ジェンダーレスでありたいわたしは、いつかスカートを履きたい
母との電話で精神を削られた夜、クローゼットの中の喪服とリクルートスーツを捨てた。去年の今ごろだっただろうか。どちらもたしか就活(と呼べるほどまともな就活はしなかったけれど)の際に、布から仕立てて作ったやつ。大手紳士服チェーン店の既製品のそれをこき下ろし、テーラーメイドでわざわざ注文する行為をステータスとするその価値観が、いかにもブルジョア気取りで反吐が出る。
そういう反吐と一緒にその2着をぐちゃぐちゃにまるめてポリ袋に突っ込んで、マンションの裏手のゴミ置き場のカゴに放り込ん