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マレーシア•ボルネオ島サバ州立鉄道の旅

東南アジアは首都圏を除いて、鉄道の旅がなかなかできません。
理由は、本数が少なく、1日数本の電車に合わせないとならないためです。
おまけに時間がかかります。
鉄道よりもバスの方がはるかに早く目的地に到着できるのです。

今回行ったテノムも同じで、車で3時間ほどのところを鉄道で8時間かかりました。
「電車に乗る」ための旅です。

サバ州立鉄道とは

「サバ州立鉄道」はボルネオ島で唯一の鉄道です。

イギリス北ボルネオ会社作った路線です。

目的は農作物などを運ぶためで、1.896年に作られました。

観光客が利用するのは、ステラハーバー社の「北ボルネオ鉄道」と呼ばれるものです。

キレイに改装された列車の中でランチをしながらビューフォートまで行き、折り返してくる半日旅行ができます。

しかし、ジャングルの中を走るのは、ビューフォートから先なんですよ。

列車の時間は?

数十年ぶりに来たら、タンジュンアル駅が、キレイに改装されていました。

コタキナバルの「タンジュンアル駅」からビューフォートまでは1日3本の列車が出ています。
タンジュンアル駅始発の7時45分に乗らないと、同日中に終点「テノム」までは到着できません。

ここから「ビューフォート」まで約2時間、ビューフォートで乗り継ぎの電車を待ち、1時の「テノム」行きに乗ります。
更に揺られること2時間ちょっとで終点です。
ビューフォート発テノム行きの列車は1日に2本しかありません。
ちなみに、1時の列車が終電になります。

「テノム」の1駅手前、パンギ駅で車両が切り離され、1番後ろの車両だけが残されます。

ビューフォートからは単線で、駅の数は少ないのですが、とにかく1区間が長いのです。

どんな列車?


私が乗ったのは、各駅停車のエコノミーと呼ばれる列車でした。
中国製車両を再利用していて、ボックス席の列車です。
エアコンがついているんですよ!
子どもたちがフリースを着ているのに気が付きましたか?

列車に限らず、暑い国の乗り物は拷問のように寒いので、必ず上着が必要です。

ビューフォートから先は4両編成です。前2両はタンジュンアルから乗ったものと同じ中国製車両の列車です。
1両目はエアコン付、2両目は扇風機、全席自由なので、改札には長蛇の列ができていて、みんな1両目を狙います。
1両目に乗りそびれた人は、2両目に乗りすぐさま窓を開けていました。

3両目と4両目は文字通りの貨物列車で、扉がありません。
乗った場所が閉まらないのです。
そして、窓もありません。
3両目には12人程度が座れる座席が取り付けられていました。

さて、どの車両を選ぶか。
子どもたちに聞いたところ
「もちろん、1番後ろの車両でしょ」と返答が帰ってきました。

コタキナバルに来て1年ちょっと。
たくましくなってきました。

ただ、2歳の次男がそろそろお昼寝タイムになるので、3両目の座席を取ることに。
車両切り離されてからは、本当の貨物列車になります。

タンジュンアルからテノムまで、いくらかかるのか?

窓口で人数を述べ、お金を払うと領収書がもらえます。
これがチケットになります。
なくなさいようにしましょうね。

タンジュンアルービューフォート:RM8.4
ビューフォートーテノム:MR2.75

日本円で約230円と76円です。
トータルしても300円ちょっと。
子どもは大人の半額です!

このチケットは、列車の発車30分くらい前から窓口で販売されます。
列車の出る時間が限られているので、この30分しか人がいません。
窓口は混み合うので、早めに行った方がいいですよ。

ビューフォートで何をするか


7時45分にタンジュンアルを出発し、9時40分にビューフォートに着いてしまいます。
乗り継ぎの電車まで、約4時間。
カンポン(田舎)なのでなーんにもありません。
「うちの田舎何もないよ」とよく言いますが、何もないのレベルが違います。

駅前が町の中心地になっているので、kedaiやミニマートくらいですね。
携帯のトップアップを買ったり、ごはんを食べるくらいはできます。
北ボルネオ鉄道は、このビューフォートの折り返し前に、市場などの散策ができるようなので、市場は旅行者の目に止まるようなものがあるかもしれません。

