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「道具」しばりで「beの肩書き」をやってみた 〈はたらく学校「国語」のスライド公開!〉

こんにちは、勉強家の兼松佳宏です。

5月17日(金)夜は、OSAKAしごとフィールドが主催するはたらく学校「国語」 言葉で遊ぶと自分らしさが見えてくる! 「beの肩書きワークショップ」の第二弾!ということで、30名ほどの参加者と一緒にbeの肩書きを考えてみました、感謝!

1月に実施された前回は〈食べ物〉編に初挑戦。その感触がとてもよかったので、それ以降はすっかり定番コンテンツとなり、10回以上は実施しています。そこで今回も新たな挑戦として、〈道具編〉に取り組んでみました。そして、今回も本当に楽しかった!


たとえばどんな道具?

"道具"とは、「物を作り出すため、仕事をはかどらせるため、生活の便のために用いる器具の総称」です。工具や調理用具、文房具などはもちろん、家具、家電から楽器、遊び道具、乗り物まで含まれます。

共通しているのは何かを担っていたり、何かをしてくれているということ。道具とは、そんな役割や貢献のメタファーなのでした。

そこで出たのは、こんな感じです。

●工具など
・ここぞと思う所に釘を打つ心の強い「トンカチ」のような人

・細かいものを分類してくれる「ピンセット」のような人

●ファッション小物
・みんなの心にそよ風を吹かせてくれる「扇子」のような人
・辛いときとてるもない優しさと温もりで包んでくれる「毛糸の手袋」のような人

●家具
・風や光を通して人を快適にする「カーテン」のような人

●家電
・自ら必要な場所に積極的に出かける「ルンバ」のような人
・すっきりした朝の時間でリセットしてくれる「コーヒーメーカー」のような人
・どんなものも大切に保存して美しく見せてくれる「デジタルフォトフレーム」のような人

●乗り物
・自由気ままに好きなところに行ける「自転車」のような人
・目的のために確実にみんなを受け入れて走り続ける「夜行バス」のような人

●楽器
・不思議な気持ちにさせてくれる「トライアングル」のような人

●実験道具
・自分と人との間に幸せな化学反応を起こす「フラスコ」のような人

●遊び道具
・少しずつしか進めなくても積み重ねれば自由になる「将棋の歩」のような人


このときもグループのメンバーの話を4分だけ聞いて、そのあとたった4分くらいで考えてカードに書いたのですが、どれも、なるほどなあ!と頷くものばかりでした。


〈beの肩書きワーク@はたらく学校のレシピ〉

ということでいよいよ、この日のワークショップのレシピを共有してみたいと思います。

①チェックイン
②レクチャー
③練習
④ストーリーテリング + フィードバック + メッセージカード + 贈呈式

⑤チェックアウト


①チェックイン

今回のグループ分けは、シンプルに「袖触れ合うも他生の縁」方式にしました。まずはこの場になれるために、最初に座った場所の周りにいる人と3人組で、1周目は「お名前/どちらから?/いまどんな感じですか?(楽しみにしていることなど)」、2周目は「思い出に残っている肩書きやニックネームは?」について軽く話してもらいました。


②レクチャー

今回のレクチャーはさらにコンパクトに。

beの肩書きとは? → コメディアンとしてのバス運転手 → ユーダイモニア → リフレーミング → メタファー


③練習

今回の練習は、道具をいろんな道具を思い出してもらうために、工具 > 調理用具 > 文房具 > 掃除・洗濯用具 > 家具 > 家電 > 実験用具 > 農具 > 楽器 > スポーツ用具とスライドを切り替えて、古今東西をしてもらいました。


④ストーリーテリング + フィードバック + メッセージカード + 贈呈式

一回、休憩をはさみ、次はストーリーテリングです。語っていただくのはbeの肩書きインタビューで書き出したうちのひとつのエピソードなので、休憩中には済まさえておいていただくようお願いしました。

そして、いよいよ語り合いの時間です。最初に語り手、聞き手、メモ係に分かれます。

語り手はヒストリーで書き出したことをゆっくり思い出しながら、自由に話をしてOK。聞き手は相槌をうつ、言葉を繰り返すなど傾聴することに集中し、メモはメモ係にまかせます。メモ係は白い紙とペンを持って、話のすべてではなく、大切なキーワードや表情が変わった瞬間をメモしていきますが、基本的に質問は聞き手にまかせて黒子に徹します。

このときはひとりあたり語る時間を4分とし、残り半分、あと30秒のアナウンスをするようにしました。終わりの合図が来たら語り手に拍手をし、黒子に徹していたメモ係さんから、語り手に「キーワードは何だったのか」「どの瞬間に表情が変わったのか」など、1分ほどフィードバックをします。

そして、フィードバックでは伝え切れなかったことも含めて4分ほどでメッセージカードを仕上げてゆきます。このとき本人も自分を道具で例えてみます。

そして、全員が書き終わったら贈呈式です。最初は、聞き手さんから語り手さんへ。つづいて、メモ係さんから語り手さんへ。最後に、自分で自分をどう例えたのか披露してもらいます。

贈呈式では、雰囲気作り&時間マネジメントとして、「見よ、勇者は帰る」の一節を歌うようにしています。歌が終わる30秒ほどで一言添えて渡してもらいます。この約12分が1セットとなり、3人分繰り返します。

もらったカードについていろいろコメントしたくなりますが、全員の贈呈式が終わるまで感想のシェアは待ってもらうようにしています。


⑤チェックアウト

最後に椅子に9枚カードを並べて、「カードをもらって気づいたこと」や「カードを贈って気づいたこと」など自由に感想を共有します。


ということで、初めての道食編のワークショップデザインを振り返ってみました。

食べ物編との違いは、より機能面が強調されることかもしれません。その分、食べ物の方がより"あり方"に近いのかなと思いつつ、お互いが貢献できることによってもう一度出会い直すという文脈においては、道具編のメリットは大きいような気がしました。

実際、2週間後の6月1日には、芦屋(たぶん)100人会議という機会をいただいて、beの肩書き〈道具編〉からのコミュニティビルディングも試みてみました。その詳細はまた次回まとめてみたいと思います。


ということで、参加者のみなさん、声をかけていただいたハローライフの塩山さん、島田さん、ありがとうございました!


はじめまして、勉強家の兼松佳宏です。現在は京都精華大学人文学部で特任講師をしながら、"ワークショップができる哲学者"を目指して、「beの肩書き」や「スタディホール」といった手法を開発しています。今後ともどうぞ、よろしくおねがいいたします◎