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どうして塾の人は「塾の教材だけをやれば良い」と言うのか


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京大志望の高校2年生です。
現在私は河合塾マナビスに通っていて、
数学(レベル4)の講座を取っています。
マナビスアドバイザー曰く、
この講座のテキストが完璧ならば、
青チャートはいらない、そのまま演習(プラチカなど)に
行って大丈夫らしいです。
少し心配になり、質問に来ました


これは非常に興味のある質問。回答者の方のご意見も見てみます↓

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質問者さんはなんとなく文系でしょうか?

だとすると仰るようにレベル4(MARCHレベル)からプラチカはかなり厳しい。

そして「塾のテキストだけでは演習量が足りない」というのもその通り。


これらを総合して、私はこう考えます↓


①塾のテキストの内容を白紙から完答できるまで学習する(目安は全体の7割くらい正解できればOK)

②塾のテキストで学んだことを基にレベルに合わせた問題集に手を付ける

③足りない・わからない知識を塾のテキストでやり直したり、市販の参考書で補いつつ、また市販の問題集に挑戦する


数学に限らずですが、どの予備校でも「座学も演習もぜーんぶこれ1冊でOK!」みたいなものはないです。

そんなことしてたら教材の厚さがハンパじゃないですし、それにマナビスの数学講座には計算力を鍛える講座は無いですからね。いずれにせよマナビスで勉強していてもいつかは市販の問題集に手を付ける時が来ます(いまは計算力に特化した講座があったらごめんなさい)。


それで言うとマナビスのテキストは文字通り”テキスト”なので問題集ではないです。ですから、やっぱり演習量は足りないです。

しかし演習量を確保するよりも先に必要な知識を抑えている生徒が少ないのもまた事実。


つまり上記①のフェーズをクリアできずに②に移行している人が多いんですね。

例えるならお茶碗にご飯がそこそこ残ってるのにおかわりをするイメージ。まずは食べきってからおかわりをしようじゃないか、と。

だからスタッフとしては順番から考えて「まずはマナビスのテキストをやり切ろう」というアドバイスをすることが多いです。

なので、質問者さんのお話で言うと


①まずレベル4→プラチカが厳しい。

↑確かに理系ならレベル4⇒プラチカでも行けるけど文系だと厳しい。アドバイザーさんは理系だった?

②念のため今の自分がレベル4の内容を白紙から再現できるか確認する。難しいならレベル3に戻ってやり直す、という具合。

↑レベル4が7~8割できるのであれば青チャートから始めてみても良いし、なんとなく「暗記しちゃってるかも…」とか「数学はちょっと苦手で」ということであれば黄チャでも良いですし、基礎問で素早く確認してみるのも良いと思います。


ただ、個人的には青チャのような幅広いレベルが詰まっている教材は今の自分が欲しいレベルの問題に触れる機会が少ないので、使い道が限られていると解釈しています。

たとえばあなたの実力が1~10段階のうちの4だとして、1~10までの問題が10問ずつ詰まった問題集をやるのと、3~5の問題だけで30問ずつ詰まった問題集をやるのでは、どちらの方が効率良く実力が付くだろうか?ということだと思います。

なのでなるべく「元気が出る」とか「基礎問」とか「入門精講」とか、レベルにばらつきが無い教材を手にしてから、チャートのような網羅系の教材に入ると良いと思います。

高2ということなので、もちろん青チャで演習量とか計算の早さとかも身に付ける、という意味でやるのもOKです。


市販の問題集をやると塾で学んでいない解法を見かけるんだけど…

マナビスが”現役専門”にしているのは入試に必要な最低限の知識を身に付けることも理由の一つ。現役専門にすることで既卒なら現役生と差を付けるために知っておきたい予備知識などを除外しているんですね。

だからこそ、マナビスは別解のような余分な知識に時間は割かない=テキストもちょうど良い厚さ(なんなら薄い方)で最短最速で模試で成果を出すように組んでいるんですね。


もしも王道の解法ではなく、そういう差が付くような知識を求めるのであれば別の予備校の方が良いかな、と思います。

が、個人的にはまずは取れる問題を取れないと話にならないと思っているので、王道のやりかたは多くの人にとって必要なはずです。

あと、京大志望とは言えまだ高2生なので、ここは過去問ではなくハイレベルの基礎固めを最優先、と私だったら提案します。青チャで教科書準拠系は理解して1対1とかの入試を想定した問題に挑戦していく感じですね。ここまでできれば志望校対策が相当やりやすいと思います。


ということで、市販の問題集をやると知らない解法に出くわすと思います。が、絶対不可欠なものはマナビスで既におさえているはず。

それを踏まえると市販の問題集の知らない解き方は”まずは”優先順位が高くないということで、いったんは「そういう解き方もあるのね」程度に留めておき、何度も見かけるようになったら、それは入試でも使う可能性が高いということですから、本腰入れて学習していく形でOKだと思っています。

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