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『LOGAN』 感想

X-MENのウルヴァリンがお爺さんと娘の世話でドタバタする映画。

IMAXで。

ウルヴァリンにとって、凶暴だった頃の悔やみきれない自身の過去、というパーソナルを持つ、ローラという少女のキャラクタが現れ、ウルヴァリンは成り行きで彼女とプロフェッサーxらと疑似家族を演じることにより、今まで自分が持つことのできなかった家族、という暖かさに触れる。

原作では幾度となく長寿のウルヴァリンは家族を持っているのだが、そのどれもが幸せな結末にはなっていない。

そしてローラもまた家族を持てなかった人物だったが、やはりウルヴァリンとプロフェッサーXという二人の大人の男を通して、思いやりや、人の為に動く、という事を学習していく。

そんな三人は、道中に出会った、微笑ましくも必死で生きる、とある家族と触れ合うことにより、より幸福な道、というものに近づくかと思われたが、その先から待ち受けるのは、より凶暴な過去のウルヴァリンであった。

ウルヴァリン=ローガンは、過去の凶暴な自分からどう足掻いても逃げられることが出来ない。


この作品のモチーフともなっている、元ネタ映画とも言える『シェーン』は劇中で流れ、その中のセリフでそれは繰り返される。

ローガンと同じ顔をした、言葉の通じなかった頃のローラがより凶暴性を増した新たなる敵に、ローガンは勝てない。
それは過去の呪縛だからだ。

そしてそれを倒すのは、かつての過去の自分であったがウルヴァリンとプロフェッサーXにより、人間らしさを取り戻した、娘、ローラである。


彼女は、ローガンが自殺する時のために持ち歩いていたアダマンチウムの弾丸を、過去のウルヴァリンの頭に撃ち込み、「自殺」を成功させるのだ。

そして「迫害される彼ら」は国境を目指す。

今作は、迫害されてしまった人々の物語で、それはトランプ政権以後、「壁を作る」と宣言されてしまったメキシコの人々他、アメリカ国民以外の人々、との物語とも重なる。

劇中、ローガンがバイトする運転手の客で、「USA!」を連呼する者がいる。

彼らは、排他主義者だ。他者との共生を望まない人々である。そんな彼らを仕事で運搬するローガンの心中は察するに余る。

ラストカットで号泣。
あーいうのほんと弱い!

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