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土木の風景

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今までに出会った「土木の風景」についてFaceBook投稿や、冊子に投稿した記事などを寄せ集めました。興味のあるかたは、のぞいていってくれると嬉しいです。
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#写真

西田橋との再会

1ヶ月くらい前、NHKで再放送やってる「篤姫」を見てたら、西田橋が出て来て、無性に鹿児島に行きたくなり、本日、新幹線を使った日帰り旅行を決行。 詳しい説明は省くけど、西田橋は、30年くらい前、移設か現地保存かの議論に関わったことがあり自分にとって思入れの強い橋。 公園に移設されて、橋の下で子供が楽しそうに水遊びをしているのを見てぐっとくるものを感じる。あの頃の私は移設反対派で、いろいろ顰蹙なことをやったんけど、この未来に繋がったわけね。。と、感傷に浸る。 「これはこれで橋

続:上陽町「ひふみよ橋」の運命(2021ponte投稿)

 転勤で東京から九州の人になったのは九年前の平成二四年。その年の七月に福岡・熊本・大分県に大きな被害を与えた九州北部豪雨が発生。私はそのまま若干ながらも福岡県八女市の復興に関わることになった。  平成二五年に発刊したポンテ39号では、当時の被災の状況と八女市の観光資源、上陽町のひふみよ橋が受けた被害についてレポートをしたが、本稿では、その続き、ひふみよ橋の復興について報告したい。  ひふみよ橋とは、福岡県八女市上陽町の星野川にかかる四つの石造アーチ橋群の総称で、星野川の約二、

上陽町「ひ・ふ・み・よ橋」の運命(2013年ponte寄稿)

1、博多祇園山笠と九州北部豪雨  博多の夏は770年の歴史をもつという祇園山笠祭りで始まる。山車を引きながら街を走って回り、タイムを競う7月15日の「追い山笠」をクライマックスとし、七月になると一日から博多の街の至る所に「飾り山」と呼ばれる高さ10mはあろう華やかな山車が飾られ、街にハレの雰囲気が漂ってくる。  私が博多に赴任して間もない昨年、「追い山笠」の数日前から前日にかけ、九州北部は激しい雨に見舞われた。道路や駅は冠水し、川もあわや氾濫というところまで水位が上昇し肝

新天地「福岡」の景観(2012年ponte寄稿)

1.はじめに  私事で恐縮だが4月から、46年慣れ親しんだ関東を離れ、単身赴任で博多に住んでいる。ponteの編集に関わっている身ではあるが、この生活はしばし長くなりそうなので、これからもこの紙面で九州の話題をお届けしていきたいと思う。語りたいことはいっぱいあるが、今回は住環境が変化した、混乱の過程で「景観の評価」に対し自分なりに考えることがあったで、ここに書き留めたい。 外からの視点と内からの視点  初めて博多に住み始めたとき、自分の心の中に「不安感」が生じた。これは