マガジンのカバー画像

足下から考える仕事術

41
世の中にはいろいろな仕事術があふれていますが、その実践のためには、まったく新しいことを始めるとか、なんらかのツールが必要になるというものも多いですよね。そうではなく、もっと身近な…
運営しているクリエイター

#推薦図書

『プロダクトマネジャーの教科書』増刷とプロダクトマネジメント関連お薦め洋書

昨日、翔泳社から『プロダクトマネジャーの教科書』の増刷が決まったという連絡がありました。 2006年12月に出して以来、ありがたいことに絶版にならず、ぼちぼちと増刷していただいて、第6刷にまでなりました。ありがとうございます。 自分で翻訳した本の中では、今でもその中身をバリバリ使っている『90日変革モデル』も増刷してほしいなぁと思っているので、宣伝しておきます! 2006年に翻訳して以来、技術の進化、特にウェブやソフトウェア周辺技術の進化とあわせて、プロダクトマネジメン

プロジェクトが動き出すときに自問すること

ここ最近は、弊社にとってはかなり大きなプロジェクトの立ち上げのために東奔西走している。 こちら側もクライアント側も、かかわる人が多い上に、かなり多様なので、相当前倒しで進めていたつもりだったけど、結果としてそれくらいでちょうどよかった。 いよいよ、それだけの人たちが本格的にかかわり出すフェーズの開始を来月に控え、本格開始前の最後となる打合せをクライアントとおこなった。 プロジェクトマネジメントの知識体系の考え方にも則って、これまでいろいろと詰めてきた。そこまでしてきた最

「考える」ことより「考え続ける」こと

いろいろな組織におうかがいして、ワークショップをやったり、会議に参加したりしていると、参加しているそれぞれの人の「考える姿勢」というか、「考え方の癖」のようなものが見えてくる。 特にシナリオプランニングのように、いくら考えても「これが正解」というような唯一の答えがないようなものに取り組むとき、その姿勢の違いがだいぶ明確になる。 それらを見ていると、そして以前に書いた「不確実な時代の学び方」を踏まえると、これからの時代に大事なのは「考え続ける」ことだと思っている。 どうす

編集者に学ぶ伝わりやすい文章の基準

今朝、為末さんのツイートの内容を受けて、こんなツイートをした。 言語化することは、ほんと難しいけど、一方で鍛えられるものだから、あきらめずに鍛え続けることは大事。 実際にブログなり、日記なりをつけて言語化をしていくという方法で鍛えながら、文章の書き方に関する本を読むことは、言語化の技術を伸ばしていくための良いショートカットになる。 その手の本のうち最近出たものの中では『才能に頼らない文章術』が参考になる。 著者の上野さんは、プロフィールにもあるように翔泳社で編集者をや

「沼にハマる」ことから生まれる余裕

NHKで「沼にハマってきいてみた」という番組がやっている。 1月に放送された「星・天体沼」の回では、自分が昔住んでいたところの高校の天文部が出ていて、それがきっかけで知った番組。 自分は全然テレビを見ないので放送自体は見ていないけど、番組ウェブを見るだけでも、いろんな「沼にハマる」経験をしている人が面白い。NHKだから、さすがに選んでる感じはあるけど、それでも濃い世界がいろいろあるんだなと思う。 こういうのを見て、はたと自分の周りとか、お客さまのところに行っていろいろな

不確実な時代の学び方

シナリオプランニングに関する文献を読んでいると「不確実性」という言葉を目にすることが多い。 それもそのはず、シナリオプランニングは「不確実性」に対処するための手法だからだ。 しかし、そのような手法を知り、身につけたから安心というわけにはいかない。 単に道具としての手法を身につけて安心するのではなく、その道具を使う、私たち自身の頭の使い方も変えていかなければいけない。 中でも、これだけ世の中が不確実になってきている今、「学ぶ」ことの意味が変わっていることに目を向けること

まるごと学ぶことと思考の粘り強さ

今月の始めに書いたエントリーでジェラルド・M・ワインバーグの本を取り上げたことがきっかけで、手持ちのワインバーグの本すべてを引っ張り出してきて手元において、他の本を読む合間に読み返している。 これまで読んでわかったつもりだった部分だったり、これまではそこまで刺さらなかった部分が、いま読むと大ヒットだったりして、やっぱり、本は読み返すものだなと思う。 自分がその時々で持っている知識や経験、問題意識とかによって、引っかかる箇所が変わってくるのが読み返す醍醐味だ。 同じ著者の

個人の救済は勉強だ

豊田章男氏が日本自動車工業会会長としての立場で、日本の終身雇用を守っていくのが難しいと発言し、Twitterなどでも話題になっています。 経団連の中西氏の発言もインパクトがありましたが、日本経済の中で規模的にも、心理的にも影響が大きい「自動車」関連の要人の発言ということで、より大きなインパクトがあるのかもしれません。 そんなニュースを見たあとだからか、たまたま見つけた学ぶことの大切さを切々と訴えるこの記事を思わず読み込んでしまいました。 忙しい人ほど学んでいる記事の冒頭

「石」を集められるような毎日を送っているか?

noteで本格的に書き始めて3日目。 いま、こうして書き始めていることで、なんとか3日坊主にはならないで済みそうなものの、今日のネタをあれこれ考えている時に、すでに他人の反応を意識してしまっている自分を発見。思考の癖を修正していくのって、日々訓練ですね。 ということで、奇をてらわず、昨日書いたワインバーグの「文章読本」からのネタの続編として、この本を読んで参考にしている文章を書くことについての話しを。 文章を書くために石(ネタ)を集めるこの本、タイトルは『ワインバーグの

「書いたものは、わたしではない」から始まる学び

昨日書いたエントリーでは、相手の反応を過度に気にしすぎて書けなくなってしまうようなこと、伝えることを躊躇してしまうことは、(それが仕事の場面でも、個人的な場面でもあっても)なるべくならない方が良いんじゃないかというようなことを書いた。 そういうことを考えるようになったのは、もちろん、昨日書いたとおり、日々の仕事がきっかけになっているのもあるけど、それともうひとつ、今年の正月休みに読み返したワインバーグ氏の『ワインバーグの文章読本』もきっかけのひとつになっている。 「文章読