2016年3月5日_10938_JST

日本一、数多くの新人作家を発掘した編集者が語る【文筆家・作家(をめざす人)がこれだけは最低読むべき文芸リスト400】

こんにちは。

お初の投稿になります。ライターの早川さや香と申します。
(1995年頃~執筆。最近の寄稿記事は、北日本新聞への出版事情コラムなど)。

小説教室の開催などもしております。ここでは文芸創作や医療健康記事の保存版をストックしていければと思っております。

ちなみに、世間一般では、文芸小説を読む人口は5% 程度だとか。

「活字離れガー‥」「出版不況で小説が読まれないノダ―」と言う方がいますが、小説なんて、大昔からそのくらいしか読まれていません。

むしろ、SNS等により「活字戻り」傾向にあるんじゃないかしら。
現時点で「小説」(ラノベ、エンタメ含む)を「書いている人」「投稿している人」は、全国で12万人以上にのぼるといわれ、その人口は一昔前の比ではありません。

しかし、「最近は、読む人より書く人が多い」という現状・・・。

小説は、「書かなければ読めない」「読まなければ書けない」よ。

と口酸っぱく仰しゃるのが、文芸編集者の根本昌夫という方です。

根本先生は、元『野生時代』『海燕』編集長として、よしもとばななさんや小川洋子さんなど、数多くの作家を発掘した、筋金入りの文芸編集者。

「日本一多くの新人を文芸作家デビューさせている」と言われていますが、昨年から先生の小説スクールを運営させていただいたところ、本当に毎年ポコポコと最終選考に残り、新人賞をとってデビューしていく。・・・ので、度肝を抜かれます。

でも、「読まなければ」とは、物量的には 何を、どのくらいの冊数?

そこで先生が小説志望者に提示している「最低限」のリストがこちらです。

皆さん、このうち、どのくらい読まれていますか? 


私は3/4くらいかもしれない。

と文筆仲間には言いましたが、ちょっと見栄です。おわびします。
本当は3/5あるか、ないかも。中には名前すら存じ上げない方も‥いました。
自分の、あまりにも読んでなさにびっっくりです。

これをプロ文芸作家の皆さんは、みんな読んでいるのか・・。

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【日本文学】
夏目漱石 以下を含み5冊(以下同)『吾輩は猫である』『こころ』
森鴎外   2冊 『即興詩人』
芥川龍之介 3冊 『歯車』
太宰治   3冊 『人間失格』『斜陽』
三島由紀夫 3冊 『金閣寺』『仮面の告白』『鏡子の家』『文化防衛論』
川端康成  3冊 『雪国』『掌の小説』『眠れる美女』
井伏鱒二  3冊 『黒い雨』『山椒魚』『さざなみ軍旗』
井上靖   3冊 『しろばんば』
安部公房  3冊 『壁』『砂の女』
遠藤周作  3冊 『沈黙』『海と毒薬』
吉行淳之介 3冊 『驟雨』『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『暗室』
開高健   3冊 『裸の王様』『輝ける闇』『夏の闇』
大江健三郎 3冊 『死者の奢り・飼育』『万延元年のフットボール』『性的人間』
中上健次  3冊 『岬』『十九歳の地図』『枯木灘』『重力の都』
宮本輝   3冊 『泥の河』『錦繍』
村上春樹  3冊 『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』『蛍』
村上龍   3冊 『限りなく透明に近いブルー』『コインロッカーベイビーズ』
沢木耕太郎 3冊 『深夜特急』
吉本ばなな 3冊 『キッチン』 
山田詠美  3冊 『ベッドタイムアイズ』 
江國香織  3冊 『きらきらひかる』
小林秀雄  3冊 『様々なる意匠』『私小説論』
吉本隆明  3冊 『共同幻想論』『転向論』

