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マレーシア・サバ州の文化を知ろう!モンソピアド・ヘリテージ・ビレッヂ

サバ州の先住民、カザダン族の英雄、モンソピアドと彼らの文化や歴史が見られる文化村があります。

サバ州には、細かく分けると36種族の先住民がくらしているんですよ。

彼らの言語は全て違います。一般的にはマレー語、英語を話しますが、今でも自分たちの言語を守っている種族もいるんです。

ここは、1996年に、カザダン族が「カザダンの伝統と文化を保持」するために作った文化村です。

文化保持が目的なので、観光客向けの派手なパフォーマンスやおもてなしはあまりありませんが、文化を見るにはとても面白い施設ですよ。

モンソピアドって誰?

一般的にカザダン・ドゥスン族とひとくくりにされますが、細かく分けると別の種族です。

実際に今でも「私はドゥスン族、彼女はカザダン族よ」と自己紹介されるんですよ。

ドゥスンの友達に聞いたところ、言葉も似ているけど少し違うのだそうですよ。

彼らの中でははっきりした違いや自分のルーツをきちんと持っているのを感じることが多々あります。

実際、私たちのガイドをしてくれたお姉さんも「カザダン」でした。

その、カザダン族の英雄と言われているのがモンソピアドなんです。

上の写真がカザダン族の英雄、モンソピアドの像です。
ちょっとおまぬけに見えてしまうのは私だけでしょうか💦

何をした人なの?

彼は、村を荒らした他の先住民族、42人の首をとったとされています。

この首は本物だそうですよ。

カザダン族が首狩り族だったのかは分かりませんが、
サバ州の先住民族の首狩り族と言えば「ムルット族」です。
彼らはカリマンタンから来た、と言われますが、サバの先住民族には

「カザダン・ドゥスン・ムルット族」というくくりもあります。

ガイドのお姉さんに聞いたところ

ムルットではないが、私たちも首を狩った

というような返答でした。

あぁ・・・もう少し言語ができれば。

いずれにしても、悪い泥棒を退治した英雄ということです。

こちらは、その時に実際使われた盾です。

剣の跡が生々しいですね。
ちなみに、剣はレプリカが飾られてました。
本物は気が強すぎるので、公開できないのだそうです。

他の説明を受けた方のブログを読みましたが、私たちのガイドはそういっていました。

まぁ、人の首をはねたものですから、本物を飾らない方がいいという結論に至ったのでしょうね。

モンソピアドの村を再現

ここは、モンソピアドが実際に暮らしていた村を再現したと言われています。

伝統的な竹のロングハウス(長屋)はスタッフルームになっていましたが、外からその造りを見ることができます。

山で暮らしていた先住民族の間でコレラが流行り、次第に山から降りて方々で暮らす人々が増えたのですが、
※ヌヌックラガン記事参照
町に降りてきてからも疫病が流行ったのだそうです。

カザダン・ドゥスンの間には、重要なポジションの人がいます。
それが、シャーマンです。

これがシャーマンの正装です。
年配の女性が多いようで、驚くことに、現在も実在するんですよ。

カザダン・ドゥスン族の収穫祭「カアマタン」など、大事な儀式では必ず出番がある人達です。

さて、疫病が流行った時に、シャーマンは
「ガヤ島から石を運んでくれば病気は止むだろう」
というお告げをもたらし、彼らはそれを実行したそうです。

そして、この庭の真ん中にとどーんと立っているのが、本当にガヤ島から運んだ石なのだそうです。
その重さ、2tほどあるそうですよ。

先住民の暮らしは

農耕民族なので、米を作ります。

米の脱穀機械など、当時のものが展示されていて、実際に試すこともできるんですよ。

そして、我々日本人と同じく、酒を造ります。

イスラム国家マレーシアですが、彼らは彼らの暮らしを維持しているので、祝い事となれば酒はかかせません。
ちなみに、豚も食べます。

先住民族が米からつくる酒を「タパイ」と言い、welcome tapaiがいただけます。
ただし、常温で置かれているのと、いつのものかは定かでないので、嗜む程度が良いのではないかと思いますが。

また、重要なたんぱく源として「サゴ」と呼ばれる幼虫を食します。

実際にFB友達がナイトマーケットでサゴが乗ったナシゴレン(炒飯)の写真をアップしてました。

私は食べたことないんですけどね・・・。

それから、彼らの伝統楽器。

これは、インドネシアのガムランとよく似ています。

ガムランもそうですが、サバの民族音楽も5音音階で、4.7抜き(よなぬき)日本と同じなんです。

4.7抜きとは第4音と第7音を抜いた音階を用いることで、

ドから始まるとしたら、「ド・レ・ミ・ソ・ラ・ド」しか使いません。

日本の演歌も同様だって知ってました?

少し外れには、先住民の遊びが残された庭がありました。

色々壊れていましたけどね。

ムルット族の遊び、吹矢もありました。

これは別の場所で聞いた話ですが、昔は矢に毒を塗り、獣を狩ったり敵を楽していたそうですよ。

それから、ココナッツの殻を割って作ったポックリ。

これって、日本も缶詰で作りましたよね。

他にも日本でもあるよ、という昔の遊びがたくさんありました。

見学の後は

一通り見学が終わると、奥のバンブーの家に通されます。

ボルネオコーヒーとサバティーが自由に飲めます。

壁には伝統料理のレシピも貼ってありましたよ。

そして、その奥には・・・ジャンバタン

カザダン・ドゥスン族とは切っても切れない「橋」が再現されていました。

奥は何もないジャングルですが、景色もよいのでぜひこの橋は渡ってみてくださいね。

最後に、民族舞踊の披露です。

この日は客が私たち家族だけだったので「ドゥスン」の伝統舞踊だけでしたが、写真には「ムルット族」の衣装の人たちもうつっていました。

ムルットの踊りが一番派手なので(よくショッピングモールなどで観光客向けにやっているのはムルット族です)ツアーで申し込めば見られるかもしれませんよ。

この日は予約もせずイキナリ行ったので、いるスタッフで対応してくれました。

1人見様見真似で踊っている女の子がいたので、帰り際に種族を聞いてみたところ「私はムルットなの」という返答。

写真の右奥にいる、1人だけちょっと違う衣装の人ですね。

これはどうみてもムルット族の民族衣装です。

なるほど・・・と納得です。

特に着替えることもせず、そのまま踊ってしまう緩さがマレーシアのいいところでしょうか。笑

ムルット族が躍る、ドゥスンの踊りというのもある意味貴重かもしれませんね。

Monsopiad heritage Village

住所:Monsopiad Heritage Village Sdn Bhd,Kg. Kuai/Kandazon, Penampang,
P.O.Box 153 Tanjung Aru,89458 Kota Kinabalu, Sabah, 

電話番号:+60 11 141 96484/+60 11 141 96488

mail: info.monsopiadheritagevillage@gmail.com

HP:公式サイト


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