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異国飯で感じる「日本のなかの外国」と、新しいものは意外と身近にあるという話

先日、中国アジアITライターの山谷剛史さんと、翻訳者などいろいろな仕事を兼務しながら今はなぜかラリーカーを組み立てている謎のメイドさん、藤吉あやらさんとお食事をしました。

真ん中に写っている不審者が僕です。お二人ともわざわざ僕の一時帰国に合わせて僕の地元である神戸に来ていただき、大変ありがたかったです。

お二人とは過去に「山の谷俱乐部」名義で配信イベント的なものをやったことがあるのですが、リアルで三人が揃うのは初めてのことでした。しかしイベントのおかげでお互いの空気感がわかっているのと、普段からやりとりをしていることもあり、とても初めてとは思えないペースで話が盛り上がりました。まあ内容の99%は、まったく表に出せない話ばかりだったのですが。

今回のマガジンではその表に出せない話の一部を暴露……するかわりに、その時に回った店や食べたものに感じた感動や面白さのことについて書いてみたいと思います。

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上のあやらさんのツイートにもありますが、今回三人で訪れたのはベトナム料理屋、そしてミャンマー料理屋というラインナップです。

ただ、ここでいう「ベトナム料理」や「ミャンマー料理」というのはアジアンテイストを取り入れたシャレオツな創作料理とかそういうものではなく、何らかの事情で日本に来た現地の人々が、これまた主に現地の人に向けて開いている、ガチ感の強い小料理屋です。

ご一緒していただいた山谷さんはIT関係のライターとしての他、日本にあるそうしたガチめの外国料理屋や、外国人向けの食材店などを取材する異国飯ライターとしても活動しており、せっかくだから一緒に異国飯を探して食べましょうという話になりました。

いわく「神戸は新長田のベトナム料理屋がアツい」ということで、まずはベトナム料理屋を探して歩き始めます。いちおう神戸は僕の地元なのですが、結構な年月を暮らしていながら歩いたことのない道を少し歩くと、そこにはたしかに異国飯屋がたくさん存在していました。

「四姉妹」という、なんとも言えない店構えの中を覗いてみれば、中では客とも従業員とも判断しかねるような人々が和気あいあいと食事をしています。僕はベトナムに行ったことがないのですが、たぶんベトナムの家のリビングってこんな感じなんだろうなと思わせる光景がそこにはありました。

こんな店が、歩いているといくらでも見つかるのです。異国飯ライターとしての山谷さんの嗅覚に驚かされるばかりです。

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やがてその中から、ベトナム人のおばあさんが一人で切り盛りしているっぽい店を選んで入ります。

「豚耳からで きたハーム」というたどたどしい日本語が書かれたメニューを楽しみつつ、定番のバインセオや、やたらとゴツゴツした原価を度外視してるっぽい生春巻きなどをいただきました(ちなみに「豚耳からで きたハーム」は売り切れでした。残念)。

ご飯を食べていると、おばあさんが店のスピーカーとスマホを繋いで音楽をかけてくれたのですが、しっとりとしたベトナムの歌謡曲を流すそのスピーカーは、曲調に関係なく極彩色でギラっギラに光っていました。あと近所に怒られそうなくらいの大音量でした(後で聞いたら、両隣が空き家なのでそこそこ大きな音を出しても大丈夫だそうです)。

なんというか、すべてが良い店でした。

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ベトナム料理屋を出た後は、これまた気になっていたミャンマー料理の店に行きました。

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