梶井基次郎 『檸檬』
中島敦   『李陵・山月記』
二葉亭四迷 『浮雲』
幸田露伴  『雪たたき』
島崎藤村  『破戒』
田山花袋  『蒲団』
岩野抱鳴  『放浪』
泉鏡花   『春昼・春昼後刻』
有馬武郎  『或る女』
志賀直哉  『暗夜行路』
武者小路実篤『真理先生』
谷崎潤一郎 『痴人の愛』『癇癪老人日記』
葛西善蔵  『子を連れて』
徳田秋声  『あらくれ』
横光利一  『機械』
岡本かの子 『鮨』
福田英子  『妾の半生』
尾崎翠   『第七官界彷徨』
円地文子  『女坂』
坂口安吾  『白痴』『堕落論』『夜長姫と耳男』
夢野久作  『ドグラマグラ』
久生十蘭  『黄金遁走曲』
藤枝静男  『田神有楽』
深沢七郎  『みちのくの人形たち』
野坂昭如  『エロ事師たち』『真夜中のマリア』
内田百聞  『冥途・旅順入戴式』
古井由吉  『杏子・妻隠』
後籐明生  『挟み撃ち』『吉野大夫』
金井美恵子 『兎』『岸辺のない海』
尾辻克彦  『肌ざわり』『父が消えた日』
高橋源一郎 『さようならギャングたち』『優雅で感傷的な日本野球』
上田敏   『海潮音』
萩原朔太郎 『月に吠える』
西脇順三郎 『あんばるわりや』
鮎川信夫  『橋上の人』
吉岡実   『四人の僧侶』
寺山修司  『田園に死す』
春日井健  『未成年』
塚本邦雄  『塚本邦雄歌集』
ねじめ正一 『脳膜メンマ』
正岡子規  『歌よみに与うる者』
石川啄木  『時代閉塞の現状』
南方熊楠  『私の履歴書』
柳田国男  『笑の本願』
九鬼周遊  『「いき」の構造』
花田精輝  『錯乱の論理』
中村光夫  『明治文学史』
竹内好   『近代の超克』
稲垣足穂  『少年愛の美学』
丸山昌男  『日本の思想』
安東次男  『与謝蕪村』
椎名誠   『哀愁の町に霧が降るのだ』『武装島田倉庫』
大岡昇平  『野火』『俘虜記』『レイテ戦記』
梅崎春生  『幻化』『桜島・幻化』
庄野潤三  『静物』
島尾敏雄  『夢の中の日常』『魚雷艇学生』『死の棘』
安岡章太郎 『海辺の光景』『流離譚』
阿部和重  『インディヴィジュアル・プロジェクション』
中原昌也  『あらゆる場所に花束が…』
平野啓一郎 『日蝕』
鈴木清剛  『ラヂオ・デイズ』
町田康   『くっすん大黒』
島田雅彦  『彼岸先生』
小林恭二  『ゼウスガーデン衰亡史』
佐伯ー麦  『木の一族』
奥泉光   『草と百合』
久間十義  『世紀末鯨鯢記』
織田作之肋 『夫婦善哉』
井上ひさし 『吉野吉里人』
田中康夫  『なんとなく、クリスタル』
田中小実昌 『ポロポロ』
福永武彦  『死の島』
池澤夏樹  『マシアス・ギリの失脚』
保坂和志  『この人の閥』
青野聴   『カタリ鴉』
三田誠広  『僕って何』
立松和平  『遠雷』
阿邦昭   『千年』
熊井千次  『五月巡歴』
田久保英夫 『髪の環』
山川方夫  『愛のごとく』
柏原兵三  『兎の結末』
高井有一  『立原正秋』
坂上弘   『野菜売りの声』
三木卓   『野いばらの衣』
小川国夫  『アポロンの島』
辻邦生   『廻廊にて』
北杜夫   『後家の人々』
丸谷才一  『裏声で歌へ君が代』
三浦哲郎  『モザイクⅡ』
石原慎太郎 『わが人生の時の時』
深沢七郎  『楢山節考』
三浦朱門  『箱庭』
小島信夫  『抱擁家族』
埴谷雄高  『死霊』
野間宏   『暗い桧』
武田泰淳  『ひかりごけ』
椎名麟三  『深夜の酒宴』
大西巨人  『神聖喜劇』
八木義徳  『風祭』
和田芳恵  『塵の中』
尾崎一雄  『虫のいろいろ』
立原正秋  『帰路』
石川淳   『焼跡のイエス』
五木寛之  『さらばモスクワ愚連隊』
橋本治   『桃尻娘』
庄司薫   『赤頭巾ちゃん気をつけて』
高橋和巳  『邪宗門』
丸山健二  『夏の流れ』
柴田翔   『されどわれらが日々』
李恢成   『百年の旅人たち』
色川武大  『狂人日記』
澁澤龍彦  『犬狼都市』
伊藤整   『氾濫』
花田清輝  『鳥獣戯画』
柳美里   『家族シネマ』
松村栄子  『僕はかぐや姫』
小川洋子  『余白の愛』
多和田葉子 『かかとを失くして』
川上弘美  『センセイの鞄』
笹野頼子  『二百回忌』
荻野アンナ 『私の愛毒書』
松浦理英子 『親指Pの修行時代』
内田春菊  『キオミ』
李良枝   『由煕』
中沢けい  『海を感じる時』
干刈あがた 『ウホッホ探検隊』
増田みず子 『シングル・セル』
津島佑子  『寵児』
木崎さと子 『青桐』
高樹のぶ子 『光抱く友よ』
林京子   『ギヤマンビードロ』
富岡多恵子 『波うつ土地』
吉田知子  『無明長夜』
村田喜代子 『鍋の中』
三枝和子  『響子変幻』
宮尾登美子 『擢』
倉橋由美子 『アマノン国往還記』
大庭みな子 『捕島草』
河野多恵子 『みいら採り猟奇譚』
高橋たか子 『装いせよ、わが魂』
瀬戸内寂聴 『比叡』
竹西寛子  『兵隊宿』
宇野千代  『おはん』
芝木好子  『貝紫幻想』
大原富枝  『アブラハムの幕舎』
野上弥生子 『迷路』
中里恒子  『時雨の記』
佐多稲子  『夏の栞』
円地文子  『女坂』
幸田あや  『木』
山崎豊子  『白い巨塔』
多木浩二  『天皇の肖像』

