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『ロスト バケーション』感想 ※ネタバレあり

鮫の餌としてロックオンされる映画。

医学生のナンシーは、母親を癌から救うことができず、医学や人を救う、ということに対して根本から疑問を持ってしまう。

人間は所詮、死からはどうやっても逃げることなどできないのだ、と悟ってしまったナンシーは心の洗濯だ! とばかりにスペインへ旅行へ行く。

亡くなった母親が、自分を宿している時に訪れた秘密のビーチで母なる海に身を投じることで、傷を癒そうと考えたのだ。

そうしてナンシーは地元の親切な親父の車に乗せてもらって秘密のビーチへ辿り着く。

その母なる海でサーフィンを存分に楽しむナンシーだったが、沖合に巨大なクジラの死骸が浮いていることに気付く。

クジラの身体には、凶悪な咬み傷がしっかりと残されていた……

パニック鮫ホラーかと思いきや、サバイバルサスペンスものでした!

医学生のナンシーは鮫に追い詰められて怪我をした状態で干潮時に顔を出す岩の上に逃れます。

その間に、自らの医学知識で、その場にあるものだけで傷を縫合したり同じように傷ついて飛べなくなったカモメの面倒を見たりと大活躍!

はじめは誰かが助けてくれるのを待ち、その後一度は諦め、それでも知恵と勇気で生き残ると、次第に恐れていた鮫に対し、戦う、という感情が芽生え、最後は大スペクタクルアクションとなります。

そして、鮫と戦うことにより、母もまた戦っていたのだ、と気づかされるナンシー。

母の思い出の秘密のビーチに現れた白い傷ついたカモメは、ナンシーの心が折れてしまわないように、最後まで側で見守ってくれました。

そのカモメこそ、母だったのだ、とナンシーは最後に気づき、ラスト、母に対して「もう大丈夫」と告げるのです。

母のカモメと共に鮫と戦い、共に生き残ったナンシーは、ようやく、母の死、という深い悲しみから、ようやく顔を出すことが出来たのです。

その為に、文字通り、最後は深い深い海の底へと、自らの身を猛スピードで投じることにより、最大の敵を倒すことが出来、ナンシーは母なる海から顔を出し、生まれ変わることが出来たのでした。

#映画 #映画レビュー

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