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日常に潜む美しさを見逃さないために

僕は今までの24年間の写真人生においていったい何枚の写真を撮って来たのだろう。何十万、何百万、何千万、もしかすると億まで達しているかもしれない。それはさすがに大げさという気もするし、正確な数字はわからないけれど、とにかく莫大な枚数を撮影して来たことだけは間違いない。実際にお会いしたときに何人かに目の前に広がる日常の風景を撮影するときにどのような思考で撮るべき場面を選んでいるか?というような玄人な質問をもらったことがある。その質問に対して経験ということ以外に明確な答えがなく、ずっと気になって心の隅に引っかかっていた。それがさっきこの光景を目にしたとき、今まで大量に撮影して来たことで、この場面を撮影したら良い写真になるということがわかっているから選択できるのかもしれないと思い、そのことについてディテールを書き殴ってみようと思う。

January 10,2024

プロの写真の世界に足を踏み入れたのは今から21年前。当時、都内随一の厳しさで有名なレンタルスタジオのスタジオマンとしてだった。そこではファッション雑誌や広告など様々な撮影の現場を見ることができた。技術的な面では色んなフォトグラファーのライティングを貪欲に吸収して来た。自分が好きな光もそうでない光も作ることができるようになることで、引き出しの数が増えた。被写体に対して光を前から当てるのか、横から当てるのか、後ろから当てるのか。光の高さや角度、被写体との距離によってどのように結果に影響が出るのか。光源だけでも数十種類あり、その中から最適な質感と影を生み出す光を選択していく。さらにファッションフォトグラファーとしてのキャリアの中で、どの光をどう撮るとどういった仕上がりになるのかということが経験値として積み上がって行く。そうした光と影に対する素養が現在、街に出たときにこの光はあのライティングに似てるなとか、この影のグラデーションが綺麗だなという感覚に結びついていて、そうした瞬間にシャッターを切っているんだなとふと気づいた。

レトロな建物に射しこむ光の美しさ

もちろん光と影だけではなく、シャッタースピードや絞り、構図やトーン、コンセプトなど写真を構成する要素は数多い。まだまだディテールを書き連ねることはできるけれど、長くなるので今回はこのあたりで。また別の機会を楽しみにしていて欲しい。ここまで読んでくれてありがとう。それじゃ、今日もクリエイティブな1日を!

*2024年1月10日にXにポストした内容を加筆修正


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