【歴史・時代】
司馬遼太郎 『梟の誠』『竜馬がゆく』
吉川英治  『宮本武蔵』『三国志』
柴田錬三郎 『(決闘者)宮本武蔵』『赤い影法師』
五味康祐  『柳生武芸帖』『秘剣・柳生連也斉』
山田風太郎 『伊賀忍法帖』『幻灯辻馬車』『警視庁草子』
山本周五郎 『長い坂』『樅の木は残った』『赤ひげ診療譚」『さぶ』
池波正太郎 『雲霧仁左衛門』
隆慶一郎  『一夢庵風流記』『影武者徳川家康』
藤沢周平  『橋ものがたり』

【SF・ホラー・ファンタジー】
筒井康隆  『脱走と追跡のサンバ』『夢の木坂分岐点』『虚構船団』『残像に口紅を』『家族八景』
小松左京  『果てしなき流れの果てに』
眉村卓   『ねじれた町』
光瀬龍   『百億の昼と千億の夜』
平井和正  『狼男だよ』
梅原克文  『二重らせんの悪魔』
山田正紀  『宝石泥棒』
瀬名秀明  『パラサイトイヴ』
新井素子  『あたしの中の…』
川又千秋  『幻詩狩り』
佐藤正午  『Y』
栗本薫   『レダ』
高橋克彦  『総門谷』
恩田陸   『光の帝国』
鈴木光司  『リング』
小池真理子 『プワゾンの匂う女』
半村良   『石の血脈』
星新一   『ノックの音が』
貴志裕介  『黒い家』

【ミステリー】
松本清張  『点と線』
横溝正史  『犬神家の一族』
江戸川乱歩 『パノラマ島奇譚』『D坂殺人事件』『人間椅子』
宮部みゆき 『龍は眠る』
東野圭吾  『百夜行』
天童荒太  『家族狩り』
西沢保彦  『七回死んだ男』
島田荘司  『異邦の騎士』
井上夢人  『ダレカガナカニイル』
柴田よしき 『RIKO―女神の永遠』
綾辻行人  『十角館の殺人』
折原一   『沈黙の教室』
土屋隆夫  『危険な童話』
新津きよみ 『流転』
北村薫   『スキップ』
井沢元彦  『狼火幻視行』
小峰元   『アルキメデスは手を汚さない』
京極夏彦  『魍魎の匝』
篠田節子  『ゴサインタン』
有栖川有栖 『月光ゲーム』
二階堂黎人 『悪霊の館』
乃南アサ  『凍える牙』
法月輪太郎 『―の悲劇』
森村誠一  『高層の死角』
山ロ雅也  『ミステリーズ』
連城三紀彦 『戻り川心中』
高村薫   『マークスの山』
中島らも  『ガダラの豚①~③』

