人工授精

フーナーテストの結果が悪く、人工授精に進むことになった私たち。これが2018年の11月頃のことだった。

私の通う病院では、採精は家で行い、朝のうちに病院へ持っていく。そして、培養したものをお昼または夜に処置をする、という流れだった。

精子を入れるのはフィルムケースを大きくしたようなプラスチックのケース。マジックで名前を書く。寝起きの夫が部屋にこもって採精する。そして、それを出勤前に病院に届けて会社に行く。そして診療が終わってから順次処置があるので、19時以降に電話で何時頃になりそうか確認してから病院に向かう。初回は21時頃だったと思う。次は20時ぐらいだったかな。次は土曜日だったので昼間に処置をした。

細いカテーテルのようかなもので、注入は一瞬で、私の場合痛みは全くなし。数分の安静ののち(その病院の場合うつぶせ)、着床しやすくなるように注射をするのだけど、「お尻と腕どっちがいいですか」と聞かれ、どうせお尻出てるしと思ってお尻にしてもらったものの痛いのなんの!次からは必ず腕にしてもらった。

こうして3回人工授精を行うも結果は陰性続き。毎回結果を聞いて、泣くのを我慢しながら、時にはちょっと泣きながら帰った。

実はこの頃、父に癌が見つかって、病状はかなり厳しかったこともあって、精神的にはかなり辛い日々だった。そして、この3回目の人工授精が終わった頃、半年程の闘病を経て父はあっという間に亡くなってしまった。

その翌月、4回目の人工授精をするもまた陰性。先生からは「あと1、2回ダメなら体外受精に」と言われた。

そろそろ頭打ちであることはわかっていて、治療をやめるか、体外受精に進むか、どちらにせよ人生を考え直す時がきたと思い、父が亡くなったのを機に仕事を辞めていた。

実は私は、治療をやめる方にかなり傾いていたのだけれど、何度か話すうちに夫が言った「もし可能性があるのなら体外受精してみたい」。それならばと体外受精してみようと決めたのだ。

5回目の人工授精も陰性、体外受精の予約をとって待つ間に6回目。いずれも陰性。

こうして計6回人工授精を行うも、妊娠することはなくいよいよ体外受精を行うことになった。

それについてはまた次回。

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