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マレーシアのペラ州は錫の街!カンパー錫の博物館

錫(Tin)と聞いて、どんなものかイメージが湧きますか?
名前は聞いたことあるけど、鉄や金のようにパッと思い浮かばない人も多いかもしれません。

今回は錫の博物館を訪れたお話です。

錫とは?

金属の1種で、酸化しにくい、錆びにくい、安定性があることで知られています。

元素番号50番、元素記号Snです。
色の変化も少なく、美しい光沢を長く保てるため、昔から装飾品などに使われてきました。

神様に捧げる進物としても使われてきたそうです。

今ではアルミ缶がメインとなった缶ジュースですが、マレーシアでは缶ジュースのことがjusu tinと書かれている店があります。
歴史は追えなかったのですが、昔は錫の缶を使用していた名残なのかも知れませんね。

マレーシアと錫の関係

実は、マレーシアは世界最大の錫産出国でした。
イギリスの統治時代に資源開発が進み、西海岸のキンタ渓谷からクラン渓谷にかけた地域です。
この山岳地の中心地がイポーという街です。
主に中国南部からの働き手として移民を多く受け入れたため、今でも中華系の人がたくさん暮らしている街です。
1900年代に急速に発展し、現在もマレーシア第三の都市と言われています。

有名なマレー鉄道も、元は錫輸出のためにひかれた路線で、イポー 駅はイギリス統治時代の面影を今でも残した白亜の駅なのですよ。

カンパー

イポー から南に40kmほど行ったところに、カンパーという小さい町があります。
ここも錫の発掘が盛んに行われていた土地です。
イポー 同様に中華系の人が多く暮らす町。
町にいくつもある湖は、かつて錫発掘のために掘られた穴に雨水が溜まりできたものなのだそう。
かなり大きな湖がいくつもあります。

KINTA TIN MINING

その小さなカンパーという町、新市街の一角に錫博物館があります。

小さな博物館ですが、錫発掘の様子や歴史が紹介されているのです。

えっ?ここ?と思うほど奥まった場所にありますよ。
目標はエゴンサーブというスーパーマーケットです。
入り口の右手にこぢんまりとあります。

では、中を見てみましょう。

錫の採掘の再現。
手作業で砂と錫を分けていました。

実は今回は2回目。
1回目はカンパーが地元のハッカ族のおじさん達となぜか一緒に来ました。
1人で行くつもりだったんですけどね。
ずっとカンパーに住んでるけど、行ったことがないから一緒に付き合うわ、ということで。
この作業、結構難しいんです。
初めてやるというこのおじさん、なかなか上手いんですよ。
なんというか、生まれ育った環境なのかな?

建物の中です。

かなりの力仕事だったことが伺えますね。
日本の銅山もこんな感じの再現がされているのを思い出します。

工事現場の再現。
かなり大きな穴を掘っていたことがわかります。
こういうの、ワクワクします。

こちらは作業服。
マレー系の女性もいますね。

採取した錫を測ります。

錫米、お米に変えるのでしょうか?
ここで測られた分交換するようです。

休憩の様子。

ざっと回れば10分で十分な博物館です。
値段も良心的なので、フラッと立ち寄って損はありませんよ。

イポー 、カンパーがあるペラ州には、こういった錫採掘を体験できたり、歴史を知ることができる場所があります。

マレーシアの発展には欠かせない歴史ですね。

http://kamparmuseum.com.my/wordpress/

錫のマレーシアブランド

「ロイヤルセランゴール」
有名な錫製品のブランドです。

お値段もそれなりですが、品のある製品です。
錫のタンブラーなど日常的に使えるものもありますよ。

ロイヤルセランゴールKL

https://visitorcentre.royalselangor.com/

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