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沈まぬ太陽 ドラマ版

国民航空の労働組合委員長・恩地元(上川隆也)とその同志で副委員長の行天四郎(渡部篤郎)は、劣悪な労働環境の改善を目指すが、経営陣と激しく対立。それでも空の安全を第一に考え、愚直に行動する恩地は、次第に経営幹部に疎まれ、海外の僻地へと左遷されてしまう。一方現実主義の行天は恩地と決別し、会社上層部に取り入りながらも自らの理想の会社像を追い求め出世していく。やがて、空の安全を軽視した国民航空は大型旅客機の墜落事故という未曽有の惨劇を引き起こす。日本政府は国民航空の建て直しのため、関西紡績の国見にトップ就任を要請。会長に就いた国見は恩地を会長室部長として呼び寄せ、組織の不正の数々を調査させる。恩地は失墜した会社の再生を信じて奔走するも、その前に立ちはだかったのは常務にまで上り詰めた行天だった―。

沈まぬ太陽』(しずまぬたいよう)は、1995年から1999年に『週刊新潮』で連載された山崎豊子による3編に亘る長編小説。

これぞ企業戦士と言う昭和な展開なので、少々やり過ぎ感が強くて正直自業自得に見えてくる描かれ方が気になった。戦いを挑むと言うより、調子に乗って上に噛みついたら睨まれて海外に飛ばされちゃったって印象になっちゃってるのが勿体なかった。直ぐに飛ばされ、見せしめ人事や不当人事、可愛がられれば楽な部署や出世コースをトントンと駆け上がれる。こういう展開は普通に面白いのだけれど、池井戸さんの作品とどうしても比べてしまう。池井戸さんの作品には歯を食いしばって立ち向かってひっくり返す熱さがあるけれど、こちらは全体的に上層部のやり口が陰湿で、主人公も熱量が低い。静かなる闘志と言えば聞こえは良いが、この作品では『良い人』ってイメージしか感じないのが残念。

ただし、ドラマとしては毎回毎回本当に楽しめるので、どうなの?と言われればお勧めはしないけど私は『嫌いじゃない』と答えるかな。

勝手に私が描いていたイメージと違ったので楽しめたのかもしれない、もっともっと社会派で政府やなんかを相手に地味ぃな言葉の応酬でとある会社を成功に導く…なんかを想像していたのでね。

主人公がどうのこうのより、追い詰められた主人公を導く良い人にグッとくる作品でした。

行天四郎の奧さんが一番ムカつく。


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