『香港国際警察/NEW POLICE STORY』感想
憎たらしいガキ相手にジャッキーが振り回される映画。
ジャッキー・チェンの映画はいずれも、最高か、やや最高、のどちらかしかないのでそのつもりで参考にして下さい。
冒頭からいきなりジャッキーがふらふらしながらゲーゲー吐いているので、「こんなジャッキーが観たくて再生ボタンを押したわけじゃないのに!」という気分になるが、それにはもちろん訳があって、ジャッキーは一年前のある事件で心が折られてしまったから仕方がないのだ、ということがわかる。
その敵役というのがこれまた憎たらしいガキ共で、奴等はゲーム感覚で警官を殺戮していくのだ。
こんな馬鹿なガキ共は全員ジャッキーにぶちのめされたら良いのに、という思いは止まらないが、なんとジャッキーは憎たらしいガキ共にコテンパンにやられてしまうのである。
さらには、部下や婚約者の弟までをも全員殺されてしまった。あーあ。
そんで、冒頭のゲーゲージャッキー(GGJ)の出来上がりというわけ。
この映画前半でのジャッキーは、終始ゲーゲー吐いてるかメソメソ泣いているかイライラ苛ついてるかのどれかなので、観ているこっちのストレスもどんどん溜まっていく。
「ジャッキーのカッコ良いアクションが観たいんだよこっちは」と呆れかけたそのタイミングで、ドカンと高いビルからの垂直かけ降りからの、高速二階建てバス町破壊、という弩迫力アクションシーンがやってくるのだ。待ってました!ヒューヒュー。
その後のジャッキーは謎めいたチャラ男の部下、ニコラス・ツェーと共にグングンと挫折からの再生をして行き、もちろん最終的には悪いガキ等にバシッと勝利します。アーイェー。めでたしめでたし。
と、それだけで終わらないのがこの映画の素敵なところで、憎たらしいガキ共の犯行動機や、チャラ男の謎の解明などがほどよくシリアスめいていて、うむむ、と色々考えさせられる重厚さもチラリと光らせるのです。あとラストの、恋人とのシーンとかね。
警察内部のコミカルなシーンとか、ニコラス・ツェーが完全に青島のコスプレをしている、というところから『踊る大捜査線』シリーズを思い出してしまう本作ですが、やはり圧倒的な違いは本気の役者達の肉体アクションであり、こればかりはどうやっても勝てやしません。
警察が犯罪者の脱獄を助けるなんて!みたいなギャグめいたシーンひとつでも、ジャッキー達の肉体アクションがあればこそ許せるというものなのです。
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