体外受精①

6回の人工授精がすべて陰性に終わり、いよいよ体外受精に進むことになった。

確率は上がるとはいえ、できるかどうかわからないものに何十万もかける。これには正直迷いがあった。

夫が「やってみたい」と言ってくれたこと、そして一言の文句も言わず治療費を準備してくれたこと。だからこそステップアップすることができた。夫にはとても感謝している。

それだけじゃない。結果がダメで泣く度に慰めてくれたり、気晴らしに美味しいものを食べに連れて行ってくれたり、父が亡くなる前後のサポートも、夫と結婚して良かったと思うことばかりだった。

2019年9月、採卵に向けて準備開始。点鼻薬と自己注射で卵を育てる。この自己注射が一番ドキドキしていたのだけれど、ほとんど痛みはなくて案外平気だった。

そして、10月に入り、いよいよ採卵。

私の通う病院では、採卵時は全身麻酔で朝イチに行って準備、処置、安静ののち診察で午後までかかった。全身麻酔をするので自分で運転しての来院は禁止。私は家から近かったので歩いて行った。

処置は麻酔のため痛みは全くなし。声は聞こえるし、感覚はなんとなくある。なんか吸引してるんだろうな…という感じ。そして長い長い安静のあと着替えて診察を待つ。この時、おしっこを採るカテーテルを入れてあったんだけど、これを抜き差しするのが一番痛かった!

処置室からベッドのある部屋に移動して診察を待つ間、隣のベッドの人はなんだかキツそうな気配がしていたけど、私は持参したおにぎりを2つむしゃむしゃと食べた。

そして診察と説明。10個目標にしていたけれど採れたのは6個だということだった。もっとたくさん採れると思っていたからショックだったけれど、とりあえず終わったという安堵感もあった。

この時点ではなんともなかったのだけど、この日の夜から下腹の鈍痛があって、卵巣が腫れたらしくお腹がパンパンになって一週間ほど点滴に通う羽目になってしまった。

その間に、6個の卵のうち3個が受精、さらにそのうち2個が成熟したので、その2つを凍結した。

病院の方針で、基本的に新鮮胚の移植はなし。一度凍結してから次の周期以降での移植となる。

私の場合、最初の診察のときに子宮内膜症があると言われていたので再検査するもマーカーがさらに上がっていて、この治療をしてから移植することになった。モヤモヤしながら2ヶ月薬を飲み、また検査……無事移植できることに。ようやく!という気持ちだった。

長くなったのでまた続きは次回。

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