とは言え、4時間は潰せませんね。
普段しないこと、できないことをするには格好の時間なので、何か用意していくといいですよ。
我が子は宿題持参です。

kedaiでごはんを食べた後に始めました。
が、その前にテーブルをウエットティッシュで拭きます。
1袋使い切っちゃうんじゃないか?という量を使いました。
真っ黒黒なんです。

ちなみに、ビューフォートから先の列車だけ乗れればいいや、という人は、

コタキナバルからミニバンでビューフォートに来る方法があります。

車で1時間ちょっとで到着します。

サバ鉄道の車窓から〜タンジュンアルービューフォート間

タンジュンアルからは海岸沿いにひたすら走ります。
ここは、パパールやビューフォートの先にあるクリアス川に行く時に何度も通っているので、町の感じも知っている場所でした。
ビューフォートまでの大きな駅といえば、パパールです。
特に何もないのですが、その他が村だったのに対してパパールだけ町にレベルアップします。

私たちが乗ったのはちょうどチャイニーズニューイヤーと土日が重なった4連休でした。
カンポン(田舎)に帰る人たちがたくさん乗っていて、乗車率100%超えでした。

マレーシアは車社会です。
バスが機能していないサバは死活問題なので、最低でも一家に一台車はあります。
でも、車の需要がある分、中古車の値段が下がらないので、車がない生活をしている人たちもたくさんいます。
車やバスより使い勝手の悪い列車を選ぶ人たちは、車が買えない人が多いのです。
そんな人間模様は車窓よりも面白いものでした。

サバ鉄道の車窓から〜ビューフォートーテノム間〜

貨物列車、お尻が痛かったけど最高に楽しかったです!!
マレー鉄道も私が乗った当時は、ドアに扉がなかったけど、ローカル感が全く違います。
暑さで線路が歪んでいるのがよく分かります。

よく脱線せずに走ってるなと感心しますよね。

歪んでいるので振動をモロに受けます。
これで4時間、かなりしんどいですが、一度は体験してみるのもいいですよ。


地べたに座り。列車の連結部分から足を出して座ることもできますよ。

ただし、自己責任ですからね。
落ちたり、怪我をしないように気をつけてください。

ビューフォートを過ぎると、山を登っていきます。
木々が連なる熱帯雨林のジャングルをひたすら走ります。

これはバナナの木。

こちらはパームヤシの木。
パームヤシについては、また別の機会にしたいと思います。
長女が学校で調べているので、教えてもらいます。

途中で何度か止まりますが、駅が分かりません。
草むらの中に飛び出したコンクリート、これが駅のようです。
その幅は列車を全く無視していて、一両分が止まるかどうか。

あるところでは、何もない場所で止まりました。
何があったのかと顔を出してみると、おじさんが1人列車から飛び降ります。
ホームがないので結構な高さです。
そのおじさんに、他の乗客がガスタンクを渡しました。
32kgのプロパンガスはかなり重くて、私は持ち上げられませんが、おじさんはそれを抱えて草むらに消えて行きました。

どこが家なのか全く分かりません。

なぜ、貨物列車にシートがないのか。
カンポンへのお土産を行商のように抱えてる人、生活に必要なガスや大きな家具を持ってる人。
シートがあると、これらを運ぶことができないからではないかとふと思いました。

山奥の獣道までガスは配達してくれないでしょう。
まず、トラックが入れないでしょう。

ここで暮らす人にとっては、大事な移動手段なんでしょうね。

サバ鉄道は、市民の足として走っていることを痛感しました。

2時間も経つと、変わらない景色に飽き、座っているのも辛くなってきます。
こんなところでも寝られる次男は、本当にすごいなぁと関心します。

テノム到着


陽が傾きかけた4時半ごろ、テノム駅に着きました。
木造の小さな駅です。
駅員さんが1人、ホームに立っていました。
今日の仕事はおしまいです。

駅前のムルデカ広場ではサッカーの試合が行われていて、隣の通りは夜市がたち始めていました。

タンジュンアル鉄道駅

add:Tanjung Aru Railway Station, Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia., 88100 Kota Kinabalu, Sabah,

tell: +60 88-279 300

URL: railway.sabah.gov.my

テノム鉄道駅

add: 89900 Tenom, Sabah,




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