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#週一文庫「知られざる天才 ニコラ・テスラ」新戸 雅章

一番面白かったのは、P43-45 天才と直感 - 回転磁界

「燃える空を見上げながら歩いていたテスラの足が不意に止まった。(中略)テスラは興奮した子供のように叫んだ。説明が進むにつれ、シゲティはその概念の美しさに圧倒された。二人は公園に残ってその機会が開く無限の可能性についていつまでも論じ合った。(中略)交流モーターの実用化が専門家の間で疑問視されていたわけは、交流モーターが直面する技術的難題にあった。(中略)テスラが考え出したのは、二組の交流を流して、回転する磁場をつくることだった。その中に鉄製の回転子を置けば、磁場の回転に引きずられて回転子も回りだす。その回転は滑らかで、始動のための余分な仕掛けも必要なかった。これがテスラ最大の発明と称えられる「二相交流モーター」である。」

正直、技術的な難題がどんなもので、なぜテスラのやり方ならばそれが解決されて、それがどれほどすごいことなのか、知識的に全くついていけなかった。YouTubeで、技術解説の動画を探してくるも、それでもやっぱりどんな発明なのかはよくわからない。

それでも、澱みなくその発明の概要について語られる様が、美しく、おもしろかった。

こういった、ひらめきが訪れる瞬間には、往々にして一気に言葉が流れていくシーンがつきものな気がする。今回のような発明についてのひらめきの場合もそうであるし、ミステリー小説で犯人が(あるいはトリックが)わかった場合もそうであると思う。実際に自分が何某かのアイデアをひらめいたときも、ワッと言葉をノートに書き殴ることが多い。そういう状態に重ね合わせてか、こういった言葉がワッと流れていく瞬間が好きだ。

ただ、大概そういうひらめきに到るまでは、気分の悪いほど悩んでいるという時間が延々と続くものだから、その部分はかなりキツい。ジェットコースターでコースターが頂上に向けて登っていっている時ぐらいキツい。やだなあ。ポンポンとアイデア出せるようにならないかなあ。と悩み続けているのが今の状態なのかなと思う。広告人仕事は、かなりキツい。


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