『ロスト・ボディ』 感想
死体安置所から妻の死体が消えて、実は殺人実行犯だった夫が洒落にならないくらい焦りまくる、って映画。
大学教授の旦那は、年上で金持ちで美人で剛腕な年上女房に全てを握られている。
彼の人生のすべてが、妻の掌の上なのだ。
で、そんな境遇にストレスを溜めまくった旦那は、可愛い学生と浮気。
その上、学生と共に生きていきたい、とすら願う。
なので、年上女房が邪魔で仕方ないのだ。
こうなったらもう殺すしかない!
旦那は、八時間たったら死ぬ、司法解剖でも絶対に痕跡が残らないという夢のような毒薬を使って、奥さんを殺害しようと目論む。
そしてその計画は上手くいったように見えたのだ。
奥さんの死体が、安置所から忽然と消えてしまうまでは。
そこに刑事がやってきて、旦那をこれでもか、と疑いまくる。
旦那にしてみれば、殺したのは事実だけれど、死体が消えたのは身に覚えがないし理由もわからない。
混乱する旦那は、ふと、ある可能性に思い至る。
ひょっとして、妻は、毒薬を飲んでいなかったのでは……?
そして浅はかで愚かな旦那の、刑事と生きているかもしれない妻との二つの影に怯えまくる、という今までのストレスの方が数倍まし、という悪夢のような夜が始まるのであった。
ネタバレなしで書きますが、オカルトホラーかのような導入からサスペンスになり、最後はきっちりミステリで種明かししてくれるという秀作でした。
面白かったです。
ラストのどんでん返しのたたみかけは気持ち良かったですね。
各個人のエピソードがちとたるいかな、と思ってしまうけど、それらは全て伏線なので見逃すわけにはいきません。よく出来てる。
あと、ホラーとかサスペンス映画に出てくる便所って、絶対に汚いよね。
この作品も例に漏れずに、「便所汚い映画」としてオススメなので、「便所汚い映画」のファン方にもオススメです。
謎解きミステリ映画を本格的に楽しみたい! って人にはもちろんオススメです!
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