サンプル:練習 『金は払う、冒険は愉快だ』川井俊夫(素粒社)
その店に並べる本を選んでみることになって、そんなことをしていいのか? といつまでも決心がつかないまま、そしてもっと大きな決断を延期しているわたしのことを思うとしゃがみこんでしまいたいが、そんなことをしてもなんにもならないのでしないでいる。
本を選んでみるべく仕事のあと何日かおきに池袋駅の書店に立ち寄って、いつも気が散ったまま、けっきょく決められることはひとつもなくバスで団地に帰る、そんなことがつづいた。
それで、いよいよ実際的な考え方をしようと思い、とりあえず方針のようなもの