ALMAの稽古vol.5
studioALMAの劇団員に課された「桜」をテーマとした踊りの「創作」。
最後は小高愛花作「思い出と桜」です。
ショパンのエチュード「エオリアン・ハープ」の
流れるようなピアノの音色とともに、愛花さんが優しい笑みを
たたえて現れます。
風に舞うように軽やかに回ったかと思えば、今度は植物の芽吹きのように
伸びていきます。
まるでつぼみが膨らみ、花開き、風に乗って舞い上がるようです。
愛花さんの表情と舞から、ともに思い出をたどるような気持ちになります。
どんなすてきな思い出なのだろう。
自由を享受するように跳ね回っています。
桜の妖精のよう――。
花びらを振りまきながら、思い出をよみがえらせていく妖精。
大切に手のひらにおさめた花びらが不思議な手の動きでくるくると踊り、
思いとともに空へ向けて開きました。
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「桜」のテーマからイメージを膨らませていったそうです。
そのイメージに合う曲がまさにエオリアン・ハープだったといいます。
「思い出」の中の桜のことを尋ねてみました。
小さい頃に住んでいた家の近くに神田川がありました。
春になると満開の桜が並びます。
年齢を重ね、久しぶりに訪れても桜はずっとそこに咲いていてくれるんですよね。
月日が流れ、年齢も街も変化していく中で、桜だけは毎年変わらずにいてくれるような気がして……。
桜の木の下で幼い頃のわたしと再会するような、そんなイメージでした。
――ああ、あのすてきな表情は、そんな思い出からなのですね。
「幼い頃の記憶を思い出しながら、桜と共に遊ぶ時間が表情に出ていたのかな」と話してくれました。
‥‥……‥‥‥‥……‥‥‥‥……‥‥‥‥……‥‥‥‥……‥‥‥……
あの不思議な手の動きが美しくて、その振りはどのようにして生み出されたのか尋ねたところ、
「頭の中である程度、踊りをイメージしてから実際にやってみる」のだそうです。
やってみると、想像と違ったりもするため、
「鏡の前で試行錯誤しましたね。自分の伝えたいイメージを体現できるまで」と笑います。
「風が吹くと桜の花びらが一気に舞う様子を、どうしてもやりたかったので。手のひらを花びらのように使ったり……」鏡の前で真剣に繰り返し手を動かしてみる愛花さんの姿が目に浮かびます。
この真摯に踊りに向き合う姿勢が愛花さんなのだな……と思います。
感想を尋ねると、
「とても良い時間だったなと感じました。創作段階も、発表の場も。振り付けを通して自分や周りのものと向き合うことができました」
また機会があれば……
「かなしみや苦しみなど、あまり表に表現することのできない部分なども
やってみたい」と話した愛花さん。
すてきな愛花さんを見ているだけで、夢が膨らんでいきます。
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【劇団員募集中】
studioALMAは、子どもも大人も楽しめる「オリジナルの舞踊劇」
を創作・上演する団体です。
入団要件
・毎週日曜日11〜13時の定期稽古に参加できる方
場所:西武新宿線「野方」駅より徒歩5分のスタジオ
※定期稽古は舞踊稽古が主となります
※公演前は稽古が増えます
・演技・舞踊の経験、年齢は問いません
・入団希望者は面談あり
studioALMAのこれまで————
2021年4月〜 俳優のための舞踊教室開催
2021年9月 YouTubeにて映像作品「約束の化石」を無料公開
2022年5月 スタジオアルマの舞踊劇「団長は怒らない -流れ星サーカス団物語-」(作・演出:小泉憲央)公演
2022年9月 舞踊劇団化
2022年11月 全児演公演
2023年3月 スタジオアルマの舞踊劇「風の中の青い馬 -流れ星サーカス団物語-」(作・演出・振付:小泉憲央)公演
2023年8月 スタジオアルマの舞踊劇「ラヤの夢-流れ星サーカス団物語-」(作・演出・振付:小泉憲央)公演
2024年3月 スタジオアルマ所沢出張公演「風の中の青い馬 -流れ星サーカス団物語-」(作・演出・振付:小泉憲央)公演
ご興味のある方は、studioalma.meteor@gmail.com まで、お気軽にお問い合わせください!
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