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HIGH-MACS Tactics 2 シナリオ背景集

『HIGH-MACS Tactics 2』製品版の各シナリオ冒頭に記載予定の背景集をお届けします。
 今作はAPC軍とAFTA軍との戦いが中心になっており、原作再現との兼ね合いからシナリオ数が少なくなってしまいました(その分価格を少し抑える予定です)。シナリオは2単体で遊べるものだと4本です。
 このほか連結シナリオ『モンゴル大戦車戦』と『ノルマンディー上陸』の2本を入れて計6本(と練習用シナリオ)で販売予定です。

※前作の背景集をご覧になりたい方は以下のリンク先からどうぞ。
HIGH-MACS Tactics シナリオ背景集


プロローグ

 異常気象、食糧危機、エネルギー危機・・・
 21世紀初頭。世界は汎ヨーロッパ連合(PEU)・アメリカ自由貿易地域(AFTA)・アジア太平洋共同体(APC)・アフリカ統一機構(OAU)の四極に分裂していた。
 政治経済の対立。そして、世界各地に頻発する局地紛争。豊かな緑の大地は、今はもうない・・・

(『ガングリフォン』オープニングより)


シナリオ8 アメリカ海兵隊上陸

(2015.8.13 中国江蘇省連雲港)

 戦争の長期化により困窮する中国経済。未遂に終わったクーデターは国内の不満だけに止まらず、APC諸国の離反へと拡大していた。またPEUに於いても、戦場が欧州から遠く離れるに従い厭戦の気運が高まっていた。そんな中、他経済圏との不干渉を掲げてきたアメリカが、自由の擁護と各国の独立支援の名の下に、再び「世界の憲兵」を宣言したのだった。
 8月7日、APC軍に対して宣戦布告と共にミサイル攻撃及び奇襲作戦を各地で実行。日本の八八艦隊を含むAPC軍の海、航空戦力を事実上壊滅させると、中国の連運港に対して上陸作戦を敢行した。


シナリオ9 カウンターアタック

(2015.8.17 中国山東省タンチェン)

 連雲港へ上陸したアメリカ海兵隊と、第101空中突撃師団のヘリボーン作戦による挟撃を受けた中国軍は、撤退路の確保も叶わず壊滅の危機にあった。急遽第504機動対戦車中隊へ下された命令は「敵後方に空挺降下を行い、脅威となっているアメリカ第101空中突撃師団と、第82空挺師団が展開している航空基地を逆占領せよ」という無謀なものだった。それはあまりに状況を無視した要求であり、詰まるところ彼らは中国軍の撤退を助けるための囮として選ばれたのである。だが皮肉にもそれは、敵にとって想定外の奇襲となった・・・


シナリオ10 ヘルズハイウェイ

(2015.9.9 中国山東省チーナン)

 米国の参戦により英国はPEU離脱を決め、AFTA軍の傘下に入った。欧州への足掛かりを得たAFTA軍は大方の予想に反し、APC降伏前の欧州侵攻を決定。9月2日にノルマンディー海岸への上陸を開始した。これを好機と見たAPC軍は動揺するPEUへの反撃により万里の長城京包線を安定させると、崩壊しかけていたAFTA軍との戦線回復にも一定の成果をあげる。しかし圧倒的な火力を誇る米軍が相手では、形ばかりの防衛線は気休めでしかなかった。最後まで奮戦した日本外人部隊第103機甲師団、第1空中機動師団も遂に日本への退却を決め、己の生存を賭けて沿岸部を目指した。
 黄河を目前にした時、そこは最初のゴールテープとなるはずであった。しかし彼らを待ち受けていたのは激しい砲撃と、対岸で息を潜めるLOSAT部隊。何より最大の脅威、HIGH-MACSだった。


シナリオ11 脱出

(2015.9.12 中国河北省~内蒙古)

 第504機動対戦車中隊の活躍により辛うじて黄河の渡河に成功した日本外人部隊であったが、既に第1機動師団は壊滅し、戦力を半減した第103機甲師団を残すのみとなっていた。また北京南方を最終防衛ラインとした中国軍も敵の突破により潰走の末、脆くも瓦解し、沿岸を目指す日本外人部隊の脱出口も閉ざされてしまう。
 包囲下の日本外人部隊に対し、米軍はMLRSによる地雷散布と容赦のない砲火を加えて殲滅を図る。もはや全滅は必至と悟った日本外人部隊司令部は、守りの薄い内蒙古の険しい渓谷地帯に一縷の望みを託すこととなった。
 第504機動対戦車中隊は退路確保のため、斥候部隊と共に渓谷地帯を進む。付近には彼らを苦しめてきた重砲部隊の存在も対砲レーダーにより予測されており、兵士の奥底にも滾るものがあった。この動きにはさしもの米軍も虚を突かれるが、精鋭第82空挺師団指令部の反応は早かった。高機動部隊とスクランブル可能なVW-1を急派させ、後続部隊の初動を遅らせるべく牽制攻撃を仕掛けてきたのだ。それは本隊の降下準備が整うまでの時間稼ぎでもあった。
 渓谷地帯で起きた牽制部隊と斥候部隊の衝突は、日本外人部隊の命運を握る最後の戦いとなるのだった・・・


連結シナリオ1 モンゴル大戦車戦

(2015.5.15 ウランバートル)

 ノボシビルスク陥落後も粘り強い戦いを続けるAPC軍であったが、機動戦に適した草原へ戦場が移り変わると状況は一変する。北京を目指すPEU、ロシア大機甲部隊に対し、祖国を戦場にしたくない中国軍もまた機甲戦力を掻き集め、ウランバートル東南100㎞の地点で両軍が激突した。戦闘車両1万にも及ぶ、史上最大の戦車戦の幕開けである。


連結シナリオ2 ノルマンディー上陸

(2015.9.2 コタンタン半島)

 英国のPEU脱退と米英同盟の締結は、AFTA軍の欧州侵攻がそう遠くないことを予感させた。アジアでの戦いで消耗したPEU軍総司令部は、現代版バトル・オブ・ブリテンとも呼べるミサイル、航空戦でAFTA軍の気勢を削ごうと図るも失敗に終わる。それどころかPEU首脳陣の希望的観測を嘲笑うように、D-デイはAPC降伏前に突如訪れたのだった。


 以上になります。
 残念ながら(1、2のラストステージを除外しても)原作全てを網羅というわけにはいきませんでした。
 キエフの市街戦については前回書きましたが、コラ半島の雪原シナリオについても専用のマップが必要と思われたので断念しました。シジバラーニに関しては、(コラ半島シナリオでも言えることですが)見晴らしのいい砂漠地帯に次々と現れる敵からヘリを護衛というシチュエーションが難しいと感じたので棚上げしています。
 全体的にガングリフォンは2の方が特殊任務の色合いが強く、対して1は純粋な戦場という感じでウォーゲームに落とし込みやすかったです。
 個人的には1も2も等しく好きなのですが(ブレイズもゲームとしては嫌いではありません)、1が絶対という人がいるのも少しだけ分かるような気がしました。

2023.6.22 克太弾

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