中華イヤホン沼に引きずり込まれそうです

少し前から中華イヤホンのスゴさに気づき、ハマりそうです。

中華イヤホンとは

中華イヤホンについて説明しておくと、つまりは中国製のイヤホンということです。……というと説明になっていないのでもう少し補足しておきます。

以前は日本含む外国メーカーのOEM生産拠点としての役割が強かった中国のイヤホンメーカーですが、近年では自社生産・自社ブランドによる販売が急激に増えています。それらの新興メーカーは、中国国内であれば淘宝、国外ではAmazonなどのECを通した直接販売を行っています。オーディオ好きの間では、そうして流通したイヤホンを総称して「中華イヤホン」と言っているようです。

ここまで書くと「中国製でメーカー直販なんて、どうせ粗悪品ですぐ壊れたりするんでしょ」という感想を持つ人もいるかもしれません。たしかにこのような品が出回り始めた頃は話にならないような品質のものも多かったようですが、近年は品質・デザインともに洗練されてきており、また値段も比較的廉価なため「コスパのいいイヤホン」として人気を集めつつあるようです。

KZ ZSTという入り口

僕が中華イヤホンを知ったきっかけはある人から紹介してもらい、中華イヤホン業界では有名メーカーのKZが販売している、ZSTというモデルのイヤホンを淘宝で購入したことです。

Bluetoothアダプタ付きで200元(≒3,400円)程度だったので、ちょっと試しに買ってみるか、というくらいの軽い気持ちで購入しました。

実際に届いたものを使ってみると、これが驚くほど音がよくてびっくりしました。全音域がバランスよく出力されつつ音質がとてもクリアで、聞いてて気持ちよささえ感じます。僕はそれほどオーディオに詳しいわけではないのですが、日本にいた時に同価格帯でこれほどのクオリティのものに出会った覚えはちょっとありません。

もちろん何万円もするような有名メーカーのものには敵わない部分もありますが、この値段で本当にこの音? というレベルです。

KZ ZASの衝撃

いい買い物をしたな、と思いながらしばらく過ごしていましたが、今度はまた違う欲が出てきてしまいました。

あまりにこのイヤホンを気に入ったので、普段はパソコンに繋ぎっぱなしにしつつ、外出の時にはBluetoothアダプタに付け替えて持ち歩くようにしていたのですが、どうにもその作業がめんどくさくなってきたのです。

もう一個くらい欲しいなーとずっと考えていた時に、ちょうど中国ECサイトの大セールであるダブルイレブン(11月11日)の時期がやってきました。去年はこのお祭りを完全スルーした僕ですが、今年はせっかくだしイヤホンを買ってみよう。

というわけで、同じKZのZASという、少し上位のモデルをポチりました。割引前の価格が428元(≒7,300円)のところを、368元(≒6,300円)で購入することができました。

さっそく使ってみたところ……ヤバい。なんだこれ。ものすごい低音の力強さ。それでいて耳を刺すような嫌な感覚が全くない。学生時代に好きだったメタルを聴いても、ギターとドラムの重低音がパワフルさを保ったまま耳に流れ込んでくる。ヤバい。あの頃に帰ってしまう。

本当にこれが、1万円以下で買ったものなのだろうか。ヤバすぎる。結局これも、大満足のお買い物となりました。

TRN TA2が着弾

などとホクホク顔をしていたら、今度は別方向から矢が飛んできました。なんとなく参加していた、TRNという別のメーカーによるTwitterのプレゼントキャンペーンに、なんと当選してしまったのです。

これ、日本語アカウントでやってるわけだし、本当は日本に住んでるユーザーに向けたキャンペーンだよな……と多少申し訳なくなりつつ、DMで連絡したら中国在住でも問題ないとのことで、ありがたく頂戴することになりました。

そして、爆速で手元に届きました(ちなみにTRNの所在地は僕の住む東莞市だそうです)。

聴いてみると……これもすごくいい。僕が今まで買ってきたものとは違って、高音域のクリアさに重きを置いている感じ。ポップス、とりわけボーカルものを聞くときなんかに威力を発揮しそうです。

これも淘宝で同商品を調べたら、348元(≒6,000円)。やっぱりこの価格帯とは思えないクオリティです。

そして僕は沼に堕ちつつある

そんなわけで、いま僕の手元には3種類の中華イヤホンがあります。

ここでひとつ、問題があります。3つもイヤホンがあれば正直日々の使用はまったく事欠かないのですが、それにもかかわらずいま僕は、もっといろんな製品を試したいと思ってしまっていることです。耳は2つしかないのにこれ以上増やしてどうするんだという気持ちと、それぞれの製品で初めて音を出した時のあのドキドキ感をもっと味わいたい、という気持ちで葛藤しています。

そもそも中華イヤホンは、

・一つ一つの単価が安く、劇的にコスパがよい
・それぞれに音の特徴があって、「みんなちがって、みんないい」
・デザインも個性的なものが多く、集めたくなる

などの特徴を持っており、買い始めるとアレもコレもと試したくなる、「沼」と呼ぶにふさわしいジャンルだったのです。

いまはまだ抗えていますが、おそらくは近いうちに完全に沼に引きずり込まれてしまうでしょう。これからは、無駄遣いが嫌いな嫁の監視をかいくぐってイヤホンを買うための駆け引きをしなければならない日々が始まりそうです。

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ちなみに中華イヤホンについてもっと知りたい方は、こちらの莉香さんのnoteをご覧ください。莉香さんは中華イヤホン沼の主として、数々の中華イヤホンを一つ一つ丁寧にレビューしています。

そもそも、僕が中華イヤホンというジャンルの存在を知ったのも莉香さんがきっかけです(上の「ある人」とは、まさにこの莉香さんです)。ここにあるだけで相当数のレビューがありますが、他にもイヤホンを多数所有しているというから驚きです。たぶん耳が20個くらいあるんだと思います。

などと失礼な物言いをしたところで、本日はお開きです。みんな中華イヤホン買おうぜ!

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