【ハードボイルド・冒険小説・ノワール】
船戸与一  『山猫の夏』『猛き箱舟』
志水辰夫  『裂けて海峡』
大沢在昌  『新宿鮫』
原寮    『私が殺した少女』
北方謙三  『檻』
真保裕一  『ホワイトアウト』
打海文三  『されど修羅ゆく君は』
内山安雄  『上海トラップ』
大薮春彦  『野獣死すべし』
小川竜生  『桜と龍』
香納諒一  『炎の影』
今野敏   『陽炎』
藤田宣永  『銅像の騎士』
樋口明雄  『狼は瞑らない』
稲見一良  『ダックコール』
東直己   『残光』
谷恒生   『喜望峰』
白川道   『流星たちの宴』
佐々木譲  『エトロフ発禁急電』
福井春敏  『亡国のイージス』
藤原伊織  『テロリストのパラソル』
森詠    『冬のつばさ』
馳星周   『不夜城』
風間一輝  『男たちは北へ』
花村萬月  『ブルース』
結城昌治  『ゴメスの名はゴメス』
浅田次郎  『プリズンホテル』
阿佐田哲也 『麻雀放浪記』
生島治郎  『追いつめる』
逢坂剛   『カディスの赤い星』
菊地秀行  『魔界都市《新宿》』
夢枕獏   『神々の山嶺』
熊谷独   『最後の逃亡者』
黒川博行  『封印』
多島斗志之 『密約幻書』

【海外文學】
ヘミングウェイ    『武器よさらば』
ヘツセ        『車輪の下』
ゲーテ        『ファウスト』
トーマス・マン    『魔の山』
ポー         『黒猫・黄金虫』
アーヴィング     『ガープの世界』
カフカ        『審判』『城』
カミュ        『異邦人』
カポーティ      『テイファニーで朝食を』
シェイクスピア    3点
スタンダール     『パルムの僧院』(大岡昇平訳限定)
ドストエフスキー   3点
T・ウィリアムズ   『欲望という名の電車』
メルビル       『白鯨』
サルトル       『嘔吐』
P・オースター    『孤独の発明』
ブコウスキー     『町でいちばんの美女』
ケン・フオレット   『大聖堂』
ルシアン・ネイハム  『シャドー81』
コナン・ドイル    『緋色の研究』
モーリス・ルブラン  『奇岩城』
J・グリシャム    『ペリカン文書』
スティーブン・キング 『ゴールデンボーイ』
ジェフリー・アーチャー『百万ドルをとり返せ』
クイーン       『Xの悲劇』
セルバンテス     『ドン・キホーテ』
フローベール     『ボヴァリー夫人』
ポー         『アシャー家の崩壊』
ゴーゴジ       『外套』
ナボコフ       『ロリータ』
サリンジャー     『ライ麦畑で捕まえて』
サド         『悪徳の栄え』
セリーヌ       『世の果ての旅』
バタイユ       『眼球譚』
ロプ=グリエ     『嫉妬』
ボルヘス       『伝奇策』
マルケス       『百年の孤独』
魯迅         『阿Q正伝』
ジュネ        『泥棒日記』
プーアスティン    『幻影の時代』
バフチン       『ドストエフスキー論』
フロイト       『精神分析入門』
ニーチェ       『善悪の彼岸』
マルクス、エンゲルス 『ドイツ・イデオロギー』
バタイユ       『エロティシズム』
ロラン・バルト    『神話作用』
ベンヤミン      『複製技術時代の芸術』

ソクラテス、プラトン、アウグスティヌス、ルソー、デカルトカント、ヘーゲル、キルケゴール、ベルクソン、レヴィ・ストロース、ソシュール、チョムスキー、デュルケーム、マンハイム、フーコー、デリダ、ド・マン…から啓蒙書・入門書(○○新書など)を、時代をバラして10冊、原点の翻訳を3冊

【文芸評論】
柄谷行人  『近代日本文学の起原』
蓮見重彦  『反=日本語論』
浅田彰   『構造と力』
江藤淳、秋山駿、三浦雅士、加藤典洋、渡部直巳…などから5冊

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