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おうちでできる感受性をたかめる芝居エクササイズ

あの柔らかくて軽やかな空気で

みんなが新しい場所で弾み出すような

ワクワクする季節

あの気持ちの高まりを伝えたくて

説明しようとする。

けどそれを、

「春」

と言葉にしてしまったら

あのワクワクする空気感は消えて

記号としての「春」だけが残ってしまい

そこにあるのは既成概念。

その人の言いたかった「はる」ではない。

そんなことが日常生活で起こるのは仕方がないことだけど

舞台の上ではこの感覚を失いたくない物です。



ん、なんの話?笑


というわけで、

簡単なエクササイズ。

このエクササイズ中は

とにかくゆっくり動いてください。

ではスタート!


コーヒーか緑茶をコップかマグカップに入れてみましょう。

まずはカップの取手を触ります。

重さを確認。

肌触り、

そして、中の液体による温度の変化を確認。

ホットなら立ち上る湯気を感じて、

アイスなら冷たさを感じるまで顔を近づけて。

今度は色を見てみます。

コーヒーは黒、と思っていませんか?

コップに面してる部分は色が違うし、

光を反射して白い部分もあるはずです。

黒の中でも茶色に近いものもあります。

グラデーションを発見しましょう。


そして、一口

・・・飲みましたね。

ここで質問!!


いつまで目線を飲み物に落とし、いつ目線をあげましたか?

味が先でした?唾液が先でした?

唾液はどこから出てきましたか?

飲み込む軌道を感じられましたか?

飲み終わった後、ホッと息を吐きましたか?

香りが先でした?鼻からの呼吸が先でした?


質問責め、失礼しました笑


ぼくがニューヨークで教わっていた91歳のおばあちゃん先生がいつも言うことは

「思い込むな」

ということ。

先生は91歳でも日々新しい発見をしていました。

「シロー、カリフォルニアロールが美味しいことに気づいたの、ダイエットコークと合わせてランチにしたいから買ってきて!」

「うちの壁の木目の中にムンクの叫びみたいなのがいたの!」

というふうに。

日々、新しく過ごすこと

コーヒー一杯のなかでも発見すること。

役者としての目線を持つことを教わりました。

その先生とのクラスで

「恋」はこんなもの

「青春」はこんなもの

「裏切り」はこんなもの

「妻」はこんなもの

「旦那」はこんなもの

そんなような「芝居」はこんなものだ

という思い込みのワークを見せたら

容赦なく

「I don’t believe your words!!」

と怒られました。


こんな時期だから、

家で木目を見直したり

一口をしっかり五感で味わったり

「春」という言葉を使わず「はる」を伝える練習

してみませんか?


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