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嫌いな花

好きな花は、薔薇や桜や蓮や百合みたく、色、形、香りがハッキリしている花。
恋人から贈られるなら、花言葉的にも断然薔薇の一辺倒。
嫌いな花なら、かすみ草。
理由は地味ビッチみたく、大人しそうな顔してしゃしゃってくるから。本当に霞むなら自ら霞草なんて、名乗りはしないでしょう。
「私って変わってるの〜」って言う奴だいたい圧倒的に普通な理論。

因みに私の母は、彼岸花が大嫌い。
理由は娘さん時代、彼岸の季節に兄と交代でお墓のお供えに薄暗い時間に一人で行かなければならなかったから。その時に田んぼに咲いていた赤い彼岸花が母の夜道を見つめていて、怖い気持ちの象徴になってしまったのだ。
この情景はいつか短編小説にでもしたい風景で。
子供の頃の会ったこともない母が、夜道でお供え品を抱きしめながら、泣きそうな顔で自宅から墓迄の道中を走る姿が私には見えるのだ。

職業、絵描き。何を描いてるのですか?と問われたら、一貫して
「人間の揺れ動く感情」
と答えてる。

めんどくさい相手には、適当に人物画とか抽象画とか動物とか言う時もありますが。ぷっ。
そう、私は人の感情を描きたい。それが、絵画でも文章でも、映像でも厭わない。
そんな信念を再認識する気持ち良き季節。

そんな季節の移り変わり、私は船に乗って島に来ている。初めての何も無い島だ。何も無いが、何も無いがある島である。


アミューズメントスポットも観光地も要らない。綺麗な海と美味しい魚と酒、ご飯、があれば幸せだ。

びっくりするくらい歩き、笑って、泣いて、食べて、呑んで、眠った。
人を幸せにする事なんてそんなもんで充分だと思える旅である。

朝日を見る為に、日常では考えられない時間に起き、高台まで澄んだ空気の中登る贅沢さにグッと来た。

宿に帰れば、旅館のお母さんが朝ごはん作ってくれる幸せ。

現地の猫と会話するのは旅の醍醐味。

季節外れのバカンスから、栄養付けて、また粛々とおつとめきばります。

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