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知れば知るほどわからなくなっていくみたい。トランス女性と女性専用スペースのこと その3

不特定多数の人が利用する公衆トイレがどんな形式だったら誰も困らないようになるのか、色々考えてみるようになりました。

①性器の形状で男女別にする。

これだと女性として暮らしていてもいろんな事情で男性器を持っている人(未成年とか、疾患があって手術できない方とか、手術の費用が用意できないとか、性同一性障害ではあるけどなんとか自分の体とは折り合いをつけて手術なしで暮らせる方とか)は男性トイレを使うことになる。女性が男性と共用したくないから女性トイレがあるのに、男性器を持つ女性だけが男性との施設共用を無理強いさせられる。手術していないトランス男性も女子トイレを使うことになる。それって男性が侵入してることになってないかな。

②全部個室の「多目的トイレ」にする。

男女の区別なく全部個室にするなら、洗面や化粧直しのスペースも個室にしないといけないので、面積を多く使う。今の設置スペースでは個数をかなり減らさないといけない。音も外に聞こえにくくするなら防音の壁にしたり、覗きを防止するためにドアの隙間も閉じることになる。中で何があっても外から気付きにくいのが難点。治安の悪いところだとそのような死角が性犯罪に限らず様々な暴力や犯罪に簡単に悪用されそう。(壁が半透明になっていて空いているときは中の様子が見えて、中に人が入ると不透明になるデザインを紹介してもらって、これはいいなって思った。ただ、不透明になる機能が壊れていることに入室してから気がついても、そこで排泄を我慢できるかがちょっと怖い、そこで止めることは至難の業。)

③性犯罪歴のある人にGPSのような装置をつけて、女子トイレの入り口で感知する。

罪を償った後まで人権に制限をかけて良いのか倫理的な問題がある。装置の開発や設置にお金と時間がとてもかかりそう。

④脳神経や心理鑑定の研究を進めて、性的に興奮している人を感知するセンサーを女子トイレの入り口に設置する。

今の技術では、性的な興奮なのかトランスジェンダーであることを察知されることを警戒して緊張しているのかの判別が困難そうだよ、って詳しい当事者の人が教えてくれた。トランスジェンダーの人ほど誤認を恐れて利用を敬遠しそうなので装置の意味がなさそう。

⑤マイナンバーカードのようなID情報を携帯して入り口で認証する。

簡単に偽装したりカードの場合は貸し借りが簡単にできてしまう。男女別で全く困っていない人も全員カードの携帯を義務付けたくても、面倒だからおおよそ理解を得られそうにない。

⑥管理人が常駐して有人管理する。ある程度の知識と経験を持った管理人が入場の可否を判断する。

管理人の人件費が高額。管理人が判断を誤った場合に責任問題になる。

ということで、結局現在の

⑦なんとなく見た目で一般に女性だと認識される服装や容姿の人が女子トイレを利用する。それ以外の人は男子トイレを使う。なるべく男女別の他に多目的トイレを設置して、男子トイレを使いたくないけど女性として認識されるか不安のある人は多目的トイレを使用する。

という方法以上に画期的に問題解決できる形態は思いついていません。

で、ここまで考えてる途中で、なんでこの議論についてはあまり都市デザインの話題として聞かないんだろうなあ、って疑問を感じました。もっと専門家の人がアイディアを出し合えばこんな素人が考えるよりずっと良い案がたくさん出て、社会実験もしてみたりすればよいのに、って。他のこと、例えば交通渋滞の緩和に関しては信号の設置や時間配分を工夫したり、ホームレスが寝ないようにベンチに肘掛けをつけたり床にトゲトゲのオブジェを作ってみたり、そのあたりの取り組みに比べて行政や社会の関心が低すぎるんじゃないでしょうか。

もしかして、これって女性特有の問題だから?

そう言えば、いつまでたっても女性トイレのサニタリーボックスはただの箱だったりして、前に使用した人が捨てた汚物を次に使う人にも見えてしまうような不衛生な状況が放置されているし。

男性も女性も使う喫煙所なんかはすごくハイテクになってるのに。

トランスジェンダーの問題はひょっとして女性差別の問題とかなり関係が深いのかもしれない。だから、女性である私もこんなに興味を引かれているのかもしれない、だって女性差別の問題となれば自分自身も当事者だもの、と考えはじめました。


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