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胡錦濤の退席の件と、新政権人事への雑感

先日の共産党大会で、習近平国家主席の隣に座っていた胡錦濤前国家主席が、関係者らしき人物に退席を促されるような場面がありました。その後胡錦濤氏は、関係者に脇を抱えられるように退席していきました。

この件について中国から出された情報は、新華社がTwitterで体調を理由に退席した、と発信したことのみ。中国国内ではニュースにすらなっていません(僕の周囲の中国人は、誰もこの件を知りませんでした)。

このことが憶測を呼び、中国をとりまく界隈では大きな話題になっています。

憶測というのはつまり、これが何かしらの政治闘争の結果なのではないか、ということです。

中国中央の政治家は通常、退任後にも何らかの形で影響力を残します。なかでも胡錦濤氏は「団派」と呼ばれる派閥の重要人物であり、習近平氏とは対立する立場にあります。

今回、胡錦濤氏が退席させられたのは、胡錦濤氏に代表される派閥の排除が進んだことの象徴であるとか、習近平サイドがこうなるように仕掛けたのだとかいう憶測が飛び交っているのです。

今日はこれについて思うところを書いてみたいと思います。僕自身の憶測も入ってしまいそうなので、早めに有料です。

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