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『遊星からの物体X』 感想

南極大陸でボディスナッチャーされる映画。

昔、KBS京都で夜七時にやってた。

この映画の肝は、誰がエイリアンかわからなくて、皆が本心をむき出しにして疑心暗鬼になる、ところと、エイリアンの造形の醜悪さなのですが、普通なら、誰がエイリアンかは、ヒントとなるような映像は観客にだけに観せ、登場人物にはわからないようにし、志村後ろ! 的なサスペンスを煽るのがお約束と思うのですが、この映画ではそれは冒頭以外、一切しません。

だから、誰がエイリアンかは、登場人物も、観客も全くわからないんですよね。

それって逆に言えば、誰がエイリアンでも別に驚かない、て事なんですが、それでも、魅せてしまう監督のノリに乗ってる演出力で引き込まれます。

「物体」が、人間を乗っ取るのは、暗闇でしか無理、という設定が、予算の都合でつけられたもの(明るい中で乗っ取りシーンをやるとショボさが目立つから)で、2011年に作られた前日譚ではCGが発達したおかげで、そこは取り払わられた、て裏話も好きです。

それでも、オープニングシーンで犬を殺そうとする人に、酷い! 許せん! と怒り、物語が進むと、あーだから犬を殺そうとしてたのか! と、価値観をひっくり返されるシーンとか、本当、好きです。

メインテーマが『かまいたちの夜』の疑惑を持つシーンでかかる曲ぽいのも良い。
違う。『かまいたちの夜』の曲がこの映画の曲に似てるのか。

こういう映画を夜の七時に放映していたKBS京都は本当にえらい。
あと、女性が一人も出て来ない。

#映画 #映画レビュー

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