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第八話 証券口座の設定がしたい(税金のはなし)

「租税は蓄えから支払うべきで、生活費からは支払えない」 byジェント


前回の証券口座の回で、どんな証券会社があるのかをお話ししました。どこが自分に合っているのか、ぜひ調べてみてくださいね。今この記事を書いているのが2023年9月なのですが、今月こんなニュースがありました。

「SBI証券 国内株式売買手数料”ゼロ革命”2023/9/30~」
「楽天証券 国内株式取引手数料0円 プラス新しいポイントプログラムも開始」
「松井証券 2024/1月より日本株、米国株、投資信託の売買手数料無料に」

口座数獲得のために大手証券会社だからできる価格競争ですね。これだけでは決め手にすることはできませんが、証券会社選びの参考にしてくださいね。

さて、今回は、皆さんが「証券会社は決めたぞ!さあ口座開設の手続きをしよう」という段階まで来た時のお話しをします。ネットで口座開設の入力を進めているとしましょう。「ん?口座種類の選択?」「NISA口座?ナンジャラホイ?」

知らないと進めることのできない設定が出てきます。実際に選択する前に、「税金」のお話をしましょう。むずかしい言葉やあまりにも細かいことはカットして、なるべく子供たちにわかるように説明しますね。

株式投資における「税金」のはなし

「税金」というのは、私たちの豊かな生活のために私たちが国や地方自治体に払うお金のことですよね。いろんな種類の税金がありますが、働いてお金を稼ぐと「所得税」(しょとくぜい)という税金を支払います。

会社に勤めているサラリーマンは会社からお給料をもらうときに、すでに税金を引かれたお金を受け取ります。天引き(てんびき)といいます。会社に雇(やと)われずに自分で事業をしている人は毎年「確定申告」(かくていしんこく)というものをして、自分が収める所得税を「確定」して「申告」して税金を納めています。

株投資をして利益が出た場合も「所得」とみなして税金を納めます。株を売って利益が出た時と、配当金を受け取った時です。どのくらい納めるのかというと、利益の「約20%」です。小数点以下や分類などの細かい話は今回は抜きです。20%と覚えていればいいですよ。
普通、お給料の金額に応じて税率(ぜいりつ)が変わって、収入が増えるほど税率も上がります。多く稼ぐ人は高い税率で所得税を支払っているのですが、投資の場合はどんなに収入があっても一律約20%です。
余談になりますが、世界の富豪たちは仕事はしていても、お給料はあまりもらわずに自分の会社の株をたくさん保有してその収入で暮らしています。なぜかというと、お給料をたくさんもらうと、その半分くらい税金を支払わなければいけないからです。
話を戻しますが、むずかしい言葉が出てくるのでここはすっ飛ばしても大丈夫です。株で得た利益や損失(売却損益)確定申告する場合、証券会社から送られてくる「年間取引報告書」をもとに年間の通算損益を計算します。
売却価額−取得価額−売却手数料=売却損益 となります。プラスなら利益、マイナスなら損失となります。手数料なども含めたかなり細かい計算です。どうですか?吐きそうになりましたか?
そこで次のお話しに移ります。

「口座種類の選択」

口座開設の話に戻ります。開設の際、3択で口座の種類の選択を迫られます。
① 一般口座  先ほど述べた細かい計算を全て自分で行なって、確定申告をします。
② 特定口座(源泉徴収なし)  計算は証券会社がしてくれます。それを確定申告します。
③ 特定口座(源泉徴収あり)  計算は証券会社がしてくれます。しかも申告や納税も全て証券会社が自動で行なってくれるので、投資家は税金を天引きした利益だを受け取るだけです。 

「源泉徴収」(げんせんちょうしゅう)というのは、支払い者(この場合証券会社)があらかじめ税金などを天引きした金額を支払い、納税者本人(この場合投資家、私たちのこと)に代わって納税することを言います。

朗報です!さっきの面倒な計算や申告を全部やってくれるなんて、良い知らせですね。そうです、③ 特定口座(源泉徴収あり)を選択しましょう!投資初心者にはそれで十分です。

ただ、確定申告を自分でした方がいい投資家もいるんです。ここも面倒なら読み飛ばしてくださいね。税引き前の利益で再投資したり、米国株の配当金を受け取るなどして納めすぎた税金を「還付」(かんぷ)してもらいたい人などです。還付というのは支払った金額が支払った人に返されることです。
また、複数の口座で取引をしていて、損益を相殺などができる「損益通算」(そんえきつうさん)をしたい人。それから、控除しきれない損失を3年間繰り越すことができる「繰越控除」(くりこしこうじょ)をしたい人などなど。

ますます面倒くさいことになってきましたね。安心してください、言ってみただけ。今覚えなくても大丈夫です。そして、これからもっと良いお話をします。

「NISA口座」(ニーサこうざ)

口座種類の選択が終わったら、NISA口座を開設するかどうかという選択をします。NISAとは何かというと、「少額投資非課税制度」(しょうがくとうしひかぜいせいど)といって、先ほどまでお話しした税金が一切かからないで投資と運用ができる制度です。

NISAについてはまた次回以降に詳しくお話しします。こんな制度があるなら利用しない手は無いですよね。NISAで投資できるものは限られますが、ぜひ口座開設してください。ただし、NISA口座を開設できるのは一箇所のみなので、複数の証券口座を開設する場合はどこか一つを選ぶことになります。証券会社によって取り扱い銘柄や手数料が違うので比較検討してみてくださいね。
他にも色々な種類の口座開設ができるのですが、後から増やすこともできるので、まずはここまででいいと思います。

以上、口座種類の選択と税金のお話でした。その他、証券会社によっては提携ネット銀行の口座開設を一緒にできるものもあります。SBI証券だと住信SBIネット銀行楽天証券だと楽天銀行など。預金の金利を上げられたり、その銀行口座から証券口座へ自動でお金を移してくれるサービスもあるなど便利なこともあるので、合わせて開設するのも良いと思います。

また、ポイントサービスも選択して、ご自分のスタイルに合わせてポイントを受け取ってくださいね。

マイナンバーカードがあれば口座開設方法もネットを選択し、本人確認も含めて入力順序に沿っていけば、あとは口座開設完了通知を受け取れば完了です。

お疲れ様でした!



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