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独裁の欠点は、「上がなんでも決めること」ではなくて

中国は一党独裁の国といわれます。

そのような評価が「独裁」の定義として正しいかどうかは別として、たしかに中国は中国共産党が多くのことに介入権を持つ国ではありますし、近年は個人崇拝も含めた習近平氏への権力集中が進んでいます。中国が独裁国家としての性格を強めていることはある程度事実でしょう。

仮に、中国がすでに現時点で「独裁国家」であるとしましょう。僕はそこにある程度長く暮らし、またコロナ禍という大きな事象を経験したものとして、その「独裁国家」に対する解像度を普通の日本人よりは上げることができたのではないかと自負しています。

そんな中で、「独裁国家」が持つデメリットは、フィクションに出てくる独裁者や独裁国家のイメージでくくられるような、「横暴な為政者が民衆のことを顧みずに、私利私欲をもって国を都合のいいように作りかえてしまう」というものとはちょっと違うのではないかという考えを持つに至りました。

今日はそうしたアイデアの開陳です。最近「なんで民主主義が衰退してるんだっけ」とか「民主主義って何がいいんだっけ」みたいなことを考えることが個人的に増えているのですが、そのカウンターパートとしての民主主義「以外」について知り、学んでいくためのたたき台にしたいと考えています。

読者のみなさまにはその思考実験の一端に、お付き合いいただければと思います。では以下に述べていきます。

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中央集権的、権威的な独裁国家の欠点は、「権威を利用する奴がどうしても出てくる」ということと、「むしろ権力が民意のほうを向きすぎる」という2つに大きく分けることができるのではないか、とこれまでの中国での経験から考えています。以下にそれぞれ詳しく書いていきます。

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