隣り合わせの廃と青春21 新エピソード「オーレン」実装

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リネージュというゲームを根本から変えてしまった「火竜の棲処」の次のエピソードがついに実装された。
その名は「オーレン」。
トップ画像を見ていただければわかるが、火山帯のフィールドが実装されるエピソードから、今度は氷のフィールドが実装されるエピソードとなったのである。なかなかバリエーション豊かで良いと思ったものだ。
ちなみにオーレンとは地方の名前である。日本で言えば北海道って感じだろうか?いや、全然違うな…。

話を戻す。このエピソードの目玉は以下だった。

・雪山フィールド「オーレン」実装
 →火山ほど美味しいフィールドではなかったものの、モンスターの沸きがなかなか良く、一定の人気は出た。

・新ダンジョン「象牙の塔」実装
 →8階建ての新ダンジョン。このエピソードの中では最もインパクトのある実装だったように思う。詳細は後述。

・新ボス「アイスクイーン」「デーモン」の実装
 →トップの画像はアイスクイーン。このエピソードの顔みたいに扱われていた。「ブリザード」の魔法を使い、画面全体に攻撃をしてくるボス。
 実際には「デーモン」の方が遥かに強く、お前変身したら弱いくせになんだよこの強さ、って感じだった。なお、誰が呼んだか、呼称はいつの間にか「閣下」で定着していた。元ネタは言うまでもない。

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で、結論から言うとこのエピソードでは、火竜ヴァラカスのように、サーバーを根底から覆すようなことは起きなかった。

ところで、当時の私は、名実共にワールドトップの血盟に所属しており、キャラのレベルや強さもワールドでトップレベルにあった。
そんな立場になると人間どうなるか。
調子に乗るのだ。
間違いなく人間は調子に乗る。これは、別にゲームに限った話ではない。人間の性って奴だと思う。
そしてこれを学んで自制することが出来るかが、人生の幸福度を分けるってことも、今の私には段々わかってきたことである。もちろん、当時の私にはそんな分別はないのだが。

話が逸れた。当時のリネージュは、一言で言うと「無法地帯」だった。
恐らく上位層は、ほぼ皆が皆、何らかのチートを行っていたはず。断言しても良い。
軽いところではグラフィック変更や暗闇除去や音楽変更等。
これらはまだまだかわいいもので、重度になるとクライアント改変やモーションカットや2セル攻撃などやりたい放題だった。(ただし、重度のものは、他のプレイヤーから見ても明らかにおかしな挙動をするので、GMに検挙されるケースもままあった。バレたらもちろんBANである。)
なんなら、アカウント共有の時点で、チートではないが公式的にはイリーガルな行為である。
それぞれの内容について細かく説明することは避けるが、要は普通に真面目にプレイをしているプレイヤー達に、明らかに有利を取ることが出来る。
汚いことである。規約違反である。

ただ、これについては私の心に残っている名言がある。

「チートは、やってる人が皆無にならない以上、そいつらと競う上で、やらないと不利になるからやる」

(友人Sからの又聞きだが)後にリネージュのGMとなる「DRA」氏の発言である。氏は、まだまだ情報が少なかった時代に、リネージュの情報サイトを個人で運営していた、筋金入りの廃プレイヤーだ。

これは、例えるなら現実世界の軍拡の話のようなものだろうか。
競争相手がやるからやるのだ。
どちらかがやったらどちらかもやめられない。だって一方的に不利になるのだから。
何か大きなことがないと、この流れは絶対に止まらない。止められない。
私が好きなウルトラセブンの言葉を借りるなら、「それは、血を吐きながら続ける、悲しいマラソン」である。

私はといえば、レベル52にどうしてもなりたかったし、環境が環境だったので、(当時のワールドトップ血盟にいたわけで、容易に情報を入手出来たのだ)1種類だけはチートを行なったというわけだ。

そのチートとはある意味単純。グラフィックを一つ変更するだけ。
「旗チート」。当時はそう呼ばれていた。
単純なチートだが、この違法行為は、暗黒のレベル上げロードに素晴らしい光明をもたらした。

象牙の塔の高層の仕様は、床にある見えないスイッチを踏むと、モンスターが4匹周囲にポップすると言うものだった。(風来のシレンの召喚スイッチをイメージしてもらえると非常にわかりやすい。ほとんどの人にはわかりにくい比喩で申し訳ないが)
要は、罠を踏んだらモンスターが召喚されてさあ大変!という実装をしたかったのだろう。

さあ、察しの良い読者はもうわかったと思うが、このスイッチを可視化するのだ。
見えないスイッチのグラフィックを、見易い「旗」に変更する。これだけ。

するとどうなるか。
一般のプレイヤーからすると、たくさんのモンスターが一気にポップされて危機に陥るのかもしれない。
だが、ワールドトップのナイトから見るとどうだろう。
面倒な索敵をするまでもなく、無限にモンスターがポップされる理想のフィールドとなるのだ。
レベル50の特権であるバフォメット変身で、高速で走り回りながら、旗を踏んで柔らかい美味しいモンスターを殺し続ける。
これは、当時のDVCや火竜の棲処(厳密に言うと、デスナイトに変身できるようになれば、火山の方が効率が良いが)を超える素晴らしい狩りとなった。チートを前提としてだが。

憧れのデスナイト変身は手を伸ばせば届く距離にあった。
手段を選ばず、私はレベル50から52までの区間を突っ走ったのだ。

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