『狼の死刑宣告』 感想
お父さんが悪い奴らにお仕置きする映画。
『SAW』で鮮烈なデビューを果たしたジェームズ・ワンが、俺は一発屋じゃないぞ! と意気込んで作った(と、思う)バイオレンス映画。
シンプルな物語ながらもケビン・ベーコンに感情移入させる丁寧な演出が素晴らしく、特に、善良なスポーツマンだったお父さんが初めての殺人を犯したシーンとその後の手を洗うシーンには胸がつまる。
勿論理由はどうあれ、人を殺す事はダメな事であるので、一度殺してしまえば「やっぱ今のなしね」というわけにはいかないのだ。
あとは、もうここでやめて法の裁きを受けるか、トコトン最後までいってしまうか、である。
そしてケビン・ベーコンは覚悟を決める!
俺はもう善良なスポーツマンじゃないんだ!
俺はもう、人を人と思わない、あいつらと同じなんだ!
その思いはモヒカンという、特殊な髪型にする事で更に高みへ上がる。
男がやらなきゃいけないと決意した時にモヒカンにするのは、『タクシードライバー』の頃からの伝統なのだ。
この、髪を刈るシーンの色が素晴らしく、殺人を犯したシーンの照明の色と対比になっている。哀しい。
そしてモヒカンはやりすぎと思ったのか、その後すぐに剃り落として坊主になっちゃいました。ちぇ。
ラストはメキシカンスタンディングで決まり!
ブラボー!
余計なお世話だけど、『グラン・トリノ』と続けて観るのがオススメ。どちらも復讐をテーマにした西部劇のスタイルで、進むべき道の別れ目がわかりやすい。
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