見出し画像

在中日本人はパスポートを常に携帯すべきか否か?

けっこう前ですが、Twitterの僕のTLでは、とある投稿をきっかけに「在中日本人は中国に暮らすに当たって、常にパスポートを携帯していなければならないのか」という議論が起こっていました(具体的なツイートの引用は控えます)。

実際に中国に住んでいる身からして自分も少し語ってみたいテーマだったのですが、Twitterでの議論の中に自分から飛び込むのもどうかと思い、議論が落ち着くのを待って、このマガジンに書くことにしました。

ということで、書いていきたいと思います。

法律では「否」

「中国では外国人はパスポートを常に持つべきか否か」という問題については、法律的なレイヤーでは答えがはっきりしています。

「中華人民共和国出入境管理法」の実施細則には、16歳以上の外国人はパスポートなどの有効な旅券を持ち歩いていなければならないことが明記されています。

第二十五条 在中国居留或者停留的年满16周岁以上的外国人必须随身携带居留证件或者护照,以备外事民警查验。
(第二十五条 中国に居住または滞在する16歳以上の外国人は居留証明書類およびパスポートを必ず携帯し、警察によるチェックに備えなければならない。)

中国人民政府のWebサイトより、DeepLによる翻訳

罰則規定もあります。

第四十三条 对违反本实施细则第二十四、二十五条规定,不按要求缴验居留证,不随身携带护照或者居留证件,或者拒绝民警查验证件的外国人,可以处警告或者500元以下的罚款;情节严重的,并处限期出境。
(第四十三条 この実施規則第二十四条および第二五条の規定に反し、居留証の提出に応じない、パスポートまたは居留証を携帯しない、または警察による書類の点検を拒否した外国人は、警告または500元以下の罰金を科される。悪質な場合、期限付きで出国するよう宣告される。)

引用同上

出国が必要な場合まであるようです。これに照らして言えば、外国人がパスポートを携帯することは法律的な義務ということになります。

となれば、外出の際は必ずパスポートを持たなければならない、というのが「パスポートを携帯すべきか否か」という問いへの一つの答えといえます。

現実の運用は?

いっぽうで、実際の運用としてはどうなっているのでしょうか。ここからは経験をもとに書きます。

ここから先は

1,900字
この記事のみ ¥ 300

いただいたサポートは貴重な日本円収入として、日本経済に還元する所存です。