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division2 爆撃エージェント出動

休暇を過ごしていた如月、ニックネームはKISSSHOT
ビリヤードが得意な事もあったが、狙撃を得意としており、
まるでお休みのキスをするように静かに1人1人沈める様から
ついた通り名でもあった。

その音は優しい音色だったが、バイブならぬ電気刺激が
右腕をジンジンさせた・・・『必ず出ろって意味だろうけど、ほんとこのビリビリすんのだけは嫌いだわ』そう呟きながら応答する。

出撃命令だった。

『はぁ?あそこはラビットとSTEELと新人のパイロンの3人で充分だって話しだったろ?はぁ?新人には無理だ?だからラビットとSTEELを付けたんだろ?あの2人がいればあんな廃公園に1、2小隊潜んでても楽勝だろさ』

『え!?情報が間違っていたって?どーゆーことよ、はぁあ!!???小隊どころかターゲットがいるって?ってことは・・・あの計画も?マジかやっぱ大統領追うのか!面白くなってきやがったじゃねーの!で?私には何人つけてくれんの?は?私一人?バッカじゃねーの!?ならアーティレリータレットで行くかんな!あんなクソ遊園地穴だらけにしてやるかんな!』

『クッソ!!!!』

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『本部から連絡が入った・・・如月がコーヒーテイクアウトしてコッチくるってよ』ラビットが困惑の表情から一気に笑顔になり、2人に伝える。彼は情報管理に長けており、MAPはもちろん銃や装備、スキルやタレントに至るまで事細かに把握しているエージェントだ。

『助かりました、あの人が来てくれたら戦力も上がりますね、いや爆上がりです、きっと盾構えて前線押し上げてくれますよ!うん!』右手でグーを握りしめ、何度も何度もそのグーを振り回しているのはSTEEL。彼女はエージェントになりteamZEROに配属になってまだ日が浅く、経験を積んでいると言った血気盛んなお年頃。危機管理能力はまだまだ低いものの、周囲をよく見て色々なフォローが出来る状況判断の良さは如月もラビットも信頼を寄せている。

『申し訳ございませんが!その如月って方は軍隊連れて来てくれるんでしょうか!』半分泣きそうな顔で銃を逆さまに構えているのはパイロン。STEELよりも経験が浅く、未だにタレットってサプリでしょうか?スキルとは炭酸ドリンクの事でしょうか?という質問をしている状態と言えばご理解いただけるかとは思う。しかしそんな一見まだ使えなそうな彼女を驚異的な早さで現場へ連れ出しteamZEROへ引き入れたのはラビット。彼はパイロンの持つ怖いモノ知らずが故の現状打破能力を見抜いていた。死なない為の行動はとことん叩き込まれているが、彼女の『GO』は百戦錬磨のteamZEROの誰よりも早いのだ。そして足が速い。まとめると、怖いモノ知らずで足が速い。
一見使えなそうだが、このGOの速さで戦地の流れを変えた事実がある以上、ZEROのメンバーは彼女を認めている。

ラビットが答えた

『teamZEROは現状5人、この3人とあと2人、そのうちの1人が如月だ、言って置くが以前お前は如月とタイダルベイスンで戦って勝利している。』

『え?あの時は3人でしたよね?』

『ふふ、いたよ、お前の3km後ろにな。』

STEELが割って入る
『あの時の狙撃、私の耳をかすめましたからね!何度も!でも今日はきっと緊急で呼んでるのでアサルト仕様ですよ、きっと。』

その時隠れる3人に迫る敵の3小隊が吹き飛んだ。
ドゴーン!バゴーン!ドガーン!

『うわっ!ペッペッ!口に砂が!空爆ですか!?』
土で真っ黒い顔になったSTEELが目を細めながら問う。

『私の爆撃に巻き込まれないように突っ込め野郎ども!』
その声に振り向く3人が見たのは、木の陰に隠れてアーティレリータレットを操作している如月だった。。。。

『待ってたぜ如月』
ラビットが中指を立てる。

『如月さん!クレイジー過ぎますよ!』
STEELが中指を立てる。

中指を立てながら如月がその中指を前に向けながらこう言った。
『パイロンはもう走ったぜ』

パイロンを追う2人を笑いながら見つめ、
コーヒーを飲む如月だった。


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