティブな意見をいただき修正して、進んでいけたらと思っています。

長々と、書いてしまいましたがありがとうございました!


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