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異なるルールで動く外国人との向き合い方、その基本方針とは

小保下グミさんのマガジンを読みました。

ヤフオクで商売をしている小保下さんですが、ルールに無頓着な一部の外国人の購入者に振り回されることが多いそうです。このように異国の人々を相手にするビジネスには、何かと困難がともないます。

でも、いまのような超円安に加えて、人口減で内需が細っていくのが見えている日本では、日本人だけを相手としていては可能性が制限されることになります。企業だけではなく個人でも、これからの日本ではいかにこうした「ルールの違う人」を相手にしていくかが重要なテーマになるでしょう。

今日のマガジンでは、曲がりなりにも中国に長く住み、日本人とは違うルールで動いている(あるいは、ルールというものへの考え方が根本的に異なる)中国人を相手に生活や仕事をしてきた経験から、「違うルールや価値観で動く人」とどう向き合っていけばいいのか? ということを考えてみようと思います。

基本は「利益」

価値観やルールが違う人に、何が正しい・正しくないという話を説いたとしても、基本的には受け入れられることはありません。いくら「自分たちが大切にしているルールだから守ってね」と言ったとしても、向こうからすれば知ったこっちゃない、ということにしかならない場合の方が多いでしょう。

そのように違うルールで動く人を結びつけるものがあるとすれば、「利益」です。ルールを守れば何かしらの利得がある、あるいはルールを破ることで損失がある、ということを理解してもらう必要があります。

このとき、理想はWin-Winの関係となることです。ルールを守ればあなたも私も得ですよ、という観点からルールの重要性を説くのが望ましいでしょう。「ルールを守ってくれないと、私が・・困るんです!」という一方的な主張だけでは、どうしても弱くなってしまいます。相手にとって何が得か(損か)、ということを織り交ぜていくのがいいでしょう。

たとえば中国で工場勤めの時、工員さんたちに工場のルールを守ってもらうのに一番効果があったのは、ルール違反への罰則の明確化と、逆にルールを守ることへの奨励策(たとえばルールを守った生産によって不良品率が下がれば奨励金を出す、など)を同時に出すことでした。

「ルールを守るのは当然だ!」といわんばかりに罰則の強化だけをやろうとするパターンも見ましたが、たいていうまくいかず、むしろ反発を高めるだけに終わることが多かったように思います。

「ルールはルール」と骨の髄まで叩き込まれている日本人とは違って、ちゃんとメリットを提示しなければなかなか人は動かないんだな、と学んだ気分でした。

Win-Winが難しければ「交渉」

とはいえ、Win-Winを成立させることが難しく、ただ相手に折れてもらったり、一方的に要求を聞いてもらわないといけないような場合もあるでしょう。その場合には、「交渉」が必要になります。

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