ボランティアがしたくなった
ある日裁判を傍聴した。被告は生後1か月の娘を殴って死なせてしまった26歳父。罪名は傷害致死だ。人の人生を洗いざらい陳述していくので、ある人の人生を追体験した気分になる。この裁判では被告が特異で壮絶な半生を送っていた。その結果、私はボランティアに応募した。
被告は若い両親のもとに生まれた。両親はともに生活保護世帯。経済的な事情から弟とともに幼い頃に児童養護施設に預けられ、高校を中退するまで施設で育った。母親はなかなか会いに来てくれなかったが、被告が中学生のときに再婚し、再婚相