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ひろゆき氏は民放でコメンテーターをしてもいいのか?

今やyoutube liveで話題の正に飛ぶ鳥を落とす勢いのひろゆきこと西村博之氏。論破王と称されyoutube live内でスーパーチャットと呼ばれる投げ銭と共に投稿された質問にズバッと答えていく内容が好評だ。元々Abema TVではコメンテーターとしての出演はあったが、最近ではTBSサンデージャポンにもリモートや一時帰国中に生出演するなど民放への出演機会も増えていく。ただしひろゆき氏が日本で活動するにはある問題を抱えている。

多額の賠償請求への支払いが確定している

インターネットで調べればいくらでも情報は出てくるが、過去運営していた「2ちゃんねる」に関する掲載内容の削除依頼に関わる民事訴訟で多額の賠償請求への支払いが確定しているのだ。これに関しては2ちゃんねるのコンセプトを守るために決断した英断だと言えなくもないがこの判決への対応に問題性を感じる。

財産は十分にあると想定されるがほぼ一切の賠償請求に応じていない

上記のような判決が出ているにもかかわらず、一部差し押さえられた財産はあったようだがひろゆき氏はほぼ一切の賠償請求に応じていないのだ。ひろゆき氏に賠償能力がなければ話は違ってくるのだがどうやらそうでもない。本人も財産はあること、財産は差し押さえれないように対応していること、さらに時効まで10年逃げ切れば勝ちと明言しているのだ。まさに彼が今は日本ではなくフランスに住んでいるのもこの賠償から逃れるためためと言うのもその理由の一つであろう。

法的にはは問題ないのか?

法的な部分、こと刑事事件的に問題があるかどうかというと、債務者が差し押さえを逃れるために故意に財産を隠したとされれば強制執行妨害目的財産損害罪にあたり、有罪となれば3年以下の懲役又は250万円以下の罰金、もしくはその両方にの刑事罰が処せられる可能性がある。ただしこれは今の所起訴すらされていないため今のところは問題がないと言ったところである。

ただし倫理的にはどうか?

この世の中はもう法的にOKであればOKと言うわけではないのだ。ひろゆき氏が行ったことが正当化されてしまう世の中であればどうなってしまうのか。簡単に言えばSNSに投稿された内容に関して、削除請求が通ったとしても削除されず、それに対する損害賠償請求を起こして請求が通ったとしても支払われないのだ。例えばあなたを侮辱する事実ではない投稿た成されたときに、SNS側が一切の要請に答えてくれないと言うことである。理由は、賠償請求を受けても払う必要がないからである。ただし、賠償を無視して国外に逃げると言うのはある種個人にしかできない芸当であり、twitterやFacebookなど大きなSNSであればまずこう言ったことにはならないだろう。

民放で逃げ得論者をコメンテーターとして呼ぶのは適切か

ひろゆき氏はいわゆる逃げ得論者である。youtube liveの中で失点しても負けない私は最強であると豪語している。視聴者にも日本でどんなに賠償請求のような失点をしたとしても、その請求が届かない海外で住んでいく能力があるのであればそれは勝ちだと言う論を展開する。10億円稼ぐために30億円の損害賠償請求を受けてもそれは逃げられれば勝ちであると言うことだ。個人としてyoutubeでこのような意見を述べる分には個人の自由かもしれないが、この様な逃げ得論者を民放の報道バラエティ番組であるサンデージャポンがコメンテーターとして起用していることに少し違和感を覚える。

例えば刑事民事の違いはあれど世の中には逃げ得とされてしまっている事件は数多く存在する。飲酒運転による接触事故であれば、翌日にお酒が抜けた後に出頭することで飲酒の部分を隠蔽できるため刑が軽くなったり、そもそも事件を起こして国外逃亡することが正とされてしまうのは社会にとってあまりにも不利益である。まさかひろゆき氏は民事ならいいけど刑事事件ではダメ、とでも言うのか。

そんなこんなでサンデージャポンおよびそのスポンサーに問い合わせをしてみた

論破王ならぬ踏倒王ひろゆき氏をコメンテーターとして起用すると言うことはひろゆき氏のこれらの行為を社として容認しているのかと言う趣旨の問い合わせを行った。まず回答が返ってくるかは疑問だが返信があり次第その内容を含め記事にしようと思う。

終わりに

記者は別にひろゆき氏が嫌いというわけではない。2ちゃんの賠償請求に関しては、冒頭にも書いたが2ちゃんねるの持つ特性(匿名性と自由な言論)を守るための英断であった可能性は否定しない。そしてネット民の中にはこれを支持する人も多いのではないかと思う。ただこれはアングラネット民の中の話で、民放でこれをよしてしてしまうのはいかがなものかと思う。

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